5話 本物のピエロ
看護師「紬くーん?入りますよー?」
柚「?はい…」
ガラガラガラッ…
看護師「体調はどう?」
柚「大丈夫」
看護師「そっか、ご飯は食べれそう?」
紬「…ううん、いらない」
看護師「じゃあゼリーだけでも食べれる?」
柚「食べれる」
看護師「そう、偉いね」
看護師「…それで…なんだけど」
紬「…」
看護師「また…5ヶ月くらい入院延期になったの、ごめんね」
柚「…いつ、退院出来る?」
看護師「それは…」
看護師「きっと、5ヶ月後には退院出来るわ」
看護師「お仕事戻るから、じゃあね」
柚「…うん」
また5ヶ月延期になった
退院する3日前くらいに、毎回
僕の体は病弱だ
体全体が弱くて、特に心臓が
少しでも走ったりすると死んじゃう
別に毎分毎秒体がだるかったり痛いわけじゃないけど、動くなって
元気なのに、痛い注射も我慢して、定期的な手術も頑張ってるのに
いつになっても治らない
保育園の頃からだから実際義務教育も受けてない
今は…多分14歳
普通だったら中学2年生くらいかな
まぁ…誕生日会もやったことないし…というかケーキ食べられないし
<捕まえたーっ!
<バリアー!
<はぁ?!ずるいぞ!
柚「…」
いいな、元気に遊べて
僕も遊びたい
遊ぶ相手とかいないけど、元気に走り回ってみたい
公園?って場所にも行ってみたい
…え?親とか来てくれないの?って?
…来るよ、3ヶ月に1回
服と本を持ってきてくれるだけ
話さないし、荷物置いたらすぐ帰る
まともに顔も見れないし
どうせ必要としてない
ちなみに僕は目も悪い
人間には五感ってものがあるでしょ?
僕には全部がない
…あるけど、使えない
聴覚 視覚 嗅覚 味覚 触覚
⬆ ⬆ ⬆ ⬆ ⬆
△ ? × ? ?
こんな感じかな
僕は人間として成立しているのか?
…そんなのどうでもいいけど
紬「ッ…眠…い、」
トサッ……
< まま!明日には退院出来るの?
…?誰、?
<えぇ、良かったわね
あぁ…退院するのか
おめでとう
<わたし遊園地行きたい!
<はいはいw
…遊園地?
なんだ?遊園地って…お菓子?
でも行きたいだから…場所か
…先生に聞いてみよ
ビーッ…ビーッ……
医者「どうした?」
紬「あ、先生」
医者「…また意味無いナースコールか?」
紬「違う、聞きたいこと」
医者「珍し…なんだ?」
紬「遊園地…って何?」
医者「遊園地?珍しいな…どうした?本にでもでてきたか?」
紬「ううん、明日退院する子が廊下で話してたの聞いた」
医者「あ〜」
柚「気になった」
医者「まぁ…楽しいところだよ」
医者「皆が笑顔になるところ」
紬「へ〜…」
医者「…乗り物には乗れないが、散歩がてら行ってみるか?」
紬「いいの?」
医者「我慢ばっかじゃ疲れるだろ?体にも悪い」
医者「行きたくないなら大丈夫だけど…」
紬「行きたい…」
紬「行きたい!」
医者「…w じゃあ明後日にでも行くか」
医者「体調、崩すなよ」
紬「うん」
医者「どうだ?遊園地は」
紬「ちょっとうるさい…」
専門家「仕方ないですよw」
紬「うん…」
紬「…凄い、キラキラしてる…ほぼ見えないけど…」
医者「夕方が1番綺麗だな」
医者「何か気になるものはあるか?」
紬「…あの、ぐるぐる?して…ゆらゆら…してるやつ」
医者「あぁ、バイキングか」
医者「見に行ってみるか」
専門家「すみませーん!、道を開けてください!」
紬「…迷惑じゃない?」
医者「気にするな」
数時間くらい見回った
楽しい…きらきらしてて、皆笑顔
皆と同じ気分を味わってるみたい
ヴーッヴーッ
医者「!…少しここで待っててくれ」
専門家「私は飲み物買ってきます」
医者「あぁ、…はい 〇〇です」
紬「……!」
なにあれ…テント?
