テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
132
191
朝。
「……マナ、起きて」
変わらない声。
でも、少しだけ落ち着いた空気。
⸻
「……あと五分」
布団に潜る
緋八マナ。
⸻
「毎日それ言うよね」
笑いながら言う
伊波ライ。
⸻
「……起こし方変わってへんな」
「効果あるから」
⸻
軽く触れるキス。
昔と同じ。
でも。
どこか自然で、落ち着いている。
⸻
「……起きるわ」
「うん」
⸻
■変わったもの、変わらないもの
キッチン。
「コーヒーでいい?」
「せやな」
⸻
何気ない会話。
何気ない距離。
⸻
でも。
指には、あの時のリング。
⸻
「なあ」
「うん?」
「こういうの、慣れたな」
⸻
ライは少し笑う。
「いい意味でね」
⸻
「最初はドキドキしてたのに」
「今もしてるよ」
「……ほんまか?」
「ほんと」
⸻
少しだけ近づく。
軽く触れるキス。
⸻
「……してるな」
「でしょ?」
⸻
■これからも
「今日、帰り遅くなる」
「了解」
「飯どうする?」
「先食べとく」
⸻
自然なやり取り。
でも。
その中にちゃんとある。
⸻
「……なあ、ライ」
「うん?」
「帰ってきたらさ」
少しだけ笑う。
「一緒におろな」
⸻
「うん」
即答。
⸻
それだけでいい。
⸻
■変わらない距離
玄関。
「いってきます」
「いってら」
⸻
軽くキス。
当たり前のように。
⸻
ドアが閉まる。
でも。
また帰ってくる場所がある。
⸻
それは。
あの日、選んだ未来の続き。
⸻
何年経っても。
隣にいるのは、同じ人で。
⸻
その事実が。
何より、幸せだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!