例の謝罪から早一ヶ月が経った。
簡単に言うと欲求不満だ。
前までは週に一、二回。多くて三回はしていた。なのに全く無い。そういう雰囲気になっても触れるだけのキスで止まってしまう。
最近ではキスどころかハグや手を繋ぐ事も減ってきている。なんで?俺に飽きたのか?なんて当人にしか分からない問が脳裏を駆け巡る。
不安だった。そしてそれ以上に腹の奥が疼いてしまう。満たされたい。ドロドロに犯されたい。足りない。そんな性的欲求が日々膨らんでいく。
だが彼奴は乗り気では無い。ならば此方から誘うしかない。気恥しいがこれしか無いのだ。
背中を押すようにカレンダーが明日は休日だと教えてくる。
赤くなる頬を抑えながら恋人の元へ寄る。
「どうした?」
と日中とは別人のような繊細で優しい囁くような声を聞き少し落ち着きを取り戻す。
「う、あぁ…あのぉ…」
しかしいざ目の前にすると緊張や不安が襲いかかってきて言葉が詰まる。中々次を紡げずにいると唇に湿った感触が来る。
ほんの一瞬で終わってしまったそれがキスだったことに気づくのにそこまで時間は要さなかった。
「ラ、ンス…」
「ん?」
柔らかく微笑えみ視線を合わせてくる此奴の瞳に自分が映るのは何時ぶりだろう。久しぶりなこの状況に幸福感が込み上げてくる。が、
「もっとシて…?」
口に出てしまった。まぁ、元から伝えるつもりだったが…
口角があがることにより細くなっていた目が見開かれる。俺から誘ったことはほとんどない為その反応も無理はないだろう。
「…これ以上やったら、我慢できなくなってしまうから、駄目だ。」
顔を悲しそうに、苦しそうに歪めながら答える。
その表情に興奮を孕んでいる様に見えるのは自意識過剰だろうか。
「いい、からっ、お願い。」
ここまで来たら強請る他無い。
恥ずかしさなど数分前に置いてきた為積極的に行動に移す。
ランスのボタンに手をかけ、一つづつ丁寧に外していく。
当の本人は一瞬悩んだ様な素振りをした後抵抗しなくなった。
それを承諾と受け取った俺は次から次へと服を脱がしていく。自分も脱ぎ終わった時に体の重心がズレる。
「うぉっ!?」
押し倒されている。先程まで穏やかだった恋人は獲物を前にした獣のようだった。
ギラギラとした瞳、荒くなった呼吸、顎辺りを伝う汗、その全てがこの後の行為を想像させる。
ベッドサイドの棚から潤滑剤とゴムを取り出し準備をしていく。
「始めからこのつもりだったのか?」
俺のナカを解そうと触った時に気づいたのだろう。
「っ、だったらわりぃかよ…」
流石にこれは恥ずかしい。顔を隠すように腕を持ってくるとそれを捕まれ頭上で拘束される。
「可愛いな、」
耳元で囁かれ少し声が漏れてしまう。
「入れるぞ」
やっと、やっとだ。待ちに待っていた快感が身体を包む。
「ん…あっ、」
満たされていく。ぽっかりと空いていた部分に液体が注がれていくような感覚。幸せだ。
「動くぞ」
そう言って足を持ち直される。その衝撃で稲妻のように快楽が流れる。
「うっっ、あっ、♡」
そのまま奥を突かれる。ペース自体はゆっくりだが久々なのもあり前より感じてしまっている気がする。
「あぁっ、ぉっ、、うぅ…んっ♡」
早くも達してしまった。体液は出ていないが…
「イったか。」
ずるずるとランスのモノが抜かれていく。
何故か名残惜しさを感じている自分がいる。
何回もイかされて苦しかった筈なのに、一回じゃ満足出来なくなっている…?
「らん、す」
「どうした?苦しいか…?」
「抜かないで…? 」
ランスの目がまたもや開かれる。
「っ…は?今、イって…」
「イった!イったけど…」
絞り出したような小さい声で
「まだ足りないっ…」
拘束が緩まって解放された腕をランスの首に回す。そしてキスをする。触れるだけのものでは満足出来ないため自分から舌を絡ませる。最初は戸惑っていたが段々と乗り気になってきた様でランスの舌に呑まれる。
「んぅ…ふぁ、う…」
酸素が上手く回らなくてクラクラする。
この感覚がとてつもなく愛おしい。
グワッと身体が持ち上げられる。するとナカに一気に入れられる。自分の重さで更に深くまで突かれる。
「んあ゛っ!?」
唐突に来た大きい刺激に困惑する。
「今回は煽ってきたお前が悪い」
あ、死ぬかも。
次の日の実技の授業はドットは見学だったとか…
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