テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※リストカット、急に叫ぶ(泣く)、暴言等。
※センシティブシーン無し。
※鬱やその他の病を理解していない(軽く見ている)ような内容に感じられる方も居ると思いますが、創作の設定なのでご理解の程よろしくお願いします。
(吉田さん鬱ストーリー)
「ただいまー…仁人起きてるー…?」
マンションの一室、ドアを開けると塩っぱい臭いが鼻を突き刺す。
廊下の曲がり角にまで散乱したゴミがそれに乗っかって腐った臭いを放っている。
カチャ…
ピッタリと閉まっていた仁人の部屋のドアを開けると、真っ暗の部屋の中で仁人は横たわっていた。
床にはカップラーメンの残りや割れた皿、血の着いたカッター、仁人が漏らしたような尿が散乱している。
5日前から着替えていなく、風呂にも入っていない。
仁人はずっとぐすぐす泣きながら何か物を投げたり壊したりしている。
そう、仁人は数週間前から鬱なのだ。
「あ…あの…仁人ただいま…。」
『ひぃ”っ、ゔぅ…あ”あ”あ”あ”あ”っ!!ゔあ”あ”っ!!』
今日は静かに泣いていると思えば急に叫び出す。
数週間前までは俺と仲良く恋人生活を送っていた仁人が、どうしてここまで追い込まれたのかは俺も無理に聞いていないので分からない。
「仁人、今日の晩御飯は何食べたの…?」
『しね”よっ!!でてけぇ”!クソっ…あ”ぁっ…ゔ…っ…。』
「ごめんね仁人いつも遅くて…ほら、こっち向いて?」
俺でも怖い程に心が乱れている仁人にいつもビビりながらハグをして慰めている。
バクバク鼓動を打つ仁人の心臓が次第に落ち着いてくる。
髪の毛がいつ付けたか分からないスタイリング剤でベタベタしていた。
『勇斗寂しかった…手首巻いて…。』
「あぁ、はいはい。ちょっと取ってくる。」
帰ってきてから仁人が手首を切っていたら俺が必ず包帯を巻く。
俺に触れられないのも俺の声すら聞けないのも今は1分も我慢出来ないらしく、寂しさと自己嫌悪でしてしまうみたいだ。
仁人のあの笑顔を取り戻せるのは世界で俺しか居ない。
「消毒するよ〜…痛いけど我慢してね。」
『うん…い”っ…!…ありがとう。』
包帯を巻き終えると仁人は布団に寝っ転がった。
仁人は動くのが億劫で仕方ないらしいので布団を買ってリビングに敷いている。
その布団も見るに堪えない程汚い。
ずっと動いていない仁人も体重が少し落ちた。
ストレスで食べ過ぎる事が無く、何も食べたくないらしい。
『勇斗…。』
「…仁人、お風呂入っても良い?」
『え…?なんっ…で…?ゔぁっ、ごめっ…ごめんなさっ…。』
「ごめん仁人泣かないで…?そうだね。仁人頑張ってるから俺お風呂なんか入ってる暇無いよね。」
とりあえず仁人から離れるとそこでお終いなのでパパっと部屋着に着替えて寝る準備をした。
最近、俺も風呂に入る事が少しずつ減っていっている気がする。
仕方がない事と言えばそうなのだが…。
『…きて。おれさみしい。』
少し掠れた声でゆっくりと喋る。
二人も寝る隙間の無い布団で仁人と抱き合う。
首元や頭皮が臭うのが少し苦い点だ。
冷たい肌の仁人が俺の体温で溶かされていく。
少し体液の染み付いた、黄ばんだ布団の中でも仁人への愛は変わっていない。
「仁人今日もお疲れ様。毎日仁人が頑張って頑張って生きてくれてるの、俺超嬉しいから。」
じわっと温かい涙が俺の胸に染みる。
本当は俺も泣きたいくらいの毎日。
でも、鬱になっても必死で生きてくれてる仁人が居るから心が保たれる。
髪を解いて撫でると仁人の手の内に力が加わる。
「大好きだよ。世界で一番大好き。仁人以外愛せないから、仁人も俺の事愛してね。」
『ゔんっ…はやっ、と。だいすき。あいしてる…。』
中々寝られない仁人を包み込む様に寝かせる。
寂しそうで、でも何処か幸せそうな仁人の寝顔が大好きだ。
勿論、前の元気な仁人が一番だった。
何が変わったとしても仁人を愛していたかった。
「仁人、おやすみ…愛してるよ。」
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