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ジリジリジリジリ……… ジリジリジリジリ………
目を覚ました。
目覚まし時計のうるさい音が頭の中に響く、カーテンの隙間から差し込む太陽の光「あぁ…眩しい…」思わず口に出してしまう。何ら変わりない朝の始まりのはずだった。いつものようにトイレに行こうと思い立ち上がるその時やたら胸に重みを感じた。寝るときの体勢が悪かったのだろうか?いや、いくら寝るときの体勢が悪くてもこんな事になるか?と思いつつ自分の胸を見る。すると、パジャマにしていた使い古したシャツの隙間から有り得ないものが見えた。見えた?
まだ寝ぼけているのか?寝ぼけているに違いないそう自分に言い聞かせながら2階にある自分の部屋から1階のトイレまで行き用を足そうとパンツを下ろすといつもあるはずのものがないことに気づく、「は?」また思わず口に出てしまった。なんだこれ?どういう事だ?急いで脱衣場にある洗面器まで行き鏡を見た。そこには一人の女が立っていた。「あええええぇええええええええ」どういう事か分からないが自分は女の子になってしまったらしい。いや、そんなことねぇーよ夢でも見ているんだろと思いたいところだか、そうもいかないどうやら現実を受け止めないといけないらしい。もう一度自分の姿を鏡で見る。が、変わらない、そこには長髪の女の子が立っているのだ。改めて見てみると自分では言うのもなんだがめちゃくちゃ美少女だ。肌は白く、腕も足も細く、また絹のような漆黒の長髪、まるで人形のようだ。自分に見とれている間に大分時間が経ってしまった、まずい今日は学校なんだ時計を見ると登校時間に遅れていた、正直こんな姿で行ってもどうすればいいか分からない、自分がいつも来ていた男子用の制服は女子になった今着てみるとダボダボでとてもじゃないが学校生活では支障が出そうだ。というかこのまま戻らなかったらどうすればいいのか、頼れる友達は中学の時はおろか高校になってもできず、孤立したまんまだ。家族は母一人妹一人だが、母は仕事が忙しくなかなか帰って来れずたまに電話で話すくらいだ。だからほとんどの家事は自分と妹が両立してやっている。その妹の雫はもう中学に登校したのだろう。リビングに微かにトーストの香りが漂っていた。朝食を済まし少したった頃、ようやく決心がついた。このままうじうじしていたって何も変わらないのだ。というか正直、女の子になった自分めちゃくちゃ可愛いし、これなら少なからず友達もできるのでは?性転換したおかげで人生が一変するかもしれない千載一遇のチャンスだと思った。そう思い家を出る支度をしてルンルンで学校へ向かった。