コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『記憶持ちカルマくんの逆行はちゃめちゃ物語!』
Act.1
-作者より-
『記憶持ちカルマくんの逆行はちゃめちゃ物語!』… 略して『行ちゃ!』です。
(主は紅茶飲めないです。笑
今回も煩悩で新シリーズを書いてしまった…
私の傾向は、「スロー更新ってことにして逃げる」です。どうぞよろしk((殴
-Attention-
⚠口調・呼び方・一人称はもう分からん
⚠ほぼ自分の書きやすいキャラしか出ない
⚠原作での関わりが薄いキャラ同士が会話しているので、少しテンションが違ったりします。
⚠設定はてんこ盛り。コレ絶対(違います
それでも構わないよ~って言う神様仏様読者様な方はお進みください。
本編スタート!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:雪村あぐり -yukimura aguri
私の体を貫いたものは、本当は彼に対して撃ったものだった。
そんなことは、喰らった瞬間から気づいていた。
彼はきっと、重い重い責任を背負ってしまう。
私が死ぬ瞬間を見ていた妹は、きっと彼のせいだと思うだろう。
そう、誤解してしまうのだろう。
でも、もう私にできることなんて無いから。
彼にせめて、これを伝えたかった。
『貴方の時間をくれるなら、あの子達を教えてあげて。』
『………なんて素敵な触手。』
『この腕なら、きっと……』
“立派な教師に。”
そう言って、私はにっこりと笑顔を作った。
人の形を保ちながらも触手を持ったこの人は。
私の為に暴走してしまったこの人は。
それでも私の話をゆっくり、静かに聞いてくれた。
「自分のせいだ」なんて想いは、私の前で出さずに。
でもね、死神さん。
私はそこまで自分の生に執着してないの。
だから貴方が責任を負う理由なんてない。
だから、
安心して、”これから”を生きて。
──────────────
完璧だった貴方も、貴女も。
私には不釣り合いな人達だと思っていた。
正直に言えば、 こんな形で救いたくなかった。
できることなら、自分の手で。
あの人とあかりを救ってあげたかった。
でも。
私には時間も、力も、何もかも無かった。
だから、 こんな手段しか使えなかった。
“本当にごめんなさい、
こんなこと頼んでしまって。”
“…でも、貴方にしか助けられないの。”
……ありがとう、 私の生徒を助けてくれて。
(彼には、助けてもらってばかりね。)
“こんな私だけど。
こんな不甲斐ない担任だけど。
……覚えていてね、赤羽業君。”
そう心の中で呟いて、
私は研究途中だった機械のボタンを押した。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:赤羽業 -akabane karma
小六のときの話。
いつも通り親は海外に居るため、小学生になったころからはずっと鍵っ子だった。
家に誰もいないので、非常時用にスマホも持たされてた。
(明日、25日なのにな………)
明日は12月25日。
クラスメイト達は「クリスマスだ!わーい!」と喜んでいるが、俺は違う。
どうせ、クリスマスでも親は帰って来ない。 プレゼントも、 誕生日を祝う言葉すら貰えない。
俺が中三のときにすっかり歪んでいたのも、親が放任主義なせいだろう。
そう考えれば、ちょっとぐらいグレてもしょうがないと思う。
『………いってきます。』
独りきりの生活にはもう慣れたけれど、ときどき寂しくなったり、人恋しく思ってしまうことがある。
どんな超人だって、友達と話したり、遊んだりしても拭いきれないさみしさはある。
‥”家族”か、それと同じくらい大切なひと。
(俺には、そんな人居ないけど。)
他人の前ではいつも笑顔をつくる。
“都合の良い”、”扱いやすい”人間を演じる。
昔から演じることは得意だったから、今まで誰にも気付かれたことなんてない。
みーんな、コロッと騙されてくれた。
──────────────
『何か、入ってる…?』
玄関の鍵を閉め、いざ登校!
…としたとき、玄関ポストに封筒が入っていることに気付いた。
『”このひとに見覚えはありますか。”…?』
封筒から便箋を取り出し、開く。
「…っ、ぇ~…?何これ…… 」
開いて目についたのは、一列目のこの言葉だった。
‥そして、何よりも衝撃的だったのは。
黄色いタコ形の生き物?を描いたメモ用紙。
適当に描いたように見えるが、消しゴムで何度も消した跡がある。
送り主は悪戯で送ったワケじゃない。
一瞬で、そう気付いた。
『‥あ、続きがある……』
セロハンテープで貼り付けられただけのメモ用紙は、俺のような小学生の力でも剥がすことができた。
ペリッ、と音を立てて剥がれたメモ用紙を下に書かれていた文字は、随分と雑に‥まるで殴り書きのような文字だった。
“この絵に描かれた生き物の名前が分かりますか?
