テラーノベル
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side;キャメロン
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日に瞼をくすぐられ、ゆっくりと意識が浮上した。スマホで時間を確認すると、午前8時。昨夜あれだけ激しく交わった割には、早く目が覚めた。身体に乗る腕の重みと、肩口にかかる規則正しい呼吸からして、ニキくんはまだ目覚めていないようだ。
その少し幼さを感じさせる呼吸と、脳裏に浮かぶ昨夜の肉食獣のような獰猛な姿があまりにも乖離しすぎていて、勝手に心臓が跳ねる。大変だ、ここにいたら下半身が反応してしまう。今日の予定は夜のラジオだけだけど、折角目覚めたのだから、朝食でも作ろう。ニキくんを起こさないように静かに抜け出そうと身体をずらした時、腕に力を込められて引き戻された。
「ニキくん、起きたの……?」
掠れた声が思いの外甘く響いて、自分で少し驚く。まぁ久しぶりで結構盛り上がったからなぁ、なんて思っていたらニキくんが吹き出した。
「キャメ声やっば」
「ニキくんのせいだよ」
身体に回された腕を軽く叩く。そんな腕に力を込めて、ニキくんは俺の背中に顔を寄せた。
「はいはい。そんな俺のせいだから、こっそり抜け出そうとしたの?」
ぐりぐりと押し付けられる頭に愛しさを感じながら、今度は腕をゆっくりと撫でる。
「違うよ。早く起きたから朝ごはん作ろうと思って。ニキくんも食べるでしょ」
「えーいいよそんなの。もっとこのまま……」
駄々を捏ねようとしたニキくんを遮るように響く、お腹の音。言っておくが、俺ではない。ニキくんである。
「……食べる」
「ふははっ」
「笑うな」
「ごめんごめん。ほら、行こう」
秒で意見をひっくり返したニキくんに、今度は俺が吹き出して、2人でキッチンへ向かう。諦めが悪いニキくんは、俺に回した腕を解くことなくきっちり後ろにくっついていて、歩きにくいなぁなんて思いつつ、背後の温もりに自然と口角が上がった。
side;ニキ
昨夜あれだけ抱いたのに、朝起きてもまだ足りないと思う自分は、相当重症だ。
キャメの背中に張り付きながら、ぼんやりそんなことを考える。
部屋着越しに伝わる体温も、寝起きで少し掠れた声も、全部が無防備で、正直目に毒だった。
そんな俺の気持ちもつゆ知らず、キャメはキッチンで朝食になりそうなものを探している。
「米炊いてないから、トーストでいい?」
「うん」
「オッケー。あと卵の期限が近いから……」
「オムレツがいい」
「えー……朝から?」
「朝でも食える」
「そういう意味じゃなく……まぁいいや、じゃあニキくんトーストよろしく」
オムレツをリクエストしたら、トースト係に任命されてしまった。強引に腕を引き剥がされたので、渋々食パンを手に取り、2枚トースターにセットする。残りの食パンに適当に封をしてキャメの方へ向き直ると、卵をかき混ぜる背中。キャメの腕が動くたびに、緩めの部屋着の首元から昨夜俺がつけたキスマークが見え隠れしていて、昨夜の劣情がじわじわと蘇る。
俺は吸い寄せられるように再びキャメの背中に張り付いて、その細い身体に腕を回した。
「……やりにくいんだけど」
「元飲食店店長なら大丈夫」
「……なにそれ」
手際よくかき混ぜられた卵に、牛乳とバターが投入されていく。ボウルを支える骨ばった手。手首を返すたび、前腕に薄い筋が浮く。何気ない動作のはずなのに、やけに煽情的に見えて、思わず視線を逸らしてキャメの首元に顔を埋めた。
「ン、」
髪が肌に触れてくすぐったかったのか、キャメの口から鼻にかかった吐息のような声が漏れる。
だめだ、エロすぎる。
完全に下半身に熱が集まった俺は、キャメの尻に押し当てるように密着し、そのゆるゆるのトップスの中に手を入れた。腹筋を撫でれば、キャメがぴくりと身体を震わせる。
「えっ、ちょっ、ニキくん……!?朝ごはんは……!?」
「食べる……けど、その前にヤりたい」
「……っ、昨日、ヤったじゃ、んっ!」
腕から逃れようと抵抗されるが、耳朶を甘噛みすればたちまち弱まった。キャメの弱点なんて、とうの昔に知り尽くしている。このままなし崩しに進めてしまえそうだな、なんて思ったところで、チン、と軽いベルの音が鳴る。なんてタイミングだ、トースターよ。
「ニキくん、パン」
トースターの音で少し冷静さを取り戻したキャメが、俺を振り解こうと結構な力で腕を叩く。
きっと、ここでトースターの相手をしていたら多分この雰囲気は流れる。そのまま健全な朝になってしまう。そんなの臨戦体勢になってしまった俺の息子が可哀想だ。
「んー?」
トースターには悪いが、聞こえなかったことにしてシャツの中を弄る。胸の飾りを指で弾けば、俺の腕を引き剥がそうとしていたキャメの手が、縋るように袖を掴んだ。
「んーじゃな、あ……っ!」
首筋にキスを落としながら、胸の飾りを摘み、押し、時々弾く。キャメが握っていた菜箸がカランと音を立てたのを聞いて陥落を確信した俺は下着ごとズボンを降ろす。
「せ、めて……ベッド、で……っ!!」
「無理、余裕ない」
昨夜の名残か、まだ少し柔らかい後孔に指を埋めた。キッチンなのでローションなどが手元にないのが気がかりだったが、これなら大丈夫だろう。前立腺を潰すようにナカを解しながら指を増やせば、キャメの足がガクガクと震える。
「ん……っ、ひ……や、ぁっあ!」
きゅう、とナカが締まった。軽く達したらしい。シンクの上に崩れそうになったキャメの身体を支えて指を引き抜くと、猛った俺のモノを宛がって一気に貫いた。
「ぁあっ!」
「……、きつ……っ」
数時間前まで挿入っていたというのにまるで処女のように絡みついてくるナカに持っていかれそうになるのをなんとか耐え、ゆっくりと引き抜き、また奥まで貫く。
いつもと違う無機質なステンレスに縋るように触れているキャメの手に情欲を掻き立てられ、自らの手を重ねて握ると同時に身体を倒し、シンクに押し付ける。キャメのナカが震えるのに合わせて最奥を穿った。
「……っ、ん」
息を整えながら、そっとキャメの首筋にキスを落とすと、同じく荒く息をしたキャメが、恨めしげな瞳で振り返った。
「、っ……乾いたトーストは、2枚ともニキくんが食べてね…… あとオムレツじゃなくてスクランブルエッグにするから……」
「……はいはい」
事後の余韻もなく小言を並び立てる唇を塞ぎながら、トースターの中でパサパサになっている食パンの美味しい食べ方を考えるのであった。
#ご本人様とは一切関係ありません
コメント
1件
あおいです🤍 第4話、朝のキッチンという日常の延長に、二人の濃密な時間が溶け込んでいく感じがとても良かったです。キャメロンさんの「ニキくんのせいだよ」という甘やかし、ニキくんの「まだ足りない」と理性ごと持っていかれる様子に、関係性の深さがにじみ出ていました。トースターのチンという絶妙なタイミングに笑いましたが、それすらも二人の間ではエピソードの一部になるんだなあと。乾いたトーストを巡る最後のやりとりも含めて、二人だけの空気感がたまらない回でした🍞