「大好き」
いつでもどこでも。彼は俺に愛情をくれる
「Ring、今度パフェでも食べに行かない?」
「ごめん、その日は別のやつと予定があって」
「……わかった」
少し寂しそうな顔をしたあと、彼はまた笑った
「えっと、じゃあこの日とかは……」
「ごめん…今月は無理そう」
「あ、わかった…ごめんね」
Spawn以外の友人が増えてからは、彼と過ごす時間が少なくなってしまった。
(まあ今までずっと一緒にいたし別にいいよな)
Spawnもそこまで気にしていないはず、
彼にも友人はいるだろうし。
「なんで……」
切った腕から垂れる血液でベッドが汚れる。
「僕以外との思い出なんかいらないよ…Ring……」
Ringは僕の、僕だけの親友なのに。
他のやつに盗られてしまっている。許せない許せない許せない許せない。
「僕が辛い思いしてたら、戻ってきてくれるのかな…?」
カッターを握って腕を思いっきり切りつける。
メッセージアプリを開いてRingに「今すぐ会いに来て」と送った。
「会いに来てくれるよね、Ring……」
血で真っ赤に染まったシーツから、血腥い香りが広がっていた。
「Spawnから?」
お手洗いを済ませて戻ってくると、友人からメッセージが届いていることを教えられた。
「『今すぐ会いに来て』…?何があったんだ、?」
友人に帰ることを伝えて、俺は急いでSpawnの家に向かった。
⋯
「Spawn?」
ドアをノックすると、少し間を置いてからゆっくりと開いた。
「Ring……」
「…………」
絶句した。激しい切り傷と真っ赤に染まったベッド…
「何があったんだよ…なぁ…」
強盗に入られた?分からない…
「Ringが…」
「?…」
彼は俯きながら呟いた
「Ringが僕以外と遊ぶから……」
「…どういうこと?」
「だって……Ringは僕だけの親友なのに、他のやつに盗られちゃったもん 僕がいちばんRingのこと好きなのに…」
涙を拭いながら話し続けるSpawnにもう言葉が出なかった。
「だから…だからこうやって痛いことしたら心配してくれるかなって 戻ってきてくれるかなって……」
おかしい
「…お前頭おかしいんじゃないの」
低く冷たい声 Spawnに初めて言った言葉
「え、?」
「頭おかしいよ 気持ち悪いよ 何がしたいの?もう怖い…そんなやつだったのかよ……」
ただ辛かった
Spawnがまた昔と同じように病んでしまったことが
(全部俺のせい?)
俺が生まれて来なければSpawnはこんなことにならなかった?
「死にたい……」
すごく小さな声だった。自分でも分からないぐらいに。
でも彼は聞こえていたようで
「ごめんなさい…死なないで…Ringがいないと僕……」
「……もういいから」
近づけられた手を振り払ってSpawnの家を出る。
「待って……!」
「……」
彼は俺の手首を掴む もうやめて欲しい
(気持ち悪い)
「ごめんなさい、嫌な思いしたなら謝るよ… 僕はただRingが盗られるのが怖くて……」
「やめろ」
「やだ…違うの 僕は__」
「やめろって言ってんだろ!!!!」
突き飛ばすとすぐに倒れて、驚いた様子で俺を見上げる
「……じゃあもういい」
「……?おいちょっと何して……」
カッターを取り出したSpawnは俺の腹に向かって突き刺した。
腹部に激痛を感じて尻もちをつく。
「は……、ぁ?」
「死にたいんだよね、一緒に死のうね」
狂気的な笑顔でそう言う彼に恐怖を感じる。
「い……たい……っ痛い……ぃ」
「Ring好きだよずっと好き」
何度も刺される腹部
彼の明るい声
「早く死んで……一緒に死んで……」
身体が熱い
「早く僕だけのものになって……」
彼の手が震える
「ん……好き」
カッターを離すと彼は俺の頬にキスをした
「死んじゃった?」
何を言わない俺に、Spawnはそう呼びかける。
「今から行くからね、Ring」
そう言ってSpawnは自分の首を切った。
俺の横で倒れて息を引き取った彼をぼーっと見つめる。
どうしてこんなことになってしまったのだろう
そんなことを考えても既に手遅れで。
冷たく遠のく意識の中、俺は呼吸を止めた。
コメント
9件
じゃあ、一緒に死ぬからねー😉
私も死にます
あんみゃあああああああああああ!!!!!????!! すき!!!!!!!いいいいいいいいいあいい 私も、私も‥一緒に死にます!!!!!!!! てか!!!!!このゲームの小説いっぱいかいてくれて 嬉しぃ!!!!!感謝!!!圧倒的感謝!!!!!!!