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 ※ 東京『腐』リベンジャーズ 、マイ武、ヒナ武、失恋???、悲しい、暗め(?)、メリーバットエンド風味 。
 お待たせ致しました皆さん!!私ルナ、1個の同人並に長いノベル制作を致しました!是非是非最後まで見てってください!では、レッツゴー!!!!それじゃ、
 
 
 
 ✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 『…タケミッチ、結婚おめでとう。』
 『嫁…泣かせんなよ??(ニコッ)』
 タケミッチの結婚式の日、おれはこ
の恋心に蓋をした_。
 
 
 
 
 
 そうなる、はずだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「武道君!またデート遅刻?」
 【ごめんヒナ!!ちょっと寝坊しちゃってさ。】
 「もう…仕方ないなぁ」
 【ごーめんごめん(汗)】
 
 ふと、たい焼きを買いに出掛けた帰りにデートなのか2人で普段着を来ているヒナちゃんとタケミッチが居た。
 『ケハッ…タケミッチ、怒られてやーんの(笑)』
 俺はそんな事を苦し紛れに零し、軽くたい焼きを咥えながら笑う。
 タケミッチと過去に戻って、皆を救って、全国制覇をして…今思えば濃い人生だったと思う、それに、前の軸では無かったものが今回は沢山あった。
 1番大きいのは、タケミッチへの恋心…ホモかって思うかもしんねぇけど、タケミッチ以外だったら恋愛対象には入っていない。
 『…情けね、。』
 そんな、ポロッと出た本音も周りの車の音や話し声でかき消される。
 タケミッチは、相変わらずヒナちゃんにゾッコンだ…このまま行けば、きっと2人は結婚して…ガキ作って幸せに暮らすんだろーなって思う。
 けど、その裏側で2人が別れないかと言う最低な考えがこびりついて離れない、前の軸で三途に言われた言葉が何回も頭の中で再生される。
 〘マイキーを救えるのも、壊せるのも、あの花垣武道だけなんですよ。〙
 そう、言われた、あの言葉がずっと忘れられない。
 あの時は意味がわからなかったが今ならわかる、俺を救ったのはタケミッチ、だけど同時に俺を壊しているのも、タケミッチだった。
 実際、きっと俺は今の軸でも壊れているんだろう、ヒナちゃんが居なくなれば彼処は俺の物…そんな事を考える、酷い時は計画を練ってみたり、自分でもわかる程に最低だ。
 『…唯我独尊様が、振り回されてんのか』
 ポツリと呟きながら帰路に着く…最後の世界線になってからは、タケミッチとは握手をしていない、過去に戻ったらたまったものでは無い。
 そう思いながらもふと、タケミッチはまだ怒られてるのだろうか?と思い後ろを振り向くとタケミッチと目が合った。
 『ぇ…?』
 久しぶりに驚いた、さっきまで見られてないと思って感情を顔に出していたから、見られてしまったのだろうか、不安気に此方を見ている。
 『…そんな目で俺を見るな……ッ』
 フィッと顔を逸らしてはボソリと呟く、救って欲しいと、やり直したいと言いたくなる様なその顔に、その目に嫌気が差してきたからだ。
 その後俺は、逃げるように家に帰った。
 
 
 
 
 
 ガラガラッと、自室のドアを開ければ真一郎から譲ってもらった前の世界線と同じ部屋の光景が広がっている。
 まぁ強いて言えばタケミッチとのツーショットと、前の軸では貰えなかったコンコルドのプラモが置いてある事。
 
