テラーノベル
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こんばんは!
今回はオリジナルキャラクターで書いた物語です。お読みください!
題名は……
『僕の才能』
僕には……才能があるらしい。
……なんの才能かって?
まだ、わからない。
だって、誰かが言っていたんだ。
「人には必ず一つ、才能がある」って。
だから僕は、ゆっくりと探している。
自分だけの才能を。
けれど、才能探しには一つ、欠点がある。
それは、自分の才能を見つけて、それを発揮できるようになったとき。
いつの間にか、それが当たり前になってしまうこと。
自分がどれほどすごいことをしているのか、実感できなくなってしまうこと。
……僕は、それがどうしても怖かった。
せっかく見つけた才能なのに、自分ではその価値に気づけなくなってしまうなんて。
だから僕は、まだ何も試せずにいる。
今日も、心地のいい晴天だった。
けれど、天気予報によれば、午後からは曇りらしい。
まるで、自分のことみたいだ。
今はこんなに晴れやかな空なのに、いつか曇ってしまう。
……そんなことを考えながら、僕は歩いていた。
今日も結局、いつもと同じ一日を過ごすのだろう。
そう、いつも通りの。
何も変わらない一日を。
通学路を歩いていると、ふと、一人の女の子が目に入った。
河川敷に座って、ぼんやりと川を眺めている。
楽しそうな様子ではなかった。
かといって、泣いているわけでもない。
ただ、そこに座っていた。
……なぜだろう。
気づけば、僕は彼女に近づいていた。
「……ねえ、どうしたの?」
「……えっ?」
彼女は驚いたように顔を上げた。
一瞬だけ、嬉しそうな表情を浮かべた気がした。
けれど、それもすぐに消えてしまう。
「……何か、悩み事?」
「…………」
返事はなかった。
初対面の人間に、いきなりこんなことを聞かれても困るよな。
そう思った僕は、慌てて言った。
「ごめんね。急に変なこと聞いて」
そうして、その場を離れようとした。
すると彼女は立ち上がり、僕とは反対の方向へ歩いていってしまった。
……何をしているんだろう、僕は。
結局、何もできなかった。
そんなことを思いながら、僕も家へと帰った。
翌日。
僕はなぜか、河川敷に寄りたくなった。
理由なんてない。
ただ、昨日の女の子のことが、少しだけ気になっていた。
ふらふらと歩いていく。
川のせせらぎが聞こえる。
風が頬を撫でる。
こうしていると、不思議と心が落ち着いた。
やがて河川敷に着いたけれど、昨日の女の子の姿はなかった。
……そりゃ、そうか。
毎日ここにいるわけでもないだろう。
そう思って帰ろうとした、そのとき。
「……何がしたいんですか?」
背後から声がした。
振り返ると、そこには昨日の女の子が立っていた。
「……あ」
名前も知らない、昨日のあの子。
彼女は少し警戒するように、僕を見つめていた。
「あ、ごめん。僕も、なんだかここに来たくなっちゃって」
そう答えると、彼女は少しだけ表情を和らげた。
「……あなたも、何か悩んでるの?」
「え?」
思いがけない質問に、僕は目を瞬かせた。
それから、少し考えて答えた。
「うーん……大したことじゃないんだけどね」
「……何?」
「僕、才能が欲しいんだ」
彼女は不思議そうに首を傾げた。
「才能?」
「うん。自分にしかできないこととか、自分だからこそできることとか。そういうものが欲しいんだ」
少しだけ、空を見上げる。
「でも、見つけたら見つけたで、それが当たり前になっちゃうかもしれないだろ?」
「……なにそれ。意味わかんない」
思わず、僕は笑ってしまった。
「だよね」
自分でも、変なことを言っていると思う。
けれど、彼女はそれ以上、何も言わなかった。
代わりに、ぽつりと呟いた。
「……私の悩み、聞いてくれる?」
「……うん。もちろん」
彼女は少しだけ迷ったあと、ゆっくりと口を開いた。
「……私、お母さんを亡くしたの」
「……え?」
思わず、息を呑んだ。
「病気で……。それで、お父さんに言われたの。もしかしたら、免疫の関係で、私も将来、同じような病気になる可能性があるかもしれないって」
彼女の声が、少しずつ震えていく。
「……怖いの」
ぎゅっと、彼女は自分の服を握った。
「お母さんみたいに、私もいつか死んじゃうのかなって。これから先、どんなに頑張っても、幸せになれないんじゃないかって……」
彼女はずっと、一人で抱え込んでいたのだろう。
誰にも言えなかった不安を。
