TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
アウトサイド

一覧ページ

「アウトサイド」のメインビジュアル

アウトサイド

3 - 第3話 出会い

♥

7

2024年12月01日

シェアするシェアする
報告する

ユズとリクは目を覚ました。

夜の寒さから少し解放され、体が暖まっていることに安堵した。


「おはよう、リク。よく眠れた?」


「うん」


二人はおばさんが持たせてくれたパンを食べた。

いつも食べているパン。

いつもと違う場所。

同じ味、同じ硬さ。それでもとても新鮮に感じた。

少し大人になった気分だった。


パンを食べ終わると、すぐに旅を続ける準備を始めた。



小屋を出ると、森の中の静寂が二人を包んだ。灰色の雪は降り続け、辺り一面は幻想的な光景に包まれている。


「今日は森を抜けられるといいね。」

「うん」




森の奥深くへと進むと、道が次第に険しくなり、木々の間を縫うように歩くのが難しくなってきた。枝が道を塞ぎ、雪が積もった場所では足を取られることもあった。それでも二人は決して諦めず、互いに支え合いながら前へ進んだ。


「少し休もっか」


「そうだね」


2人は大きな木の幹に腰を下ろし、息を整えた。


火を焚き、温まる準備をしていると、微かな音が聞こえてきた。

ユズとリクは耳を澄ませてその音を聞き取ろうとした。


「誰かが近づいてくるみたいだ」

ユズは警戒心を抱きながら言った。



しばらくして、一人の老人が木々の向こうから現れた。長い白髪と髭を持ち、古びたコートをまとったその老人は、杖をつきながらまっすぐこちらに歩いてきた。


「こんにちは。ここで何をしているのかね?」


老人は優しい笑顔を浮かべながら二人に近づいてきた。


「こんにちは。私たちは外を目指して旅をしているんです」



老人は興味深そうに二人を見つめ、

そして微笑んだ。


「外の世界、、か。若い者たちは冒険心に満ちているな。なにが目的じゃ?」

「知りたい」


まっすぐなユズの目。

老人は少し考え、口にした。


「旅は過程が大事じゃ。目的を達成したときにそれが自分の描く理想でなくとも、それには意味がある。わしはここから北、【リナリア】という街から来たんじゃ。まだ行く当てがないのでありゃぁ、寄ってみるといい。すぐそこじゃよ。」

そう言って杖を指した。


「わかった。ありがとう」


老人はまた微笑み、私たちが来た方向へとゆっくり歩いて行った。


私たちもまた、まっすぐと 言われた方向に歩き始めた。

森を抜けた。雲間から降る微かな日差しがとても眩しく感じる。


遠くに大きな街が見えた。

遠くからでも分かる大きな建物が立ち並び、2人は目を見張った。


「リク、見て!」

ユズは感嘆の声を上げた。


「すごいね」


冒険を初め、初めての街。




ユズは疲れを忘れたように走り出し、

リクも引っ張られるように走り出した。


この作品はいかがでしたか?

7

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