 『…はぁ。』
 そんな、小さなため息一つをベットに寝転びながらこぼした時だ。
 {ため息着いたら幸せ逃げるよ?}
 『っぉわァッ!?エ、エマ…?』
 {忍び込んでたんだ〜、ナニ、もしかして恋〜?}
 エマがひょっこりとベットの所から出て来てからかってくる。
 『…揶揄うんじゃねぇ〜。』
 {ごめんごめん、でもマイキー…なんか悩んでそうだったからさ〜。}
 流石、見透かされた…と内心思いつつタケミッチの事が好きなんて言えねぇな、とぎこちなく笑いどう返事すべきかを考える。
 {…タケミッチの事でしょ、ウチわかるし。}
 『ッは、?なんで分かんの、エマ。』
 {そりゃあ、マイキータケミッチ見る時の目だけ違うし。 }
 『目……??』
 意味が分からなかった、目なんていつも同じだし、それに好きなんて、包み隠してたつもりだった。
 {そう、目…ずーっと目で追ってるしタケミッチと誰かが話してると悲しそうな顔するじゃん??}
 『そんな顔に出てたのか…。』
 {すっごい出てた、それにマイキーツーショなんか普段飾らないじゃん。}
 『そこまで…。』
 全てが見透かされている様だった、俺はエマにならと思い自分の本音を、事実を、全部うち明かした。
 {やっぱりね、マイキータケミッチ好きなんだ。}
 『………。』
 {…マイキーは、どうしたいの?}
 『どうしたい…??』
 {このまま、この気持ちを伝えないでタケミッチとヒナを見届けるのか}
 {それとも、気持ちを伝えた上で見届けるのか。}
 『……っ、。』
 そんなの、分からなかった…この気持ちを、叶わないこの恋心をタケミッチにぶつけていいのかなんて。
 {…マイキー根性無くなったね〜。}
 『はぁ!?あるだろ!』
 {好きな人に告る勇気もない人は違いマース。}
 『な…反則だろ!!』
 {エマは事実を言っただけですぅ〜。}
 正論の暴力とはまさにこの事だろう、何も言い返せなかった。
 エマが部屋を出てってから、部屋には沈黙が流れる…。
 …お前ら読者は、きっと今こう思ってるよな、”ヒナちゃんとタケミッチを会わせなければ良かったのに”ってさ。
 俺も、出来ることならそうしたい、そうすれば良かった…けど、こんな重くて甘くてこびりついて離れない恋心に気が付いたのはつい3年前だ、中学2年、3年かそのくらい。
 もっと早く気が付いていればと後悔してももう遅い、タケミッチはヒナちゃんと出会ってヒナちゃんはタケミッチに恋をしていてタケミッチもまた、ヒナちゃんに、恋をしている。
 『……助けて、タケミッチ…ッ。』
 
