ut×syp
「大先生、起きてください、」
もうすぐ閉店の時間が訪れる。そろそろ外に出ようと、酒をがぶ飲みして今にもぐっすり寝とる大先生を起こそうと肩を揺らしてあげた。
「んぁ、しょっぴぃ〜、泣」
「何泣いてるんすか、」
「やって、元カノが夢に出てきてん、」
「もう無理やぁ殺されるでぼく、、泣」
「はいはい、会計するで」
大先生は、酒を飲むと大抵泣いてる。結構浮気でやらかした事とか別れた事ですぐ気にして動物の鳴き声みたいに泣く。ほんまにうるさいわコイツ。って内心思ってんけど、なんやかんや相談してくれて嬉しい。別にちーのとか他の奴でもええんに。
「後で、金返してくださいね?」
「分かっとるぅ……」
会計を済まし、店を出た。風が少し吹いて、少し肌寒く感じてくる。この後、大先生の家までついて行かなあかんけど、
「きょー、しょっぴの家に泊まらせてくれへん、、?」
「なんでワイの家なん、無理やで」
「もしかしたら元カノが来るかもしれへんやん~、泣」
大先生はがっしりと俺の腕を掴む。何回も拒否したが、仕方なくワイの家で大先生を泊まらせることになった。はぁ、執拗い。
「すぅ……すぅ……」
家に着き中へ入った瞬間、担いでた重さががくんと一気に重くなる。なんでやろ、と横目でちらっと見てみたら、大先生は深い眠りについていたようやった。俺は少し苛立つ。だけど、ちゃんとリビングまでこの屑を持っていき、ソファに下ろした。離した途端とっても肩コリが無くなったように開放感を感じる。
「大先生もっと痩せられへんの」
「すぅ……すぅ……」
「……はぁ、」
爆睡しとるやつに言うても、どうせ聴こえへんねやろな。気になった女にナンパしたり、浮気をしたり、離婚調停にも失敗して、ほんまにあんたは屑。なのに、
「なんでワイは好きになってもうたんやろ…」
「あんたに…」
顔を顰めて真下に向ける。大先生の服を少し強めに掴んで。忘れたいのに、忘れられない。
「大先生、責任とって下さい。」
静かにキスを落とし、シャワーを浴びていこうとその場から離れた。
「………………なん、は、?」
︎ ︎
コメント
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あ は 、 笑 ( ? )