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てんさい
捏造、軍パロ等があります。
大丈夫だという方のみお進みください。
穏やかな日が世界を照らす午後二時に、それは始まる。
心地良いハーブティーの香りに包まれながら、私は目の前の男を見つめていた。
カップをつまみ上げて口に運ぶ、彼のその洗練された上品な仕草に、私は見蕩れているのだ。
目を動かすだけでも美しい彼は、やがて私の食い入るような目線に気づいたのか、
ゆっくりと顔を上げる。
「どうしためぅ」
不思議そうにこちらを見る彼は、やっぱり美しい。
「俺の顔に何かついてるめぅ?」
そう言って自分の顔を触り始める彼をみて、私は
(好きだなぁ)
なんて、思ってしまう。叶うことなんて夢のまた夢なのに。
「何でもないよ、気にしないで」
彼は手を止めて、花が咲くようにふんわりと笑った。
綺麗。
私はその顔が好きだ。その幸せそうに笑う顔が。とても、とても。
もっと笑ってほしい。
そう思いながらハーブティーを口に入れる。
爽やかなハーブの香りは、私をリラックスさせるのに十分な心地よさだった。
日々の疲れが溶けていくようなこの時間。
彼の美しさを間近で感じられるこの時間。
私は、この時間が私の一番の幸せだと思った。
「幸せだなぁ」
そう口に出してしまうほどには幸せなのだ。
またハーブティーに口をつける。視界に驚いた顔の彼が映った。
彼は少し驚いて、それから、またふんわりと笑った。
「俺も君みたいな友人と話せて幸せめぅ」
彼は幸せを噛みしめるような顔をして言った。嬉しそうに、彼は
「この時間がずっと続けばいいのに」なんて、残酷なことを言うのだ。
友達。
私の想いを伝えたら、この関係はきっと終わってしまうのだろう。
終わってしまうより、この幸せが壊れるぐらいなら、私はこの気持ち隠すことだって苦ではない。
「私も、オスマンみたいな友達といれて嬉しい」と
嘘をつくのだ。