side R
コンコン。控えめなノックの音が廊下に響く。
ーーケンカしたので部屋かわってクダサイ。
山内の目が見開かれ、そして発された言葉は。
ーーなんや、藍が追い出されたんか。珍しいなぁ。
心が広い先輩に感謝しろよ。部屋はかわってやるから、そのかわり、バレーに支障はきたすな。
そう言いながら、彼は自分がいた部屋に行ってしまった。
ーーー分かってますよ、俺たちはプロだ。それに大事な時期だし。
彼が歩いていった方を見ながら心の中でそう言い訳をした。
かわってもらった部屋で荷解きをしていると、西田が入ってきて驚いた声をあげる。
「ん?あれ、藍?ヤマさんは?」
「部屋かわってもらいました。…祐希さんとケンカしたんで。」
山内よりだいぶ驚いた表情をしている。つくづく分かりやすい人だと思う。
「…そんなに意外っすか。」
「いや…ケンカしてんのが意外っていうか、藍が追い出されたのが意外って言うか?」
「それ先輩も言ってました。追い出されたって言うか、自分から出たし…」
「ほーん、やっぱそうか。祐希さんが藍のこと追い出すわけないか。」
なんだよ、それ。まるで自分が大切にされているみたいで嬉しくも悔しくも思えてくる。
「…西さんには、俺が祐希さんに大切にされてるように見えるんすか。」
「?当たり前だろ。逆にあれで大切にされてねーって言うならお前はどこのプリンセスだよ。」
「いや…プリンセスって。」
「にしてもなんでケンカしたん。」
「…相談乗ってくれますか。」
「おん、えぇよ?」
いささか不安がない訳では無いがありがたく先輩の知恵を拝借するとする。
「その…マサさんのこと、なんすけど。祐希さんとマサさんって、えっと、…元恋人、だったりしますか?」
「え、マサさんって柳田将洋さんだよな?あの二人が元恋人?!」
「ちょ、西さん声でかい!」
「あ、わりぃ。んー、聞いたことねえな。でも俺も鈍感な方だから言われないと分かんないしなぁ。」
「…最近、2人がよく電話とかLINEとかで話してて。その時の祐希さんが、なんて言うか、俺が見た事ないようなちょっと照れくさそうな顔してて。」
「へぇ。そんで?」
「…さっきも、2人でゆっくりしようとしてたら電話が来て、俺より優先するんすかって言っちゃったんです。そしたら」
ーーーなに、その言い方。マサさんを蔑ろに出来るわけないじゃん。
「って。それでカチンってきて、勝手に電話切っちゃって、喧嘩になって。もう知らん!って言って出てきたんです。」
「なるほどなぁ…。藍の言い分も分からないことはないな。」
「ですよね?!…でも、切ったのは良くなかったかなぁ」
「まぁな。んー、マサさんと祐希さんのことは俺より関田さんとか山内さんとかが詳しい気がする。」
「あー、確かに言われてみれば。」
「ま、今日はあんま考えすぎんでゆっくりしろよ?」
わしゃわしゃと頭を撫でられる。
「ん、はーい。シャワー先いいっすか。」
「おー、構わん構わん。」
いつもなら先輩に気を使うところだが、今日は早く眠ってしまいたかった。彼は今、何を考えているだろうか。自分から部屋を出て逃げたくせに自分の事を少しでも考えていたら、なんて思う俺はつくづく面倒なやつだ。
翌朝。西田はすでに部屋を出ていた。相変わらずの朝型に感動すら覚える。
廊下に出るとそこには山内がいた。
「…おはようございます。部屋ありがとうございました。」
「おー、おはようさん。ひでー顔だな。」
そんなふうにケラケラ笑われると腹を立てようにもたてられない。
「…バレーは大丈夫ですよ、体調は良いんで。」
「ならよし、とはいかないんだわ。お前らなんで喧嘩したわけ?」
いきなりの直球。
「…祐希さんに聞かなかったんすか。」
「聞いたさ。でもあいつ教えてくんなかったから。」
「…過去のことで、価値観の違いっていうか。そんな感じっす。」
「過去?価値観って、ほーん。バレー馬鹿は共通してんのに恋愛は違うんだな。」
恋愛もバレーのように同じ思いだったならばどれだけ良かったか。ほんのすこし、悲しくなってきて俯く。しかし耳は正確に山内の言葉を捉えた。
「ま、いいさ。祐希のほうは案外普通だったしな。」
ふつう、フツウ、普通?
