テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

車内、夜。帰り道ーー


「ねぇねぇ、暇だしマジカルバナナしない?」

涼架くんが後部座席から声を上げた。


「まさかの昭和ノリ……」

滉斗くんが笑いながらも興味津々。


「俺、そういうのわりと本気出すよ」

元貴くんが低く笑う。


「じゃあ、お題どうする?」

私が振り向くと、涼架くんがにっこり。


「もちろん、”◯◯”からはじまるマジカルバナナ♡」


「え、私!?」

「やば、開始1秒で照れそうなんだけど……」


「じゃ、いくよ~~~!」

涼架くんがリズムを刻み始めた。




🎵 マジカルバナナ!◯◯と言ったらーー?




「◯◯と言ったら、天使!」(涼架)


「天使と言ったら、癒しの塊!」(滉斗)

「癒しの塊と言ったら、俺が疲れてても一瞬で回復!」(元貴)


「なんか、もうすでに恥ずかしい!!」

助手席の私は、顔を手で覆って悶絶中。




🎵 第2ターン!


「◯◯と言ったら、笑顔が反則!」(滉斗)


「反則と言ったら、可愛すぎて捕まるレベル!」(元貴)

「捕まると言ったら、俺たちの心を盗んだ罪♡」(涼架)


「こら!人の心盗まないでくださいー!」

「いやもう盗んでるの自覚して……」

「完全なる現行犯だね」

「執行猶予つかない」


全員でわいわい笑って、でも空気はどんどん甘くなる。




🎵 第3ターン(わりと本気)


「◯◯と言ったら、がんばり屋さん」(元貴)


「がんばり屋さんと言ったら、誰かのために無理しちゃう人」(涼架)

「無理しちゃう人と言ったら、俺が守りたくなる人」(滉斗)


一瞬、車内が静かになる。

3人の声が、いつもよりほんの少しだけ、優しくなっていた。


「……今日さ、スタジオ来てくれてありがとう」

「ずっと見ててくれて、すごく嬉しかった」

「だから……ちょっとでも、◯◯のこと褒めたくなった」


照れたように、それでもまっすぐな目で言ってくれる3人に、胸がきゅんとする。




🎵 最終ターン!(甘さ最大レベル)


「◯◯と言ったら、大好きな人」(涼架)


「大好きな人と言ったら、誰にも渡したくない人」(滉斗)

「誰にも渡したくない人と言ったら……俺たちの未来」(元貴)


「…………っっっ!!!!」


何か言いたいけど、言葉にならなくて、ただ黙ってしまった私に、

3人の顔が、ふっと柔らかくなる。


「照れてる顔、100点♡」

「照れてる◯◯が一番可愛い」

「……ずっと、隣にいてくれれば、それでいいよ」




◆助手席にそっと手が伸びる


滉斗くんが、そっと私の手を握ってきた。


「ねぇ、◯◯」

「ゲームじゃなくて、本気で言ってたって、わかってるよな?」


後ろから涼架くんも、頭を私の肩にちょんっと乗せる。


「◯◯は、俺たちにとって、毎日が特別になる存在なんだよ」


元貴くんは静かに、でもまっすぐな声で囁いた。


「誰よりも、大事。……誰よりも愛してる」




信号待ち。夜風が車内にふわり。


照れくさくてたまらないのに、

不思議と、心がとろけていくような、安心感に包まれていた。


(……マジカルバナナ、最高すぎた)


次からこのゲームやるたびに、

私はきっと、この夜を思い出すんだろうなって思った。





この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