シマシマ模様…
気になる…けど、先生が…
…少しくらいなら…
キィーーッ…キィーーッ……
ファサッ……
紬「広い…いろんな物が置いてある…のかな」
紬「ちょっとだけ…暗い」
ピエロ『ん?どうした坊や』
紬「えッ…あ、…どこ、?」
ピエロ『?前にいる…もしかして見えないのか?』
怖いッ…誰……苦しッ……
紬「ケホッ…ケホッ……」
ピエロ『!…落ち着け、大丈夫だ』
ピエロ『怖くない…怖くない』
トントンッ…
紬「はぁ…はぁ……」
紬「あり、がと…」
ピエロ『…親は?』
紬「いない、家にいると思う」
ピエロ『(…一人で来たのか?)』
ピエロ『坊や、夜になる前に帰りな』
ピエロ『ここは夜になると危険だよ』
紬「…出口…どこ?」
ピエロ『後ろだ』
紬「…ありがとう」
紬「…あの、えっと……」
ピエロ『?どうした』
紬「まだ…居たい」
ピエロ『でも見えないだろ』
紬『それでも…!』
ピエロ『…仕方ないな』
ピエロ『初めてだよ、ここに居たいとか言うやつ』
ピエロ『俺の姿が見たいか?』
紬「…気になる」
ピエロ『怖いかもだぞ?』
紬「僕強いから平気」
ピエロ『痛いかも、だぞ?』
紬「…手術よりは痛くない?」
ピエロ『…さぁな、まぁ痛くないと思うぞ』
紬「…見たい」
ピエロ『じゃあ…目を瞑ってろ』
紬「ん、…」
…ピリッ……
紬「ビクッ…」
ピエロ『目を開けろ』
紬「…?!な、何ッ…視界が…気持ち悪ッ…」
ピエロ『俺にとってはお前の気持ち悪いよ…』
紬「どうなって…」
ピエロ『俺とお前の目を入れ替えた』
…あ、…ほんとだ…
僕の茶色い目が…
凄い…こんなに綺麗なんだ…
キラキラしてる、…光が強い…!
ピエロ『入れ替えたと言って体が強くなったわけじゃないぞ』
ピエロ『それと…もうこの場所からは逃げられないぞ』
紬「…え?」
ピエロ『残念だったな、子供なのに』
紬「もう…痛い思いしない、?」
ピエロ『…は?』
紬「注射も…手術も…苦いお薬も…苦しいリハビリも…気持ち悪い献血も…検査も…寂しい思いも…全部我慢しなくていい…?」
ピエロ『え、あ、あぁ…まぁ…病院じゃないからな…しないだろうけど…』
ピエロ『いいのか?お前ずっとここに…』
紬「いい!僕は…僕は……」
紬「ここにいたい!」
ずっとこの場所で…みんなの笑い声と、楽しい音楽を聴いてたい
あんな生活から逃げたい
ピエロ『…変なやつ』
ピエロ『(人を殺すなんて…知らないんだろうな)』
ピエロ『(ごめんな、純粋な心を弄んで)』
ピエロ『(お前は今日から…)』
ピエロ『お前は今日からピエロだ』
紬「ピエロ…?」
ピエロ『あぁ、リハビリ…動けるようにリハビリはするが、それ以外はなんともないぞ』
紬「…頑張る!!」
ピエロ『…あぁ』
これで…僕は解放…され……
プツッ…
???『おーきーろー』
ピエロ『っん、?』
ピエロ『…マジ、シャン?』
マジシャン『おぉ、覚えてたか…』
ピエロ『なんで…僕生きて、ッ』
マジシャン『マジック〜』
ピエロ『…そっか』
マジシャン『なんか夢でも見てたか?変にうなされてたぞ』
ピエロ『え?あぁ…』
ピエロ『…少し、懐かしい夢見てた』
ピエロ『お前がマジシャンになる前の…』
マジシャン『へ〜』
ピエロ『…ねぇ、なんで…』
マジシャン『なんでマジシャンになったの、だろ?』
ピエロ『…うん』
マジシャン『肩書きがかっこいいから?』
マジシャン『本名だとダサいし、マジックってかっこいいだろ?w』
ピエロ『そうかなぁ…』
マジシャン『…それと』
マジシャン『お前が居るんだから、ピエロは必要ないだろ』
ピエロ『!…』
ピエロ『そうかもね』
ピエロ『…ごめん、役に立てなかった』
マジシャン『気にすんな』
マジシャン『俺が…』
マジシャン『お前の後を背負ってやる』
マジシャン『俺はお前だけの為にしか働かないからな。』
ピエロ『…』
マジシャン『任せとけって』
マジシャン『全員殺すから』
…こいつが笑顔なら…
楽しそうなら…
なんでもいいか…人生なんて
どうせ殺しちゃったし
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【 情報 】
『陽乃 紬』
ピエロ の中の人
病弱で自由がない
遊園地が大好きで、元 ピエロ、現 マジシャンが憧れ
もう心なんて塗り替えているはずなのにどこかで自由を求めている
情緒不安定な時が多い
好きな物はミステリー系の本
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やっと!!!終わり!!!ました!!!
Foooooooo!!!!!!!!
やっとほかの連載動かせる!!
いぇええええええええええええええi
ご愛読頂きありがとうございましたこれからも続けますデヘヘヘヘ
まぁもちろんこの連載も続きますけどね
なんならあと6体いますから!!
7×5だよ!!!うわぁあ!!!
もう辛い。けど頑張るもんキャッピーン
とりあえず!ここまで!見てくれて!!
ありがとおおおおおおおおおお!!!
喜びのーーーーー!!!
お?
つ?
に?
だーーーーーーーーんごぉおおおお!
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