なんだよそれ。祐希さんはケンカなんてなんとも思ってない?また、俺ばっかりってことかよ。
喧嘩がフラッシュバックする。
ーーーっ、だいたい!祐希さんは俺の事なんてなんとも思ってないんやろ!いっつも俺ばっかやん!ほんとは、柳田さんのことが…。もういいよ。俺なんか放っておけばいい…。
そのとき、彼はどんな顔をしていた?情けなくて、彼と目を合わせるのが怖くて、顔を見れなかった俺にはわからない。ただ、次に聞こえてきたのは。
ーーーそう、そっか。藍はそう思ってたんだね。
初めて聞くような、ゾッとするほど静かで凪いだ声だった。
ちがう。ちがうんだよ祐希さん。
弁明なんてする暇もなく、彼は荷物をまとめ始めたから。
ーーー何してんすか。
見てわかるでしょ、部屋かわってもらおうとおもって。藍はここでいいからさ。
また、カチンときた。
そうやって自分勝手に決めてしまって、俺には何も言わない。やはり、俺が信頼できないのか。
ーーーいいですよ、俺が出ていくから。まだ荷解きしてなかったですし。
バタン。ドアが閉まる音が廊下に響き、体がズンっと重くなった気がした。
だめだ、思い出しただけで泣けてきた。我ながら幼稚すぎる。
「…い。おーい。大丈夫か?顔色悪そうやけど。」
「…あ、いえ、だいじょぶっす。」
「そうか?朝飯食えるならいっしょ行くか?」
「うっす。」
side Ym
たわいもない話をしながら朝食会場へ向かう。隣の藍の様子を伺うが、先程のように動揺はしていないがまだ元気がないようだ。
(祐希が普通だったなんて、嘘なんだけどな。)
昨夜のことを思い返す。
ーーーえ、山内さん?なんで…、あー。藍と部屋かえたんですか。
なんと情けない顔をしているんだこいつは。よく藍も出ていけたな。いや、気づく余裕も無かったってところか?
「かえたってか、藍が追い出されて俺んとこ来たんやから不可抗力な。西田と同部屋やったから問題ないだろうし。」
「…ゆうじ、すか。てか俺が追い出したんじゃないし。」
「なんだよ、ほんとにケンカしてんのか。ま、いいさ。今日は俺で我慢しろ。嫌なら仲直りするんだな。」
素知らぬ顔で荷物を解く。シャワーを浴びそこねたから、先に良いかと尋ねようと石川の方を向くと、まだ最初に話したときの位置にいた。そこが定位置なのかとツッコミそうになるが、顔を見る限り違いそうだ。
ーーー寂しいとか、不安とか、後悔とか、ミックスしちゃってますーみたいな顔リアルで初めて見たわ。祐希ってほんま藍絡むとわかりやすいよなぁ。
思わず心の中で呟く。声をかけるべきか悩み、シャワーのためだと思い、話しかける。
「…あー、祐希?大丈夫か?」
「…大丈夫っす、たぶん…」
「多分ってなんだ、たぶんって。そんなにショックなら藍のこと追いかければ良かったんやないか。」
「いや…その、今回は藍も悪いってか…俺もどうしていいか分かんなくて、追いかけれなくて。」
歯切れの悪い返事に山内は確信した。これは間違いなくめんどくさ…複雑な感じだ。聞きたくないが。本当にチームメイトのいざこざなど聞きたくないのだが。
「あー、俺でよければ相談乗るけど。」
「えっ、いいんすか。…いえ、やっぱ大丈夫っす。俺らの問題なんで、俺たちで解決します。心配してくれてありがとうございます。」
シャワー、浴びてきますね。
そう言って立ち去っていった。正直意外だ。今までは小野寺や小川がそれとなく仲直りまでサポートしていたようだったが、石川らも成長したということか。それとも、今までより事態はやはり複雑ということか。
「…あ、シャワー先越されちまったな。」
石川が戻ってくるまでスマホを見て待っていると。
ガシャーン!!!