もし分かるなら、このアドレスにメッセージを送ってください。”
やっぱりイタズラか。
そう思って、その便箋を玄関ポストへ戻した。
学校が終わって、また帰ってきたときに読もう。
(イタズラだとしても、売られたケンカは買いたいし。)
この頃には既に少しグレていたので、ケンカはまぁまぁ強かった。
大の大人に勝てるつもりは無いが、ちょっと会って煽り散らかすくらいはしてみよう。
そう思い、メモ用紙をまた便箋に貼り直した。
元々丁寧に貼られていたのとは違い、適当に、ベタッと貼った。
便箋を封筒に入れる。
少し大きめの封筒だったので、便箋を折らずに入れても余白はあるだろう。
折り目が雑に付いた便箋と封筒を玄関ポスト
に戻し、念のためにロックを掛けた。
玄関ポストのロックの癖に、何故か10桁もあるのだから、打ち込むのが少し…いや、結構、物凄く、大分…面倒である。
(何のためにあるんだか………)
そう改めて呆れながら、真っ白の雪が降り続ける道を歩いて行った。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
学校から帰ってきて、玄関ポストを開けた。ロックを解除するため、またまた長いパスワードを打ち込む。
(めんどくせー……)
教室中がクリスマスの話題で持ち越しだったため、とても居心地が悪かった。
(こちとら親来ねーんだぜ?サンタとかありえねーだろ…)
我ながらグレまくっている。
ーカタカタッ……(打鍵音
カタンッ。(Enterキー
メッセージを打ち込む。
自分的に綺麗な言葉を使って、落ち着いた雰囲気を印象付けさせる。
ま、単なる猫被りなんだけどね‥笑
“簡潔に言いますけど、答えは「いいえ」です。
話変えるけど、あんた何が目的なの?
俺、今小学生なんだけど?
有益な情報なんて何も持ってないよー。”
そう打ち込んで、メッセージを送信しようとした。
ーカチッ。
時計の針の音が部屋に響く。
壁に掛けられた外国チックなそれへ視線を移すと、時針が12のすぐ側まで来ていた。
分針は59分を指している。
(もう12時か………)
秒針がゆっくりと、カチカチと音を鳴らしながら回ってゆく。
ぼーっとしながら、動き続ける秒針をじーっと見つめる。
ーカチッ。
……秒針が、分針が、時針が。
12の数字を過ぎて、回り続ける。
何故か、目線がそれらに釘付けになる。
ーカタンッ。
リビングテーブルに置いていた写真立てが、カタンと小さく音を立てて倒れた。
『い”、ッ…?! 』
ズキン、と痛みが走る。
脳みその中を、存在しない記憶が走ってゆく。
『ころ、せんせー…(ぽろっ、』
目の縁が熱くなって、手のひらにあたたかいしずくが落ちてくる。
あ、
俺、今泣いてるんだ。
──────────────
寂しかった。
親がずっと家に帰って来なくて、自分が捨てられたのかもしれないと不安になった。
ただただそれが怖くて、嫌で、どうしても認めたくなくて。
いつからか、親からのメッセージが来なくなった。
……もう、両親とは5年間音信不通になっていた。
旅先で事故が起こった?
違う。
それなら俺にも連絡が来るはずだ。
訳あって電波の届かない場所に居る?
それも違う。
一時的ならあり得るけど、5年間もそんな場所に居るワケない。
仕事をしていなかったら、 俺が今この家に住めているワケがない。
…ありえない。
どんなケースを予想しても、何年考え続けても、答えは出て来ない。
………いや、違う。
答えが出て来なかったんじゃない。
“それしかありえない”という答えを認めたくなかったんだ。
どんな手を使っても、膨大な時間を使っても。 認めたくなかったんだ。
両親が、俺を捨てたことを。
──────────────
side:雪村あぐり -yukimura aguri
『……ふふっ。』
目が覚めて、起き上がる。
そのあとすぐに、 自分が寝ていた部屋を見て、こう思った。
“良かった、成功してる。”
… 私が使ったのは、”タイムマシーン”。
──その名の通り、時空間の移動を可能にする超ハイテクノロジーな機械だった。
──────────────
(まだ制作途中だったから心配だったけれど…あの人、実力だけは確かだものね。
心配する必要は無かったみたい。)
“あの人”。
誰でもわかる通り、私の婚約者である「柳沢誇太郎」。
あの人の人柄には信頼も信用もしていないけれど、その実力だけは信じられる。
(おかしい話よね。”実力だけ”なんて…)
「……どうして笑っているんですか?」
“‥分かってるくせに。”
そう言おうとしたけれど、すぐに辞めた。
『貴方は気にしないで良いこと、かしらね。(にこっ』
「………?(困惑」
死神。
そう呼ばれたこの人は、世界で一番優しくて、強い… 私の大事な人。
『”死神”さん。』
『貴方に、名前を付けても良いですか?』
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
Act.1
『はじまりの時間』 終了
次回もお楽しみに。
-作者より-
柳沢を出したくなかったです。
Thank you for reading!