 俺は今日もベッドに1人、そう呟いてみる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「どうしたの?武道君、後ろなんか振り向いて。」
 【ん、?ぁいや、…なんかマイキー君に呼ばれた気がしてさ。】
 「何それ、変なの(笑)ほら、武道君次行くよ!」
 【ぁ、ちょ待ってよヒナ!!】
 ふと、耳元であの時の君の声がした。
 『助けて…タケミッチッ』
 そんな、いつかの未来の君のようなか弱い今にも消えそうな声。
 なんでだろう、胸がザワつく、助けなきゃって思うのに…自分が助けたらもっと悪化するんじゃないかって変な考えが行動を止める。
 「武道君!このネックレスどう?」
 【へ、?嗚呼、うん!いいと思う。】
 「買っちゃおうかな〜…。」
 中学二年生の春、俺はヒナに告白をされて付き合った。
 今日は、付き合って三年記念日のデートをしている、俺とヒナは別々の高校だけど1つ駅が違うだけで列車は一緒だからだいたい高校には二人で行って帰って、今でもラブラブだ。
 「おーい、武道君??なんか今日ずっとぼーっとしてるね、風邪かな??」
 【っあ、嗚呼ごめん…ちょっと考え事しててさ。】
 「別に良いけど、あ!武道君次あそこ見ようよ!」
 【いいよ、行こっか!】
 …マイキー君とタイムリープをして、みんなを救った…場地君、稀咲、真一郎君、エマちゃん、イザナ君……それと、ヒナ。
 幸せだ、最初の世界線には居なかった大切なダチと仲間に囲まれて彼女にも愛されていて…幸せな筈なのに、何処が心に君を助けないとって言う思いが突っかかって離れない。
 そう言えば、今日の朝マイキー君を見掛けたなと心の中で思いつつその時のマイキー君の顔が頭のにこびりついて離れないでいる、怒り、悲しみ、憎悪、それと少しの光の感情のどれかが混ざったような複雑な顔付き。
 なにが、なにがそんなに不満なのだろう?幸せと言っていた、不満な事がないと言っていた…なにが、君をそんなに苦しめてるんだ……???
 そんなことを考えながらヒナとショッピングセンターを回ってゲームセンターに着いたその時、ヒナはひとつのクッションを見てこう言った。
 「このたい焼きのクッション、マイキー君貰ったら喜びそうだね。」
 【確かに、最近マイキー君元気なさそうだったし…取ろうかな!】
 「いいね!ほら、武道君取って取って!」
 【取れるかな、これ結構ムズいしなぁ…。】
 クレーンを操って26歳の時に散々言っていたテクニックでたい焼きのクッションを取ろうとする、持ち上げるボタンを押すと丁度タグに引っかかったのかたい焼きのクッションは持ち上げられて、そのまま取り出し口にぼとりと落ちる。
 「取れちゃった!凄いよ武道君!」
 【まさか一発で取れるとは…俺もビックリだ(笑)】
 「今日の帰り道、武道君マイキー君の家の前通るでしょ?その時に渡してあげなよ!」
 【そうだな…うん!そうする。】
 「どんな反応したか、後で教えてよね!あと…もう時間も時間だし帰んないとだね、。」
 【ぇ、もうそんな時間!?……ホントだ、もう6時…。】
 「ヒナ、これ以上遊んでたら怒られちゃうし帰らないと、分かれ道の公園まで一緒に帰ろ!」
 【うん!当たり前。】
 「やった!」
 片手ででっかいたい焼きのクッションを抱えて片手でヒナと手を繋ぐ、空は夕暮れに差し掛かっていて少し肌寒いくらいになっていた。
 「じゃあね、武道君!また明日。」
 【うん!またなヒナ!】
 「またね〜ッ!」
 手をブンブンと振るとヒラヒラと手を振り返してくれる、俺は反対方向な為1番近道なマイキー君の家の前を通るのだ。
 しばらく歩いていると、佐野と言う名簿と同時におっきい和風な家がある、カチッとインターホンを鳴らすと。
 『はいはーい、なに、宅配?』
 今回はマイキー君の声だ、いつもはエマちゃんが真一郎君なのになと思いつつ。
 【あ、マイキー君!ちょうど良かった、渡したい物があって!】
 たい焼きのクッションを渡さなければならないと、我に返りそう言うとマイキー君は驚いたように。
 『待っててな、すぐ行く。』
 と、インターホンを切り忘れるくらいドタバタしていた。
 【ンフッ…(笑)マイキー君お茶目だなぁ…。】
 少し笑っていると、玄関の扉がガラッと勢いよく開き、パッと明るい顔をしたマイキー君が走ってくる。
 『タケミッチ!お待たせ、渡したい物って…?』
 【ああ、これッス!!今日ヒナとのデートでマイキー君喜ぶかなぁって思って取ったんですよ!】
 『………!!たい焼きクソデカ抱き枕クッションじゃん!!』
 たい焼きのクッションを見るなりパッ!と目を輝かせクッションを受け取ってはシシシッと笑う姿を見て、少し心が暖かくなる、なんせずっとこの笑顔を追い求めてタイムリープを繰り返していたのだから。
 もちろん、ヒナの笑顔だって当然のように守りたかったなんせ、その為のタイムリープだ、けれどいつの間にかヒナを救いたいのと同じ程の”マイキー君を救いたい”そんな重荷が俺の背中にのしかかった。
