セカイの歌探し

未来が世界の真っ白な空間を歩いていると、元気いっぱいの鏡音リンが手を振りながら近づいてきた。リンの隣には、無表情で静かに立っている鏡音レンがいた。未来は、レンの冷静な眼差しに少し緊張しながらも、リンの明るさに引き込まれていった。

「やっほー！私は鏡音レン！こっちは鏡音レン！」リンが元気に挨拶したが、レンはただ静かにリンの横に立ち、何も言わなかった。

「こんにちは、私は未来です。」未来は少し戸惑いながらも、リンに微笑み返した。

「未来、ここに来た理由は何なの？」リンは興味津々で尋ねる。レンは無表情のまま、静かに未来を見つめていた。

「私は自分の歌を取り戻そうとしているの。でも、現実では声が出せなくて…。」未来は少し不安になりながらも、自分の気持ちを打ち明けた。

「それなら、私たちが手伝うよ！」リンは明るく言った。「ここでは音楽の力で何でもできるから！」

未来はリンの言葉に少し希望を感じたが、レンは静かにその場に留まったまま。彼の無表情には、何か思索的なものが感じられた。未来はレンに目を向けるが、レンは言葉を発することはなかった。

「レン、何か言いたいことがある？」リンは、聞くが、レンは静かに頷くだけだった。言葉を発する代わりに、レンは未来に向けてじっと真剣なまなざしを送っていた。

未来はその視線に何かを感じ取り、心の奥にある感情を探ることに決めた。レンの無口さには、レンなりの深い思いが隠されているのかもしれない。

「私、声が出せなくても、心の中には歌があると思うの。」未来は心の声を感じながら言った。「それをどうにかして表現したい。」

リンは笑顔で頷き、「それが大事なの！歌は心の声だから、言葉じゃなくても伝わるんだよ！」と励ました。

レンは相変わらず静かだったが、その表情は少し柔らかくなったように見えた。

二人の存在は、未来にとって心強いものとなっていた。