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鐘の音が鳴り響くと、真っ暗だった神社の路地が明るく照らされる
神社には賑やかな話し声と陽気な楽器演奏音が広がる
「 ほら!こっちこっちー! 」
「 待ってよー! 」
神社の人混みに埋もれていくわたしの腕を引っ張るきみ
屋台に並ぶ人や演奏者を見に来る人など、いつもは静かな神社が活気で溢れる
「 わあ!綺麗! 」
「 ね!綺麗だね! 」
神社の目の前で舞う巫女に目を惹かれるわたしの手を優しく握る
巫女は凛と美しく月の光に照らされ舞い続けた
「 ぼく、あっちも行きたい! 」
「 わたしも行きたい! 」
屋台からはジュージューと焼く音やお金のジャラジャラという音、
話し声すらかき消されてしまいそうな祭りの音がわたしときみの耳を貫く
甘い匂いや提灯の光が祭りを彷彿とさせる
「 花火!花火! 」
「 特等席だね! 」
祭りの光も匂いも届かない神社の裏階段にわたしときみは座り込む
微かに聞こえる祭りの音と木々の間から差し込む月の光がわたしたちを包み込む
*
「 主人!見てみて!お祭りのポスターだよ! 」
「 お祭りだ!ぼく、行ったことあるよ! 」
微笑みながらポスターをじっと見つめる
「 ねー! 」
「 …どうしたの? 」
「 お祭り、行こ? 」
「 え… 」
キミはワタシにポスターを見せながら体を弾ませている
「 け、けど… 」
「 ほら!もしかしたら、ぼくの記憶も戻るかもしれない! 」
“…それを言われちゃったら、……”
「 …うん、良いよ。行こ 」
「 良いの!?やったあ!お祭り!お祭り〜! 」
“あの日の……”
「 あれ?けど、キミくんはここから出られないんじゃなかった? 」
「 …ん?そうだっけ? 」
「 じゃあ、祭り行けねぇじゃんw 」
「 ま、待ってよ!そこは気合いでどうにかするから! 」
「 気合いで出れるものなの〜? 」
「 無理だろw無理無理 」
「 無理じゃないー! 」
“きみと見た花火は…”
「 … 」
「 ! 」
「 浴衣姿を楽しみにしてるね! 」
「 っ…! 」
*
_あ、ごめんごめん!聞いてるよ?
_…本当は、見惚れちゃってたw
_浴衣姿、とっても綺麗だね!
“綺麗だった”
→ 下次继续。