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鬼滅の刃、キメツ学園二次創作
まだ設定迷子。
多分n番煎じ。
キメツ学園に無い設定有り。
それでも良い方はそのままスクロール〜。
*
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く。此処は小中高一貫キメツ学園。個性的な学生と教師との学園生活が今日も始まる。
「カァアーーー、一限目マデアト五分ー‼︎」
時間を知らせてくれるのは特別な訓練を受けた鴉が担う。そう、特別な訓練。この学園、キメツ学園は昼間はなんの変哲もない普通の学園だ。だが夜になると一変する。
―昼休み、屋上―
「はぁぁ、やっと昼休みだよぉ〜。不死川先生めー、数学延長しやがって」
キメツ学園高等部の屋上の柵にもたれかかりながら盛大にため息をついたのは一年筍組の雷に打たれて山吹色になったという頭の色が目印の少年…我妻善逸だ。それを労ったのは同じクラスである赫灼の髪と目に額に傷があり、日輪の絵が描かれた花札のようなピアスをつけているのが特徴の少年…竈門炭治郎だ。額の傷は以前の鬼滅部隊活動で自我無き鬼にやられたものだ。
「お疲れ様。ほら、お前の好きなクリームパンだぞ」
「キメツ学園食堂」と書かれたビニール袋を差し出す。善逸はその中からクリームパンを取り出す。
「ありがとー。食堂のパンって何でこんな美味いんだろ。これでこの後の授業と夜の鬼滅隊の方も頑張れるわー」
キメツ学園に通っている生徒ほぼ全員というのが正しいのだろう。ほぼ全員が鬼滅隊という部隊に所属している。表向きは普通の中学生や高校生だが、裏向きは軍隊なのだ。
「今日も二十時集合か?」
「うん、いつもと変わらんよ。そういや伊之助は?」
同じクラスである野生児から今は養子として保護されている一見見ると女性のような顔立ちをしている好戦的な少年…嘴平伊之助の姿が見つからない。
すると炭治郎は苦笑いをする。
「伊之助は補習喰らったらしいよ。不死川先生に」
「あぁー、お気の毒に…」
いつもの事だけど、と思いながら返事する。
キーンコーンカーンコーン
昼休み終わりのチャイムが鳴り響く。
「あっやべ、次確か化学だったよな。うわー二限続けて嫌な先生だー…伊黒先生、ねちっこいんだよな」
「早く行かないとまた伊黒先生にネチネチ説教されるぞ」
「それだけはご勘弁だな‼︎行くぞー」
五限、六限、掃除と表向きの生活が間も無く終わる。そして裏向きの生活が間も無く始まる。
―夜二十時―
「全員揃ったか」
静かに声を放ったのは表向きキメツ学園の体育教師を担っている冨岡義勇だ。いつもはボサボサの髪を一つに括り、青いジャージを身に纏っているが、今は迷彩柄の隊服とブーツを履いている。そして腰には拳銃や短機関銃を付けている。他の鬼滅暗殺部隊に所属している人も皆同じような感じだ。
裏向きでは先生生徒などという関係はない。普通に名前で呼ぶことを許可している。
「皆さん、今日も集まってくれてありがとうございます。今日も零時まで部隊活動を行います。この中には新人もいるようなので改めて説明しますね」
マイクを片手に優しい声を放ったのは表向きキメツ学園の三年蓬組で生徒会長の胡蝶しのぶだ。紫色の目に夜会巻きに蝶の髪飾りが特徴的で鬼滅特殊部隊薬学研究部に所属している。
「鬼滅隊は人知れず鬼を狩る、政府非公認の組織です。つまりは暗殺。貴方達暗殺部隊は鬼を暗殺します。でも皆が皆人を喰らう化物ではありません。自我があり鬼であることに苦しんでいる鬼は鬼滅隊で保護します。もし見つけた場合表向き教師陣や隠部隊に連絡してください」
「発言宜しいですか?」
最近此処に転校してきたのであろう新人隊士が挙手をし、口を開く。途中から入学する者も両親も承知の上で入学する。然し、情報漏秘は禁物だ。
そして、しのぶは快く許可する。
「どこら辺で鬼を探せば良いのですか?」
新人隊士はそう尋ねる。しのぶは丁寧に説明する。
「私達は普段森などを重点的に探しています。稀に街中に出ることもあるのですが、私達は銃を持っています。鬼滅隊は政府非公認なので、街中を歩いては歩行者に怪しまれ通報される可能性もあります。その辺りは自己責任でもありますが気をつけてくださいね。何かあった場合は鴉に連絡してください」
