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「…で、お前らはいつ座るんだ?」
はっとし、俺達は自分の席に座る。
正直、俺と千切はまだイラついている。
当然だ。好きな人関連なんだから。
「はいじゃあ時間ねぇから授業始めるぞー。教科書33ページ_」
俺が蜂楽様を好きになったのは中1の頃。
俺と蜂楽様と同じ中学だった。本人は覚えていないかもしれないけれど。
俺が熱中症で倒れた時、蜂楽様が俺に声をかけながら、保健室に運んでくれた。
1番必死に運んでくれて、保健室でも氷枕を用意してくれたり、いろいろ良くしてくれた。
我ながら単純だと思う。でも、それでも、俺が蜂楽様を好きになるには十分だった。
それで、俺は蜂楽様を追いかけてこの高校に入った。
蜂楽様のために小学生の頃から行きたかった高校を諦めてこの学校に入った。
なのに、なのに!!俺が入った頃には、すでに蜂楽様に彼女が出来ていた。
ショックだった。あなたをずっと追いかけて来たのに。
あなたのために、俺は沢山のことを諦めてきたのに、蜂楽様は、俺を認知すらしていない。
蜂楽様は人気だから、嫌でも蜂楽様と彼女さんの情報が入ってくる。
その中には「キスをしていた」とか「ハグをしながらDキスをしていた」なんて噂もある。
その度に、俺はなんのためにこの高校に入ったのか、なんのためにこれまで頑張ってきたのかわからなくなる。
今も、正直なにがなんだかわからない。
蜂楽様に、俺から話しかけようとしたことがあった。入学してすぐの頃。
話しかけようとした瞬間、あなたは彼女さんを見つけ走ってハグしに行った。
その瞬間だ、俺が絶望したのは。
蜂楽様も俺も男。だから結局は可愛い人を選ぶよな。って思ったよ。
ああ、気持ち悪い。気持ち悪い。
呼吸ができなくなっていく。どんどん、死にたくなっていく。
「さ_ぎ」
誰かが俺を呼ぶ。誰かな。
千切?凛?氷織?玲王?全員?
まぁいいや。
「潔!!」
あまりに大きい声だったため、俺は、はっとする。
「…んだよ…」
「んだよじゃねえよ!!お前大丈夫か?!」
俺を心配する声の主は千切だった。
さすが、中学からの友達。
「あー、大丈夫大丈夫ー。」
「倒れたやつが大丈夫なわけあるかアホ バシッ」
保健室に居た理由がやっとわかった。
倒れたんだ、俺。
「千切、俺、俺…」
「…蜂楽先輩だろ。お前なら。」
なんでわかるんだよwこえーなw
「…ポロポロ」
笑って大丈夫だって、本当は言いたい。
でも、その思いとは裏腹に、涙はどんどん溢れていく。
「なぁ、今リス禁してんだっけ?」
「…うんっ ポロポロ」
「…少しだったら、今、やっていいぞ。」
「…へっ? ポロポロ」