 『…ねぇ、タケミッチ。』
 【はい、?どうしまし…すんません、ちょっと電話ッス。】
 『電話?…うん、出てこいよ。』
 【すんません…(アハハ…)】
 ガラケーの画面を開いて見てみると、ヒナからだった、多分クッションの反応の件だろう。
 【もしもし?】
 {あ!出たでた…マイキー君、どうだった?}
 【喜んでくれた、今ちょうど話してた】
 {え、話してたの!?ヒナお邪魔しちゃったかな…?}
 【全然大丈夫!マイキー君も大丈夫って言ってたし。】
 {そっか!なら良かった…でも、待たせちゃいけないから、一回切るね、またかけ直
す! }
 【うん!わかった。】
 そう言うと、プツリと電話は切れて俺は再びマイキー君の方を向いて、お待たせしました!と一言言いながら駆け寄る。
 『んーん、全然大丈夫。』
 【さっきの、どうしたんですか?】
 『あー…なんでもねぇ、大丈夫。 』
 【それ気になるやつッスよ、マイキー君。】
 『タケミッチ生意気になったよなぁ…でも話さねぇ〜!』
 【な、生意気って…えぇー…。】
 凄く気になる、と思いながらも渋々諦めた、それからちょっとの会話をして俺が帰ろうとしその時。
 『タケミッチ、ちょっと待って。』
 【へ、?ど、どうしたんスか、?】
 手首を掴まれて引き止められた、どうしたんだろうと思って小首を傾げて聞いた。
 『………ねぇ、タケミッチ…』
 【はい、?】
 『…ごめん、俺さお前の事』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マイキー君の口から発された言葉に俺は驚きを隠せなかった、あのマイキー君が俺の事を好き?けどそんな素振りなんて…と言った感じだ。
 【は、ぇ…マイキー君が…俺の事好き、!?】
 『恋愛の意味でな…ごめん、お前にはヒナちゃんが居るし、こんな気持ち伝えねぇ方が絶対いいのも勿論分かってる。』
 全てを聞いた、いつから好きなのかヒナと俺がいるのを見てどんな気持ちを抱いていのか、どれだけ俺のことが好きなのか。
 【………。】
 『…ごめん、』
 【だ、大丈夫ッスよ!好きって思って貰えてんのは、嬉しい事なんで!】
 『…ウン、ありがとなタケミッチ。』
 【全然!大丈夫ッス!】
 『ヒナちゃんとタケミッチの関係壊す気は、ねぇからさ…安心しろよ?』
 【そんな事疑ってねぇッスよ!】
 『…よかった、じゃあなタケミッチまたメールする。 』
 【はい!!】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 タケミッチに、この気持ちを伝えてしまった、困っただろうか気持ちが悪いと思われてしまっただろうか。
 『…でも、タケミッチ…大丈夫って言ってくれた。』
 それが、何よりも大切で、嬉しかった欲しいと思っていたたい焼きのデカクッションもくれて、今日は案外いい日だな思ってはポツリと呟く。
 けど、なんだか話して良かったなって思う心の荷が降りた気分だ。
 数時間後、タケミッチから電話がかかって来た。
 『もしもし?タケミッチ、どうした』
 【いや、ちょっと声聞きたくなっちゃいまして、あ、迷惑だったらスンマセン!】
 『んだよそれ…(笑)んーん、迷惑なんかじゃない。』
 【よかったぁ…マイキー君の声って落ち着くから、ちょっと悩んだ時とか丁度いいんですよね。】
 『そ?あんまわかんねぇな、自分だと。』
 やはり、垂らしだなと改めて実感はする…多分無自覚でやってのけているのだろう。
 ……けど、それは余計に期待してしまう…期待なんてしたくないのに。
 その後も、いっぱい話したタケミッチが寝落ちするまでずぅーっと、幸せだった。
 来週の土曜日、少し今日の事の気晴らしも兼ねて水族館に行く約束だってした…楽しみで楽しみで仕方がない。
 『寝るか…。』
 興奮を少し抑え、仰向けになった状態で眠気が襲って来た為寝ようとした時、ふとこんな事が頭によぎった。
 『……タケミッチ、俺の事を選んでくれないかな。』
 小さな願望だ、小さくて、叶ったら何よりも大きいそんな願望、そんな妄想をしていたらいつの間にか意識は消えていた。
 そして、あっという間に時は流れていつの間にかたけみっちと水族館に行く約束をした日になり。
 ピピピピピピ…
 そんな、目覚まし時計の音と共に目を覚ますと待ち合わせの時刻の何時間も前、早く起き過ぎたかと内心苦笑いをしながらもベットからムクリと起き上がり支度を始める。
 『ごはぁーん……。』
 {はいはい、トーストで我慢してね〜。 }
 エマは今日ケンチンとデート、だから俺とほぼ同じ時間に起きてて、昼飯を作ってくれる。
 サクッと朝食を食べて、ケンチンがエマ迎えに来た時に髪結って貰ってちょっと気合いを入れて用意したら玄関から外に出る。
 『タケミッチの家行かねぇと。』
 迎えに行く約束をした為バブにエンジンを付けてタケミッチの家にちょっとだけコール鳴らしながら走っていく。
