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「まーたゴミ投げて!ちゃんと捨てに行きなよ!」
「ご、ごめんって、でもちゃんと入ってるじゃん」
お姉さんとは、よくこんな会話をしたものだ。
家にいるのが嫌だった。だからいつも親戚のお姉さんの家に入り浸ってた。
ゴミをゴミ箱に投げ入れないだけで褒められるものだから、いつしか投げるのをやめていた。
「私ね、結婚するんだ」
「え?」
「前に話したと思うけど、ほら私、バツイチでしょ?」
「あの人とは1年で別れちゃったけど…20代のうちには再婚したいなって思ってたから。」
「…そうなんだ」
「それで、うちでそのまま生活するんだけど、」
「結婚しても気軽に来て欲しいからさ、はいこれ!」
「…鍵?」
「うん、家の鍵。」
「…ははっ、ありがとう。これからも入り浸るわ」
「えー?」
こんなの、
いらない…
こんなの貰っても、もう、私とお姉さんが2人でいられる時間は戻ってこない。
むしゃくしゃして、公園のゴミ箱に鍵を投げ入れた。