とんでもない音が聞こえた。十中八九シャンプーか何かを落としたんだろうが、一応声をかける。
「おーい、すごい音したけど、大丈夫か?」
「大丈夫です!すみません」
「気をつけろよー」
さて、と。またベッドに戻り今度はテレビを観ていると再び。
ドカッ!!
「おいおい、今度はなんだ…おーい、生きてるか?」
「はい!大丈夫ですすいません!」
この後も少なくとも3回は音が聞こえたが寝たフリで無視することにした。やはり恋人のこととなると動揺しているようだ。それにしても浴室の方は無事かと心配になったが。
こんな石川の様子をみて、普通だったなんて言うやつは誰一人いないだろう。ではなぜ、嘘をついたのか?簡単な話だ。早く仲直りをさせるためだ。自分は気分を取り乱されているというのに、かたや恋人は普通だったなんて聞いたら、何かしらアクションを起こすはずだ。それが吉と出るか凶と出るかは分からないが。
ーーーこれは先輩のアイの鞭だからな、許せ。
しかし、早く仲直りさせようにも原因を知らなければ協力しようにもできないわけだ。だから石川が無理ならば藍から聞くしかない。
「藍、なんかあったんなら言えよ。先輩だろ?頼れってーの。」
「山内さん…。じゃあ、その聞いていいっすか。」
「おー。どした。」
「山内さんは、マサさんとまだ連絡とったりしてますか。」
「…おぉ?マサって、柳田将洋だよな?あー、たまになら現状報告とか飲みいく約束とかならするけど。マサがどうかしたんか。」
「…その、マサさんと祐希さんって、どういう関係だったのかなー、と。」
とんだカウンター攻撃だ。なるほど、そういうことか。やはり予想通り、いや予想よりはるかに複雑そうだ。
「あー…まぁ仲良かったってか、祐希がマサに憧れてたからなぁ。いっつも隣にいたな。今の有志と藍が祐希にベッタリな感じで。」
「分かりやすい例えあざーす。まぁ俺も見てたから分かってはいます…直球で聞くんすけど、付き合ってたとか聞いた事ありますか。」
今度はストレート。こいつ攻撃多彩すぎんだろ。ここでもバレースキル活きてくんのか?残念ながら俺はこの問いにAパスは返せないが。
「…正直俺もはっきりは知らん。ただ、距離は近かったな。」
「そうっすか…あの、」
藍が何か言い出そうとしたとき。
「藍、おはよう。山内さんも、おはようございます。」
当の本人、石川登場。
「おー、おはよ。今日起きるの早かったな?いっつも遅いだろ。」
「あんま寝れなかったんすよ。だから西田と走ってました。」
「西田も相変わらず朝つえーなぁ。あ、おい。藍どこ行くんだよ?」
「ちょっと西さんとこに!朝ご飯一緒食べようと思って!」
失礼します、と言い切る前に石川が藍の腕を掴む方がはやかった。
「藍、4人で食べようよ。俺と、山内さんも。良いでしょ?」
おい、俺を巻き込むなと言いたかったが、先程協力してやるかと決めたばかりだったので逃げる訳にも行かない。
「…そうだな、俺も賛成。」
「えっ…あ、はい。じゃあ、後で…?」
戸惑った様子のまま藍は西田の所へ向かった。
「…おい、祐希。ちゃんと仲直りするつもりなんだな?」
「まぁ…はい。有志とあんまり2人にはしたくないんで。」
「お?なんだよ、嫉妬か?」
「…モテるやつの彼氏も大変だなーと日々感じてマース。」
ふぅん、やはり大概似たもの同士のようだ。これなら話し合えばすぐに仲直りするだろう。
ーーーそう、思ったのだが。
前言撤回。
「西さん、それ美味そー。俺にもちょーだい!」
「あ、おい藍!じゃあそれ寄越せ!」
「…はぁ。祐希、落ち着け。」
「何言ってるの山内さん。落ち着いてるよ?」
「青筋うかべといてどうだか…」
藍のやつ、あからさまに祐希のこと無視しすぎだろ。西田にいつも以上にちょっかいを出している。石川が話しかけようとしても、西田か俺の方を向く。もうやだこいつら。小川も小野寺もよく取り持ってたな。