行動開始の合図であるホイッスルが鳴る。一斉に隊士達は東西南北へ走り出す。
「やあ善逸‼︎」
「あっ炭治郎、良かったー会えて。今日も頑張るぞ」
「紋次郎‼︎紋逸‼︎」
堂々と二人の名前を呼び間違えられた声が聞こえたのは昼間話した嘴平伊之助だった。今はノースリーブの隊服を着ている。
「伊之助‼︎補習は終わったのか?」
「鬼滅隊には参加しねえといけねえからな。あの傷だらけのオッサン、十八時には許してくれたぜ」
「えー不死川先生らしくねえな。許すって…」
不死川は数学のことになるととても厳しくなるとある意味評判だ。一時期しのぶの姉であり、生物教師であるカナエ先生と仲良く話していた所を隊士が発見し、暗殺計画が練られたが、「将来数学使わねーし‼︎」と抜かした隊士がスマッシュブラザーズみたいに窓から吹っ飛んでいったという一件からぴたりと止んだとか。
すると懐中電灯を片手に警官が話しかけてきた。
「子供がこんなところで何してる? なんだその銃は」
「うげ…」
森に行くまでにはどうしても街を通らなきゃいけない。なるべく最短距離で行くよう心がけているが、偶に警官に絡まれる時もある。
「それは…その」
「俺達は理由があって銃を持っています。なのでその事については見逃してくれるとありがたいのですが」
しどろもどろになっている善逸を庇うように炭治郎が口を開く。
「だがな…一応銃規制はあるのだし」
「俺達は日夜人を守る活動を行なっているんです。なのでこの事は誰にも言わないでいただけると嬉しいのですが…」
あくまでも下手に出る。さあ此処からどう返すか。
「子供がこんな夜中に外を歩き回っていて銃を持っているのは職業柄感心できんな」
「そこを何とかお願いします。俺達は命を賭けてこの国を守っているんです」
「炭治郎…」
すると突然ふわぁと花の紋様が目の前に漂ってきた。
―惑血・視覚夢幻の香―
「何だ⁉︎」
「何々何々⁉︎」
「前が見えない⁉︎」
「警戒しろ‼︎豚太郎‼︎」
警官は前が見えないと叫び、そのまま倒れる。鬼の攻撃かと三人は銃を構え、警戒する。すると女性と青年が姿を現す。
「貴方達は鬼滅隊なのですよね? 少し話を聞いて欲しいのですが…」
「えっ…でもこの人は…」
炭治郎は心配そうに倒れた警官を見る。
「大丈夫です。このことの記憶を消して少し眠ってもらっただけですから。…名乗っていませんでした。私は珠世と言います。隣にいるのは愈史郎と言います」
「えっと珠世さん、俺達は鬼滅隊で合っています。貴女方は鬼であることに苦しんでいると見做していいですか?」
二人は頷く。
「ならちょっと待ってください」
炭治郎は隊服の胸ポケットからトランシーバーを取り出す。
「もしもし、こちらは鬼滅暗殺部隊竈門炭治郎です。自我のある鬼を二人発見しました。どうぞ」
ノイズ混じりで応答したのは冨岡義勇だった。
『了解、鬼滅隊本部へ連れて来い。我妻と嘴平は引き続き鬼の捜索だ』
「OK」
「「了解」」
再びトランシーバーを収める。善逸と伊之助は別方向へ走り出す。
「許可が出たので、着いてきてください」
「分かりました」
愈史郎と名乗った青年は怪訝な顔をするが、黙ってついていく。
―鬼滅隊本部―
鬼滅隊本部にある尋問室で珠世と愈史郎を尋問する。
「それで彼女らが自我のある鬼ですね?」
しのぶは書類をトントンと整えながら言う。
「はい、連れてくる間も危害など加える素振りはありませんでした」
「まあでも人を喰らって自我を取り戻したと言う可能性もあります。貴女達は人を喰らいましたか?」
二人は首を横に振る。
「いいえ、でも輸血と称して人の血を飲んだ事は…あります…」
珠世と名乗った女性は申し訳なさそうに続ける。
「竈門君、この人達は嘘をついてませんね?」
「俺の鼻を嘘発見器みたいに使わないでくださいよ。この二人は嘘をついてません」
炭治郎は鼻が利く。自我のある鬼に尋問する際、必ず五感が良い者を隣に置く。
「なら、貴女達を鬼にした者や少し手伝って欲しいこともありますから鬼滅隊…キメツ学園に貴女達の身を置くことを許可します」