 ご近所迷惑、なんてそんな事知らねぇしタケミッチが迷惑じゃなきゃそれでいい。
 数分もすればタケミッチの家に着く、呼び鈴を押すとバタバタとまだセットしていないのかいつものリーゼントじゃないタケミッチが出迎えてくれる。
 心做しか、目元が赤いのは気の所為だろうかと思いながら軽い挨拶をする。
 【マイキー君!予定より10分早いんで、ちょっと驚きました。】
 『約束ちゃんと守る時は俺にもあるし、タケミッチセットまだしてないなら、今日はそのまま行こーよ。』
 【ェ、このままですか!?…ま、まぁいいっすけど。】
 『よっしゃ、撫で心地いーし俺こっちの方が好きなんだよな。』
 【そ、そうなんスね!初めて知った…。】
 少し様子が変だなとは思うもののそのまま流して、たけみっち後ろに乗せてかっ飛ばしていく…コールをいつもよりイキって鳴らすのは…許して欲しい、好きな奴が後ろに乗ってんだからちょっとはカッコ付けてぇだろ?
 テキトーに昔真一郎と場地達で言った水族館でいっかって話しになったから、少し気分が良くて時前に調べておいた1番スムーズに行けるルートを走る。
 1.2時間もすれば水族館に到着、近くっつーか…近辺に新しい水族館ができてて、こっちは少し人気が落ちたのか余裕で当日券を買えた。
 【水族館とか久しぶりなんで、ワクワクします!】
 『俺も、場地達と来た時以来で楽しみ。』
 へへっっと照れくさく笑うたけみっちを見ると少し心が和らぐ、まぁ俺の好意は知られてる訳だし警戒はしてんだろーなとは思うが出来るだけ、そこは気にしないで置いた。
 『ん〜まずは何処から見るか。』
 【そうですね…イルカショーとかどうっスか?もすぐみたいだし、!】
 『イルカショー!いーね、早くいこーよタケミッチ!』
 思わずたけみっちの手を引いてイルカショーに向かう。
 暫く歩くと、デッケェプールがあるイルカショーの場所に着く、内心ウキウキしつつふふんと誇らしげな顔で濡れたくはないので1番後ろの席に座る。
 イルカショーは意外にも濡れるもので、飛んできた水しぶきが軽く頬をかすったりした。
 そして、一通り水族館を見終わり、そろそろ帰るかとなる頃には日は沈んでオレンジ色の夕日が空にかかっていた。
 『はぁー…っ!楽しかった。』
 【っスね!また来たいです!】
 軽く外の空気をすぅーっと吸って背伸びをしながらふぅーっと吐き出して他愛もない話をする、その時たけみっちが急にこう言い出した。
 【…ぁの、…!その…〇〇公園!寄りません?】
 『〇〇公園…?』
 ここから徒歩30分ほどで行ける公園だ、と内心思いながら何故誘ってきたのだろう?と首を傾げ問う、そうするとたけみっちはこう答えた。
 【あ〜…エット、色々!ありまして…。】
 『…そう?じゃ〜チャチャッと行くか。』
 【う、うっす!】
 歩きで行くのもいいが行って戻ってくると時間の無駄な為バイク出してコール鳴らしながら〇〇公園に行く。
 『ついたけど、たけみっちのしたいことってなーに?』
 【あ、ぇっと…】
 モジモジと何かを言おうとしてるのを急かしたい気持ちは山々だが、気長に待とうと少し首を傾げて聞き耳を立たせる。
 【…ぉれ、その…ヒナと、別れ…ちゃいまして。】
 『…は、?…ヒナちゃんと別れたって、なんで、。』
 【ヒナ、好きな奴出来たらしくて、俺とは別れたい…って。】
 『は?あのヒナちゃんが、?』
 その報告は、耳を疑うような報告だった。あのヒナちゃんが他の男を好きになるはずがない、だってあんなにたけみっちにぞっこんだっから。
 【…ヒナ、言ってきたんです…お互い、好きな人が変わってるって。】
 『お互い…?たけみっちも、他の奴が好きだったって事?』
 【はい、俺スッゲー無自覚で全然わかんなかったんスけど…そ、そうみたいで。】
 『……、。』
 …どうせ、俺じゃないんだろうな。それを聞いてふと、そう思った。
 好きな奴に、こんな話しないだろーなって……でも、でも…もし…もし俺だったら、いいななんて思う。
 『その、たけみっちの好きな人…って誰なの?』
 【へあ、?あ、あぁ〜…エー…そ、それが、マイキー…君み、みみみたいで! 】
 『ぇ、?あ、俺!?』
 不意にも、俺と聞いて驚いてしまった。そ
んな、夢物語のような事があるのかと。
 【はい…ッ!そうッス…あの、それで…そ
の、俺と!t((】
『…待って、たけみっち俺から言わせて?』
驚きもしたし、悲しみもしたけど…この好意を逃す訳には行かないだろう、だから…せっかくなら、俺から言いたい。
 少し近ずいてたけみっちの手を取ってから指を少し絡める、それで心を落ち着かせてから。
 『…たけみっち、俺と付き合ってくれる?』
 【……ッ、!ッはい!喜んで!】
 その言葉を聞くと、自然と涙が出てくる、たけみっちもぐちゃぐちゃなくらい泣いてて、可笑しくて少し笑う。
 絶対に、幸せにすると夕焼け空の下で、たけみっちと俺は誓った。
 