「…藍、おれ水欲しいんだけど取ってきてくんね?」
「いいっすよー!」
突然のパシリにも笑顔で答えてくれるあたりはやはり可愛い。
「じゃあ俺も行くわ!ちょうどおかわりしようと思ってたし。」
待て、待て、待て。西田よ、俺の気遣いを無駄にするな。
「あー、西田。ちょっと俺と話さね?」
「えっ、俺っすか?もちろんっす!」
しっぽが見える。ブンブン揺れるしっぽが。やはり西田も可愛い後輩だ。テンションはいささかついていけないが。
「…おい、祐希。二人で話したいんだろ。話す約束つけてこいよ。」
こっそりと、耳打ちする。我ながら気の利く対応だ。これは間違いなくAパスだ。
「!ありがとう山内さん!」
よし、後は二人でどうにかしろよな。
そう思ったのに、随分経って戻ってきた2人は明らかに増した負のオーラをまとっていた。
「遅かったすね!そろそろ戻りましょ!」
「おー…」
2人と別れ、部屋に戻ると突然しゃがみ込んだ。
「おわっ、なんだよビックリした。あの後どうだったんだ?」
「山内さん…。俺、もう藍から嫌われちゃったのかな。やっぱり有志のほうがいいのかな…」
「待て、何でそうなった。話聞くから
全部言えよ?」
「うん…実は」
まとめると、こういうことだ。
藍とふたりでオフを過ごしていた時に、柳田からの電話が来ることが多かった。用事は、最近どうだ、とか今度みんなで飲みに行こう、とか大したこともない話。けれど、回数を重ねるごとに藍は敏感に反応するようになっていき、部屋をかわった日も連絡が来ていて、運悪くもイチャつこうかとしているときだったようで、藍が勝手に切ってしまったと。
うーん、藍の気持ちも分からなくもない。しかし、勝手に切ったことに石川は激怒してしまったらしい。それで拗れた、と。
「…藍は、俺がどれだけ好きか分かってないし俺のこと信じてないんだって思って。それでカッとなっちゃった。だって、藍は俺の目の前で他のメンバーとベタベタしてるし。有志だけじゃなくて、たつらん、とか俺じゃないやつとコンビ名までつけられてるんだよ?」
なるほど、石川の言い分は藍だって他とイチャついているではないかということか。
「…あー、聞いていいか。祐希とマサは付き合ってたのか?」
「俺とマサさん?!ないない、俺が好きになったの藍しかいないし。」
しれっと惚気られたが大事なことは聞けた。
「それ、藍には言ったのか?」
「なんで?付き合ってなかったのにわざわざ言う必要なくないっすか。」
「…たぶん、藍は祐希とマサが付き合ってたと思ってる。それで、連絡来てたから不安に思ったんじゃないのか。よりを戻すんじゃないか、とか。」
「えっ、そうなの?!それであんなに取り乱してたのか…?いやでも、今日も思ったけど有志と藍の距離が近くて、俺だってちょっと不安になって。」
「それはたぶん、西田も藍も距離が近いからやないか。ほら、2人とも犬系ってか人懐っこいし。」
「まー、それはそうなんだけど…じゃあ俺から藍にマサさんとのこと言った方がいいって事っすか?」
「それがいいと思うがなぁ。それより、話す約束は取り付けられたんか?」
「あ…えっと、まぁ取り付けはしたけど。有志と同部屋楽しいから早く終わらせたいみたいに言われて、つい、俺もマサと話すから長くはしない、って言っちゃって…」
うん、こいつら思春期の男子高校生か?いや、そこら辺のJKよりめんどい気がする。はー頭痛い。
痛むこめかみを抑えながら石川に問う。
「はー、それであんな空気で帰ってきたわけか。祐希、正直に全部言え。マサとは何も無いってことと、西田とかと距離近すぎて嫉妬してたって。これは先輩の有難いアドバイスだからな、いいな?」
「えっ、ほんとにそれでいいんすか?」
「おう。信じろ信じろ。早く仲直りしちまえ。そんで俺を早く安眠させろ。」
「それはまじですいません!がんばります」