「「えっ?」」
二人は驚く。無理もない。鬼である自分たちが学園に身を置くなど。
「珠世さんでしたね? 珠世さんは表向きは保健室の先生として働いて下さい。そして裏向きは私のような毒薬を作る研究を手伝って欲しい。愈史郎君は表向きは中学生、裏向きは鬼滅隠部隊をお願いします」
「隠?」
隠とは簡単に言えば事後処理部隊だ。万が一怪我人や死人が出てしまった場合、又は騒ぎを起こしてしまった時に誤魔化すなど色々と大変な仕事だとしのぶは説明する。
「初等部の子達は訓練を受けて中等部に上がったら鬼滅隊に入隊できますが、その際銃の扱いに恵まれなかった子達が別の方向で鬼滅隊に貢献するんですよ。貴女達は血鬼術には目覚めていますか?」
血鬼術とは鬼の持つ異能だ。攻撃性に特化した血鬼術や防御性に特化した血鬼術など色々なものがある。
「私は目眩しや秘密を隠せなくなるなどの血鬼術が使えます。愈史郎は対象のものを一時的に消すことができる血鬼術です」
「なるほど、攻撃性は無さそうですね。では先程も言った通り表向きと裏向きの仕事をお願いします。貴女達は太陽に当たらないように気を付けて下さいね」
そう言ってしのぶはニコッと微笑む。
「では竈門君、引き続き鬼を捜索して下さい」
「分かりました」
炭治郎は走り出す。屋根などを伝って器用に森へ向かう。今度は警官などに絡まれないように。
得意の鼻で匂いを捉える。鬼特有の血の匂いが。恐らく自我無き鬼だ。炭治郎は足を早める。
(いた、ごめんなさい)
炭治郎の性格故に謝りながらその頸を施条銃で刎ねる。
鬼滅暗殺部隊は拳銃から施条銃まで幅広い銃を時と場合で巧みに操る。近距離だったら拳銃、遠距離だったら施条銃で鬼の頸を刎ねる。そして銃を上手く扱えなかった者が鬼滅隠部隊に入る。
その頃善逸と伊之助は森の中を捜索していた。
「うぅー、暗い森の中はやっぱり怖いよぉ〜」
「五月蝿えぞ紋逸! いい加減慣れろ」
善逸はビビリなので毎回怯えている。なので引っ張ってくれるのは伊之助だ。
「今何時だろー、そろそろ寝たいよぉ」
トランシーバーに映っている時計を見る。二十三時半と表示されていた。
「よし! あと三十分だ!」
喜んだのも束の間、悲鳴が聞こえてくる。
「悲鳴だ。行くぞ伊之助!」
「わーかってらあ。俺がその頸刎ね飛ばしてやる!」
一気に走り出す。すると目の前には今まさに人を喰らわんと涎を流している鬼がいた。鬼は善逸と伊之助に気付き、目玉をグルンと回転させる。拳銃でバンバンと銃声が鳴る。そして二人同時に鬼の頸を刎ねる。
「あ、ありがとう…ございます」
悲鳴を上げた女性は涙を流しながら礼を言うが、先程の恐怖もあり気を失ってしまった。
「気を失ったな。無理もないよ。とりあえずこの人保護した方がいいよな。目覚める迄は」
善逸はトランシーバーを取り出す。
「もしもし、こちらは鬼滅暗殺部隊、我妻善逸です。気を失ってしまった女性を見つけました。保護して本部へ連れて行きます」
ノイズ混じりで応答したのは今度はしのぶだった。
『了解しました。もうすぐで本日の部隊活動も終了します』
「了解しました」
善逸と伊之助は気を失ってしまった女性を背負い、本部へ連れ帰る。
―鬼滅隊本部―
「皆さん今日もお疲れ様でした。眠いでしょうから各自寮へ戻って下さいね。明日も表と裏頑張りましょう」
これで裏の仕事も終わった。キメツ学園はとても広い。そして真夜中まで動く為、キメツ学園には寮も備わっている。炭治郎、善逸、伊之助は一年塔の筍組に入る。
「よし皆、シャワー浴びて寝るんだぞ」
筍組室長の炭治郎が声を上げる。そして室長でもあり班長でもある炭治郎は最後に報告書を書く。
『鬼滅暗殺部隊 報告書
我々竈門班は自我ある鬼を二体発見した。名前があるようで女性は珠世、青年は愈史郎と名乗った。二人はキメツ学園に身を置く事を表向き生徒会長の胡蝶しのぶが許可した。竈門班班長 竈門炭治郎』
そう報告書を認めると待ち構えていた鴉の足に括り付ける。
「理事長室へ、お願いね」
「カァア」
了解と言わんばかりに小さく鳴く。炭治郎以外の男子寮のメンバーは皆寝ていた。それを確認し、自分もベッドに入り、消灯する。明日も朝早い。