 
 
 
 
 ______𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 【 少しの裏話 】
 
 
 
 
 ちょっと言いたいことがあるから、私作者から言わせてもらうね、皆にはこの作品の意図というか…んまぁ…そう言うのを知っていて欲しいからさ。
 …これは、一見普通の恋が叶った少年2人の恋物語に見えるけど、裏を見てみれば、犠牲者がいる、所謂メリーバットエンドって奴。
 …登場人物は、主に4人。
 橘 日向 。 佐野 エマ 。 花垣 武道 。
 そして、佐野万次郎 。
 その中で、一見したら円満に別れたと思えるけれどきっと皆が察したような人物、そう、その人はヒロインでありはずの人。『  橘 日向 。 』
きっと君らは、橘日向に好きな人が出来たと言うのが嘘という事にも、気がついてる人が居ると思う。
ヒーローはヒロインを救うのと同時に、ヒロインもまた、ヒーローを救う…きっと、いやだからこその絶対的な「愛」が生み出したこの結果なんだろうって。
ヒーローにとってはヒロインからの別れは辛かっただろうけど、それはヒロインも同じ…想い人は、気がついてないだけで他のもう1人のヒーローの隣に常に立っている彼に向けられてた、それがどれだけ辛いことか、きっとそれは本人にしか分からない。
…ま、ながらかと説明するのは得意じゃないし、これ以上は物語がこんがらがりそうだからやめにしとこう、それじゃここまで見てくれてありがとう。
じゃあね。