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irxs様のnmnm
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🐤(⚀)先天的女体化
🍣🐤(⚃×⚀)
好きを詰め込めたら結局こうなるんだよなぁ。
最近小説自体は書置きが沢山あるのに、サムネを毎回後回しにしてるからヒィヒィ言っててマジつらたん
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_ Nai side _
「あれりうらどっか出かけるの?」
ドレッサーに座り真っ赤な長い髪をコテで魔法をかけるようにふわりと巻く。
ポンパで幼さが強調されているのに、髪をまくことで大人っぽさも追加されていた。
「んー?あれ言ってなかったけデートだよ」
「誰と」
「内緒」
淡々と答えるりうら。
内緒ってなんだよ。何時もなら「ひみつ〜」とか可愛子ぶって言ってるくせに。
俺はムッとして、ドレッサーに写る自分とにらめっこしているりうらに近寄る。
隣に立つと「なに?」なんて目線を合わせるために、俺を見上げる。
上目遣いとまではいかないが、充分あざとい。
「胸元出し過ぎじゃない?」
「どこ見てんのエッチ」
「いや視界に入ってきただけだし」
軽口を言える関係は俺にとっても心地いい。
雑談をしていると最後の真っ直ぐに伸びた1束も魔法がかけられた。
りうらはコテのコンセントを抜いて、下の棚へ収納する。
前を向き鏡に映るりうらと目が合う。
目が合ったら微笑むような、どこぞの恋愛漫画の展開なんて発生しない。
なんなら目も合っていなかったのかもしれない。
りうらは魔法がかけられた髪を手ぐしでほぐし、顔を左右に向けて確認していた。
これで完成かと思ったが、メイクしたりうらに唯一不完全な箇所があった。
「俺がリップ選んであげよっか?」
「ほんと?ないくんが選ぶ色結構当たり率高いから嬉しい」
メイクする前から既に保湿された唇は桃色に淡く艶々と発色されていたが、やはりリップを塗った唇の方が発色はいい。
スライド式の小棚を引くと沢山のリップが整列していた。
俺はりうらの服を直で見てから、次に鏡で間接的にりうらを見る。可愛いな。
「今日は可愛い系にしたんだね。なら色はちょっと薄いピンク寄りの方がいいかな」
左の手前から3番目のリップを手に取り、キャップを外すとカパッと音が鳴った。
「りうらこっち向いて唇の力抜いて」
「はーい」
こっちを向いて完全に身を任せるように力を抜くりうら。
たしかに俺が力を抜けと言ったが、瞼まで閉じて、唇を差し出すように少し突き出す彼女は何を思っているのだろうか。
いや、きっと何も思ってないんだろな。
柔らかい唇にリップを押し付け、最後に小指でなぞって微調整をする。
うん。我ながらいい色を選んだ。
手を離すと、眠り姫のようにゆっくり瞼を開いて二重をつくる。
「おーいいじゃん可愛い」
「でしょw」
りうらは満足そうに口角を上げてから、唇同士を擦り合わせて色ムラを調整する。
俺はリップを元の場所に戻すためにもう一度小棚を引くと、1番奥にしまわれた濃いブラウンレッドのリップが目に入る。
「りうらこんな色使うっけ?」
ブラウンレッドのリップを指差すと、りうらは「あー…」となんとも言えない声を出して、ソレを取り出す。
「貰い物なんだけど、似合わないよねぇ…」
「マジで?w」
いや、笑っちゃ失礼かとすぐ気を取り直したが、リップを見るりうらの目は俺が選んだリップには向けないような目線を送っていた。
「ほんと何考えてプレゼントしたんだろ」
俺は黙る。
何も言わない。言いたくなかった。
「やっぱりりうらに似合う色はないくんが1番よく知ってるね!」
「まぁそりゃね…w」
1番ねぇ。
その1番は、誰と比較した1番なんだろうな。
絶対に 言葉には出せれないモヤを俺は飲み込みんだ。
「りうら、その色のリップやっぱり似合ってるね」
「ん?ね!また選んでね」
「…もちろん」
どんな関係になっても、俺は君がいたらそれでいいやなんてキザな事は心から思えないけど。
自分に言い聞かせる事なら出来た。
行ってきますと恋愛漫画のヒロインの様な笑顔でりうらは家を出た。
【君に似合うリップ】 : 𝐹𝑖𝑛.