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omr side
大学卒業間近に僕はバンドを4人で組んだ。
本気でバンド活動で稼ぎたくて
元々小さい頃の夢だったのもあるし
早速、練習の為にライブハウスへ行く。
藤澤「 あ、元貴ー! 」
「 涼ちゃん!早いね、笑 」
藤澤「 だってバイトしかしてないから暇だよ笑 」
僕は涼ちゃんと一緒にライブハウスへ入る。
今日は、初めてネットにあげた
“StaRt”という曲がどれだけ再生されてるか、
というのを見るのと同時に練習もする日。
Staff「 大森さん。これ…。 」
スタッフに見せつけられた動画の再生数は良かった。
だが、コメント欄を見ると
『 歌上手いし楽器も上手いけど…。 』
『 なんか違う!好きなんだけど、 』
肯定と否定が混ざった感想が多く
特に1番コメントでいいねが付いていた言葉は
『 ギター違う。もっとかっこいいのがいい 』
僕らのバンドにはギターはいない。
だから僕が弾いてるんだけど、あまり上手ではない。
普通って感じでかっこよくはないみたいで。
「 …どうしよう。」
Staff「 このままだと、ギターが悪いって、」
藤澤「 …あのさ、若井の音源ない? 」
突然、涼ちゃんがそう言った。
「 は、?…なんで、 」
藤澤「 若井はギターが人一倍上手だし…。」
たしかにそれは肯定する。
一緒に弾いてる時間も楽しかった。
若井のギターを聴くと安心していたし…。
「 …探せば、…ある、」
藤澤「 試しにそれでアップしてみて 」
僕は涼ちゃんの言う通りにする事にした。
夕方頃、みんなと解散して家にもどる。
家の中で若井に試しで弾いて貰った“StaRt”の
ギター音源を探す。
「 …これだっ、」
棚を漁りに漁って見つけた。
若井とはもう連絡も取ってないぐらいなのに
このギター音源すら捨てれないなんて
僕は本当に心の底から好きなんだと
自分でも呆れるほどに思ってしまう。
その音源を入れて再び動画をアップしてみた。
数週間後
藤澤から連絡があった。
『 やばい!!動画見て!! 』
朝から大学があるからぱっと見ようと思い
スマホの画面を開いて動画を見る。
以前よりも再生数もだいぶ上がっていて
コメント欄も褒め言葉でいっぱいだった。
『 え、ギターかっこいい! 』
『 ギタリストですか?知りたいです! 』
『 ライブ行ってみたいー! 』
僕は2つの気持ちが重なる。
1つは嬉しい。みんなが僕らのバンドを少しでも
知ってくれていることについて
デビューの第1歩だと思った。
けど、もう1つは僕の力じゃ無理だった。
結局、今も僕には若井の力が必要で
このバンドに今一番欲しい人材だった。
3年後
僕らのバンドは無期限の活動休止をした。
wki side
東京の大学に行っていたけど
美容師という仕事につきたかった俺は
地方の大学に行き、資格を取った。
すぐに東京に戻ってきて散髪屋で働いている。
お客さん「 若井さんは彼女とかいないの? 」
「 まぁ、出会いないからねー笑 」
と言ってみたけど。
まだ心では元貴を諦めてないんだろうなと
自分では思っている。
今、元貴はどこで何をしてるのかな、とか
凄い知りたいと思うし。
会いたいって話したいって思う。
別れたのになんでだろ、わかんないや。
お客さん「 大学の時はいた? 」
「 大学はいたよ笑 3人ぐらい…? 」
お客さん「 え、意外といない!? 」
「 失礼だな!!笑 」
実際、東京の大学では元貴だけ。
地方の大学で元貴を忘れたくて彼女を作ったけど
俺には合わなかった。
だから今も彼女を作れず…。
早く恋人を作って忘れたいとか思ってんのに。
店長「 今日もありがとうね。夜遅くまで 」
「 全然大丈夫っす笑 お疲れ様です 」
今日も最後まで仕事居残り。
楽しいから全然いいんだけども
明日は久しぶりの休みでゆっくり出来るから
近くのコンビニへと向かう。
何買おうかな…。久しぶりに酒とかでも?
そう考えながら歩いていた。
??「 若井…? 」
俺は立ち止まった。
聞いたことある。いや、聞き覚えしかない。
俺が会いたくてたまらなかった人だ。
いや、…本当に…?わからない。
俺は恐る恐る後ろを振り返る。
大森「 やっぱり若井だ!久しぶり 」
真っ暗な夜にもかかわらず、
彼の笑顔は一段と眩しかった。
会いたくてたまらない人に会えた俺は
「 …なんで、ここにいんの、… 」
そう聞くことしか出来なかった。
コメント
1件
この作品すごい好きです!