誰にも見せられなかった弱さを。
そして今、そのすべてを僕に話してくれている。
僕は、何を言えばいいのかわからなかった。
どんな言葉をかければ、彼女の不安を取り除けるのだろう。
……わからない。
けれど。
「……でもさ」
気づけば、僕は口を開いていた。
「君が幸せな人生を送れるなら、それでいいんじゃないかな」
彼女が顔を上げた。
「……え?」
「将来、何が起こるかなんて、僕にもわからない。君が不安に思っていることが、絶対に起こらないとも言えない」
一度、言葉を切る。
「でもさ。まだ起きていない未来のせいで、今から幸せになることまで諦めなくていいんじゃない?」
彼女は何も言わなかった。
「君がこれから、どんな人と出会って、どんな景色を見て、どんなことで笑うのか。僕にはわからないけど……」
少しだけ、笑ってみせる。
「きっと、君にもまだ知らない幸せが、たくさん待ってると思うよ」
沈黙が落ちた。
……違っただろうか。
余計なことを言ってしまったかもしれない。
僕が不安を取り除いてあげられるなんて、思い上がりだったのだろうか。
そう考えた、そのとき。
彼女の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。
「えっ……!? ご、ごめん! 僕、何か変なこと……」
慌てて謝ろうとした。
けれど、彼女は首を横に振った。
「……っ、幸せな人生なんて……送れるのかな」
震える声だった。
僕は少し考えてから、答えた。
「送れるよ」
彼女が、ゆっくりと顔を上げる。
「……僕が保証する」
本当は、未来のことなんてわからない。
彼女がこれからどんな人生を歩むのか、僕には何も保証できない。
それでも。
「もし、また不安になったら……ここにおいでよ」
僕は河川敷を見渡した。
昨日も、今日も、僕たちがここで話した場所。
「また悩み事、聞いてあげるから。僕でよければ、いつでも話してよ」
彼女は驚いたように目を見開いた。
「……いいの?」
「うん。待ってるから」
そう答えると、彼女は俯いた。
しばらくして。
「……ありがとう」
小さな声が聞こえた。
そして、彼女は顔を上げた。
まだ涙は浮かんでいたけれど。
その表情は、さっきまでとは違っていた。
彼女は、ふわりと微笑んだ。
「あなたは……人を元気づける才能を持ってるんだね」
……え? 才能…、?
その言葉に、僕は目を瞬かせた。
「……僕が?」
「うん」
彼女は頷いた。
「あなたと話してたら、少しだけ前を向ける気がしたから」
そう言って、彼女はもう一度笑った。
泣きながら、それでも嬉しそうに。
……知らなかった。
こんな才能が、自分にあったなんて。
僕はずっと、何か特別なものを探していた。
誰にも負けない、すごい何か。
自分にしかできない、特別な何か。
けれど。
もしかしたら、才能って。
自分では気づかないうちに、誰かのためになっているものなのかもしれない。
誰かの心を、ほんの少しでも軽くできること。
誰かの笑顔を、取り戻すきっかけになれること。
それも、立派な才能なのかもしれない。
僕は空を見上げた。
いつの間にか、雲の隙間から光が差し込んでいた。
……もしかしたら。
僕は、人を笑顔にしたいのかもしれない。
誰かの力になりたいのかもしれない。
そんな自分の気持ちに、初めて気がついた。
どうでしたでしょうか!
沢山コメント等くれると嬉しいです…!
また、こういう話いつか作りたいな…🤔
またなにか思いついたら作ろうかな。
ってことで、次回のオリジナル小説をお楽しみに!
またねー!
コメント
3件
# みぅ🤍🥀 からの感想 彩さん、初めまして。読ませてもらいました……。 「才能」って、なんかすごい特別なものだと思ってたけど、この話を読んで、誰かを元気づけることや、そばにいること自体が立派な才能なんだなって思いました。主人公が女の子に向けた「僕が保証する」という言葉、すごく温かくて、心にグッときました……。 自分のことを知らないうちに、誰かの力になってるって、素敵すぎますね。最後の雲の隙間から光が差し込む描写も、すごく好きです🌙 彩さんの描く優しい世界、もっと読みたいです。次回も楽しみにしてますね🥀🤍
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#『西阿より。〜王権の終焉。』
#グロテスク表現あり
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