あたし__おどろくの朝ごはんは軽い。すぐに食べれるけど、またすぐに無くなっちゃう。
だから、毎日捕りに行ってる。
人間を。
反抗されたら面倒だから、いつも寝込みを襲って殺している。
人間というモノは、偉そうに人をぶったり殺しているくせに、自分が殺される時は呆気ない。
あたしにとって一番入手しやすく、一番上手い食べ物だ。
「今日の獲物はなににしようかな~」
__あたしは、普通の人間じゃない。
〝人外〟だ。
人外というモノは、一見すると区別のつかないモノが多い。あたしもその一人だ。
しかし、人外は必ずどこかで、ボロが出る。だって、人間のフリをしているだけの人外だから。
あたしの場合は、狼と人間のハーフだから「丸いモノ」を見るとボロが出る。尻尾と耳が生えて、狼のような牙に瞳。
__昔、それで人間たちに、大切な人を奪われた。
人外は、必ずしも人間を食べなくてはいけないわけではない。普通の野菜やら、肉も食べれる。けど、あたしはわざわざ、人間を選んでいる。
相手も奪ってきたんだから、あたしが殺しちゃいけない理由なんてないから。
「昨日は大太りの男食べたからな~。今日はひょろい農家でもいっか」
あたしはそう考え、畑のある方向へ歩いて行った。
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