よし、祐希の方はこれで大丈夫だろう。あとは、藍と話しておければいいが、練習の合間にでも話してみるか。
ーーー小野寺と小川、労わってやんねえとな。今度なんか奢ってやるかぁ…
sideR
「…と、いうわけだ。だから、祐希とマサにはなんもなかったし、不安なら全部祐希に聞けばいいから。」
あと、祐希は普通だったなんて嘘ついて悪かったな、と笑う山内に、彼はこんなに頼りになる先輩だったのかと感動を覚える。
「そうだったんすね。…ほんと、何から何まで気回してもらってありがとうございます。」
「うん、ええよこんくらい。でもな、ほんまにありがとうって思ってるなら仲直りせぇよ?」
「もちろんです!ちゃんと、祐希さんと向き合って話してきます!」
「よし。じゃ、がんばれよ?」
話し終わる頃、ちょうど休憩終わりの合図が出され、練習に戻ろうとすると、再度山内に手招きをされた。
「どしたんすか?」
「ん、あとな。今夜2人で話す時荷物もうまとめて持って行っとけよ。」
「?なんでっすか?」
「…お前ら、どうせ仲直りしたらヤるんじゃねーの?祐希のことだからそのままはいさよならとはなんねぇと思うけど」
「え、あ、!…っす。わかりました、」
「あんま声でかくすんなよなー」
先輩にそこまで気を使われるとは恥ずかしすぎるが、今日ばかりはその厚意に甘えるとしよう。
そうして、夜になりまとめた荷物を持って元の部屋、つまりは祐希が待つ部屋へと向かう。
ーーーなんか、緊張すんなぁ。
意を決してドアをノックする。失礼します、と言いかけながら部屋の中からグイッと引っ張られる。
「ぅわっ、!ちょ、荷物落ちちゃ、」
「…らん」
そう言う声が湿っているように聞こえるのは気のせいか。
「…うん、ゆーきさん?」
「…おかえり。」
「…まだ早くないすか?」
ガバッと顔を上げ、こちらを見るその目は少し潤んでいた。
「もう、俺から離れないでよ…めっちゃ、寂しかったし辛かった。ちゃんと、話すから。だから、戻ってきてくれる?」
「…ん、それは、話次第っすよ?」
「…そう、だね。うん、ちゃんと話そう」
それから2人でベッドに腰かけて、たくさん話しをした。マサさんと祐希さんは何も無いこと。電話は飲みに行こうとか大した話ではなかったこと。それから、祐希さんも俺に嫉妬していたということも聞いた。
「…あの、マサさんと話してたのってほんとにそれだけっすか。」
「?それだけだよ?」
「…なんか、たまに照れくさそうな顔して話してる時あったから、それが引っかかって、」
「照れくさ…?」
あ、と祐希が零す。
「もしかして…あー、えっとね。多分それ、藍のこと話してたときかも。」
「え、俺のこと?」
「うん。だって最近、大志とかに話そうとしたらもう腹いっぱいとか言って聞いてくれないから、たまにマサさんに聞いてもらってたんだ。」
「…俺の、なんの話してたの?」
「それ聞く?…まぁ、なんか、可愛くて理性保てないから困ってる、とかかな?」
「なっ、!」
「はは、真っ赤になってかわい。…ね、もう誤解は解けた?」
「…うん、疑って、酷いこと言ってごめんなさい。」
「ううん、俺も疑わせるようなことして悪かったし、怒鳴ってごめんな?…戻ってきてくれる?」
「…うん、もちろん。祐希さん、大好きだよ」
ギュッと、離れていた時間の分を取り戻すように強く抱き締め合う。ふと、目が合うとどちらからとも無く唇を重ねる。何度かそうしているとふいに祐希が口を開いた。
「…なぁ、そういえば、俺が嫉妬してたことに対してはなんもないの?」
「っえ?…うーん、ほんと無意識だったから申し訳ないとは思いますけど、えっと、どうして欲しい?」
「逆疑問かよ笑」
そうだなぁ、と笑う祐希はなんとも良い笑みを浮かべていて。
「じゃ、えっちのとき、ゆーきって呼んでよ?藍の呼び捨てって何気にあんまりないし。」
