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寧々said
「返せ?妙な話だぜ。爆豪くんは誰のものでもねぇ。彼は彼自身のものだぞ、エゴイストめ」
『何言ってんだ、こいつ』
ヴィランの言葉に、私は思わず反論した
『じゃあ、爆豪はお前らについて行くって言ったか?勝手に誘拐してんじゃねえのか?爆豪は私たちのものでもねえ。だが、お前らヴィランのものでもねえ。爆豪はこいつらの大事なクラスメイトでもあり、仲間なんだよ。さて、2人を返してもらおうか』
そう言えば、ヴィランはパチパチと手を叩き始める
「No.10ヒーローは仲間思いなんだねえ。君は確か、リストに居たな。プロヒーローソロモン。白虎寧々だったか。写真でも見た通り、可愛いね」
『あ?』
彼の言葉と行動は、私たちを嘲笑っているようにしか見えなかった
ムカつく
私は、苛ついてか歯を食いしばる
緑「返せよ!!」
轟「退け!!」
轟くんはすかさず氷結を出し、攻撃を仕掛ける
が、ヴィランはそれを難なく躱し、あたかも何事もなかったようのように別の木に移った
「我々はただ、凝り固ってしまった価値観に対し、それだけじゃないよと道を示したいだけだ。今の子らは、価値観に道を選ばされている」
障「爆豪だけじゃない、常闇もいないぞ!」
常闇の姿が見当たらないことに気がついた障子が、私たちに言った
チッ、こいつの個性厄介だな
轟「わざわざ話しかけてくるとは、舐めてんな」
「元々エンターテイナーでね、悪い癖さ。常闇くんはアドリブで貰っちゃったよ」
じゃあ今持っているビー玉は、常闇ってことになるのか
ヴィランはもう1つビー玉を取り出し、先程と同じように弄ぶ
「ムーンフィッシュ、歯刃なの男な。彼はあれでも死刑判決控訴棄却されるような生枠の殺人鬼だ。それをああも一方的に踏躙する暴力性、彼も良いと判断した」
緑「この野郎、もらうなよ!!」
障「緑谷、落ち着け」
怒りのあまり、興奮状態の緑谷
そんな緑谷を、障子がなだめる
『そのうるせぇ口を今すぐ閉じろ。フリーズ・ガトリング』
私は怒りのあまり、ヴィランに向かって指先大の氷の弾丸を連射する
「悪いね。俺ァ逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生とプロヒーローなんかと戦ってたまるか」
が、ヴィランは先程のように難なく躱し、空中に浮く
逃げ足と欺くことがだけが取り柄だなんて、クソ野郎だな
ただの卑怯者にすぎない
「開闢行動隊、目標回収達成だ!短い間だったがこれにて幕引き!予定通り5分以内に回収地点へ向かえ!」
轟「幕引き、だと、、、!?」
緑「ダメだ!」
『追いかけるぞ!!』
轟「ああ、させねえ!絶対逃がすな!」
回収地点へと向かうヴィランを、私たちは全速力で追いかける
だけど、
轟「畜生、速ぇあの仮面!」
気から木へと移りながら素早く移動するヴィランには、私たちの足ではとても追いつけなかった
仕方ない、あれを使うか
『私の個性であのヴィランを捕まえ、2人を回収する!お前らは、施設へ避難し教師に救助を求めろ!後は頼んだぞ!!』
私は、緑谷たちにそう叫んだ
緑「待って、寧々ちゃん!」
轟「待て、白虎!!」
『エディ・ストーム!!』
緑谷たちが止めに入るが、無視して足元から竜巻を召喚させ、勢いつけて空に向かって飛んだ