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次の日は、雨が降っていた。太陽が出てこないから、森に行っても無駄だ。晴れてくれないと、会えない。
そして、次の日も、その次の日も、雨だった。やっと晴れたのは、5日後の夕方。虹が出てる日だった。
やっと晴れた。森に、行かないと。香を、助けたいから…早く…!
着いた。まだ、光がある。私は、叫ぶように、声を出した。
「香ー!」
…やっぱり…もう…
「お姉ちゃん…来ちゃ…ダメだよ…。」
「香!」
「なんで…来たの?」
「やっと…こっちに来て。」
手を掴み、走る。
「ちょっと!お姉ちゃん!」
「分かったの。香が消えた理由。思い出したの。」
そのまま、進む。
「…ここなら…」
「お姉ちゃん…どうして…」
「いや…ここから出よう。香。」
「無理だよ…」
「大丈夫。2人なら、きっと…」
「そう…だね…そう…だよね。」
「行こう。」
日没まで、あと少し。絶対に、救う。救ってみせる。だから、私は、私達は、逃げる。光から。この森の、光から。
「あと少し…」
その言葉と同時に、森から光が、無くなった。あとは、森を出るだけ。
「香、早く。」
「お姉ちゃん…うん。分かった。」
そして、私達は無事に、森から出ることができた。家に、帰りたいが、問題がある。
「ねぇ、香。」
「何?」
「みんな、香のことを忘れちゃってたみたいなんだよね。お母さんも、きっと、覚えていない…」
「なんだぁ。そんなこと?姉ちゃんは気付いてないだろうけど、私についての記憶は、皆持ってるよ。」
「え?空白の部分も?」
「うん。自然に付け加えられるみたい。私にも、本来ならやっていたであろう学習の記憶が、あるんだよ。」
「なぁんだ。そっか…」
さすがに都合が良すぎるけど、急に知らない人が来たら皆驚いちゃうもんね。
「じゃあ、家に帰ろう。」
「うん!」
こうして、私は、幽霊となっていた妹を救うことができた。幽霊というより、森に監禁されていたようなものだったけど。
妹がいる生活は、とても楽しい。これからは、森に近づかないことにする。今度は私が、連れて行かれるかもしれないし。とにかく、これからは、もっと、楽しく過ごしたいなって思う。
end