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ついに最終話を迎えました。ありがとうございます、それでは最終話どうぞ
夜。
仕事終わりの楽屋。
他のメンバーは先に帰って、部屋には二人だけ。
仁人はソファに座ったまま、ぼんやりしている。
太智は帰る準備をしながら声をかける。
「ほら、帰るで」
「……うん」
でも立ち上がらない。
太智が振り返る。
「どした?」
仁人は少しだけ視線を泳がせる。
昨日までの仁人なら、ここで「なんでもない」と言っていた。
でも今日は違う。
ゆっくり立ち上がって、太智の服の袖をつまむ。
「……なあ」
「ん?」
小さく息を吸う。
「甘えてもいいかな」
空気が止まる。
太智が目を見開く。
「……は?」
仁人は顔を赤くしながらも、今日は逃げない。
「昨日言っただろ。甘えたいって」
「だから……今日、ちょっとだけ」
声が震える。
でも真っ直ぐ見ている。
太智は一瞬黙って、それから少し困ったように笑う。
「ちょっとだけ、で済むんか?」
仁人は一歩近づく。
「済ませる気ない」
太智「おい」
仁人はそのまま、太智の肩に額をこつんと当てる。
「今日さ、ずっと頑張ってた」
「分かっとる」
「褒めてほしい」
太智は一瞬固まる。
「……素直すぎへん?」
「今日はそういう日」
仁人の手が、太智の服をぎゅっと掴む。
「ちょっとだけでいいから」
「そば、いて」
その声は、今までで一番柔らかい。
太智はゆっくり息を吐いて、仁人の頭に手を乗せる。
「しゃあないな」
優しく撫でる。
仁人は目を閉じる。
「……もっと」
「欲張りやな」
「うるさい」
でも頬は緩みっぱなし。
太智はそのまま軽く肩を抱く。
「頑張ったな」
その一言で、仁人の力が抜ける。
「……うん」
小さく返事をして、太智の胸元に顔をうずめる。
強がらない。
隠さない。
ただ、甘える。
「太智」
「なんや」
「ありがとう」
太智は少し照れたように笑う。
「また甘えたくなったら言えよ」
仁人は顔を上げて、少しだけ悪い笑みを浮かべる。
「言わなくても行く」
「おい」
二人の笑い声が、静かな楽屋に広がる。
もう、喧嘩の余韻はどこにもない。
あるのは、隣にいる安心感だけ。
ED
ここまで見てくださった皆様ありがとうございます!リクエストもありがと!やっぱ甘々系が苦手ですね笑全然上手くいかなかった…笑他の作品も見てくれると嬉しいです!では「甘えてもいいかな」これにて終了です。