「それだけで良いんですか?じゃあ、遠慮なく。」
「うん、じゃ、仲直りえっちしよっか?」
ドサッとベッドに押し倒され、するりと服の中に手が忍び込んでくる。
「っ、もう…きょうは、いっぱい好きって、言って欲しい、です」
「もちろん、お望みとあらば?」
藍、俺の声好きだもんな?なんて耳元で囁かれては反応してしまう。どことは言わないが。
きゅ、と乳首をつままれたり舐めたりと胸を弄られながら下も脱がされる。
「っふ、ぁう、…んぅっ、」
「チュ、らん、ほらこっち向いて、キスしよ?」
「ふ、ぁ…んむ、クチュ、…ぅあ、」
「…ふ、らん、好きだよ、だいすきだ…チュッ」
「んぁっ、あ、…ちくび、ばっか、、やっ、」
「チュ、ん?どこ触って欲しいの?」
「…っ、した、も」
「んーコッチ?」
しっかりと芯を持ち始めていたソレを容赦なく掴み、扱き始める。
「あぁっ、やっ、…きゅ、に、!はぁっ、で、そ、!」
「うん、1回イッとこうな?」
「っ!ぅ、で、る、、いっちゃ、!」
ぴゅる、と祐希の手に白濁がはねる。
「はは、いっぱい出たね?」
そう言いながらその白を舐める祐希のなんと官能的なことか。
「ぁ、舐めちゃ、きたな、い、、」
藍のだから汚くないよ、という謎理論をかましながらローションをその手に混ぜていき、体温に近いくらいに温める。
「ん、藍。後ろ解すから腰上げて?」
「あ、ゆーきさ、ん、ちょっとまって、?」
「んー?」
自分で起き上がり、くるりとまわって祐希に尻を見せるような体勢をとる。
「きょう、自分で解してきたんだ、」
ほら、と穴を拡げるとローションが仕込まれているのが祐希にも分かって。
「っ!はぁ、もうほんと、」
「ね、ゆーきさ、こんな淫乱なおれはきらい?」
「きらいなわけ、ないでしょ!ほんと心臓に悪い…」
「えへ、だって、ゆーきさんと仲直りしたくて、よろこばせたく…?!」
ぐるり、と今度は祐希の手によって天地がひっくり返る。
「うん、ありがと。じゃあ、もういれるよ?」
「ん、いーよ、…ッあ!!」
「ふ、ほんと、やわらか…っ!」
「うぁっ、やっ、…!ふぅっ、、」
「ん、らん、名前呼んで?」
「ぅ、ゆ、きさ、ん、…?」
「ぶー、ちがうでしょッ?ゆーきって、呼んで?」
「っあッ!う、んぁ、、ゆーき、!ゆー、き、好きっ、だいす、きっ、!」
「ん、おれ、もッ!」
ゴチュ、と奥に突き当たる。
「ぅ、あ、!ゆーき、そこ、ら、めッ!入っちゃ、やっ、、」
スリ、と腹筋をなぞられる。
「だめ?…俺の、受け入れてくれないの?」
「ぅ、らって、そこ、ぜった、おかしくなる、!」
「いいよ、おかしくなって?」
いっしょに、気持ちよくなろ?と耳元で囁き、藍のソコをこじ開ける。
「ッ〜〜~あっ、!!まっ、!やぁ、らめっ、!」
ぐぽ、と音がすると同時に藍が果てる。
「ッはは、突いただけでイッちゃったの?、ほんと、かーわい、!」
「あっ!んぁっ、、や、ま、らうごかな、い、れぇ、!」
「んー、むーりッ」
「〜〜~あッ♡♡やっ♡///」
「はは、もう目ハートじゃん、まだへばんなよ、!」
「あぅ、ひぁっ!、〜〜~イクっ、イクッ!」
「ん、おれ、も!」
「あぅッ〜〜ふっ、ゆーき、!だいす、き!」
「ッ〜~、おれもらん、あいしてる、!」
ずるり、と自身のモノを引き抜く。
「あ…やべ、ゴム付けてなかった…ごめん、藍。」
「ん、…気づいてたよ、?」
「え、ならなんで、」
「…今日は、ナマでゆーきのこと感じたかった、から、…まってまってまって、ゆーき、?なんでそんなおっきく、」
「さっきの聞いてならないやつは男じゃないと思うけど?ね、藍。せっかく気使ってもらったんだし、今日はいっぱい愛し合おうな?」
「ぅ、///は、い」
コメント
7件
最高すぎますよ、、
ぁぁぁあ神でしかない
もう、最高すぎです!😵💫💕 理想の祐藍でした〜♡ ほんとありがとうございますー😭