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「あの、不破さんありがとうございました。助けていただいて…。」

俺は不破さんを家に招いていた。この人は何者なのだろう。人間ではないとは分かっていながらも、幽霊でも何ような気がして、気を使ってしまう。

「そんなの全然ええよぉ。怪我がなくて良かった。あとそんな気使わないで。不破さんって固すぎない?」

「え、じゃあ…ふわっちとか…?」

「お、ええやん。あと敬語も禁止な〜。」

綺麗な笑顔を俺に向けてくる。かっこいい…。

「ふ、ふわっちって何者?」

「んーざっくり言えば天使?」

笑いながらそう言うふわっち。だから翼が生えていたのか。

「びっくりしないの?天使は見慣れてる感じ?」

「あ、いやそういう訳じゃないけど。なんか納得というか…。」

ふわっちが天使と聞いても何故か驚かなかった。

「にゃはは。そっか〜。」

『 あ、明那から離れろよ! 』

『 そうだそうだ!明那は渡さないんだから!』

怯えながらも反発している霊たち。

「なんでそんな反発的なん?」

『 だってこいつ天使だそ! 』

『 怒らせたらたまったもんじゃない! 』

『 明那を持っていくつもりだよ! 』

「え、どゆこと?」

「天使はね3つの力が与えられてるんだ。1つ目は霊たちを成仏させる力。基本的にはいい霊限定だね。君たちみたいな。」

ギロッと見るふわっちにビクッと幽霊たちは体を震わせる。

「2つ目は悪い霊や人間を倒す力。悪い霊ってのはさっき俺がやった奴のこと。強いやつほど君たち人間には見分けずらくなるね。そしてこの力は人間にも使える。それ以上は教えられない。」

「3つ目は力というか俺達の仕事だね。亡くなった人間の魂をもっていくのが俺たちの仕事だ。その人間の留めを刺すのは俺たちだけど。」

「え?天使が殺すの?」

「人間も減らしていかないと増える一方だから。だけど好きに殺せるわけじゃない。人間は生まれた瞬間から生きれる日数が決まっているから、俺たちはそれに従って殺していくだけ。」

「生まれた瞬間から決まってる、、?」

「あ、明那は大丈夫だよ?まだ長生きできるから安心して?」

目を細めて笑うふわっち。笑っているようで笑っていないようにも見える。

『 俺たち成仏される…… 』

『 ひぃぃ 』

震えてるあいつらを見たあと、ふわっちに頭を下げる。

「あ、あのふわっち!俺を救ってくれたのは嬉しいんだけどこいつらを成仏させるのはやめて欲しいんだ!」

「…ん、いいよぉ。」

「え、いいの?そんな簡単に…。」

俺はポカンとした顔で頭を上げる。

目を細めて笑うふわっち。

「っうわぁ!」

急にバサッとふわっちの背中から翼が現れる。

「ごめんごめんw」

「……これ触ってもいい?」

「いいよぉ。好きなだけ触りなさいな。」

俺はそっと翼に触れる。

「うわぁ意外とやわらかい…。」

「ふっ明那ってほんと色んな表情して面白いなぁ〜。」

ふわっちが俺の頭を撫でてくる。

「え、あり…がと?」

「ね、俺もここ居てもいい?」

「え?」

『 何いってんだ!やっぱり成仏させる気か!』

『 私たちが先にいたのよ。』

『 そうです。貴方がここにいると僕達は成仏させられてしまうかもしれない。』

「……。」

「…そんなことないよ。会ったばかりだけど多分ふわっちは嘘はついてない。だからさ、みんな許して欲しいな。」

何故かは分からないけど初対面のこの天使が嘘をついているとは感じられなかった。天使だからそう感じるのかもしれない。

『 明那がそう言うなら……』

『 仕方ないわね 。』

「…っあは。じゃあ明那よろしくね?」

その瞬間ふわっちが翼を引っ込め、天使の輪も消えた。

「良かったら明那の服貸してくんない?」

「…え、あうん。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「かっこい…。」

俺の服を俺以上に着こなしてくるこの男。不破湊。やっぱイケメンだな。

「ん、ありがと。この服ええなぁ。」

「それにしてもなんで俺の服がいるの?」

さっきの白い服装も似合ってたのに。

「っぱあの服装じゃ目立つしなぁ。」

「目立つ…?」

「ま、とりあえず今日は寝るか。」

ふわっちが俺の手をつかみベッドに向かう。 一応初対面のはずだよな、、?

「さ、一緒寝よ?」

「え、一緒に!?いやいや俺は床で寝るから、ふわっちベッド使って!」

「それ明那がキツイでしょ。」

「…わっ!」

ふわっちに手を捕まれベッドに吸い込まれる。ふわっちは布団をかけると俺に抱きついてくる。

「…え、ええふわ、ふわっち?」

なになになに…。

「やっぱ人間暖かいな。いや明那だからかな?」

さらにふわっちが強く抱きしめる。

「…そう?」

「…うん。あったかい。」

そういうふわっちの体はとても冷たい。改めて人間ではないと思い知る。

「天使も、、寝るんだ、、?」

「……どーやろな。」

「あは、なんだそれ……。」

謎の心地良さに眠気がくる。

「…おやすみ、ふわっち、、。」

「…おやすみ。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

すやすやと眠る明那。

『 明那あの天使のことすっかり気に入っちゃって。フン、私たちも休みましょ。 』

『 まあ落ち着けよ。意外にいい天使だったな。』

『 ね!僕あの天使好きかも!』

『 明那にも優しいしな。 』

『 優しいと言っても天使だ。まだ油断しちゃいけないよ。何かあったら明那は僕達が守らないと……っ!? 』

視線を感じその視線のほうを振り向く。天使があっちへ行けと言わんばかりに睨んでいる。

『 ひぃぃ。』

『 は、早く行かないと成仏される…!』

『 みんな行くよ!』

僕がまた天使のほうを振り向くと天使は明那の頭を撫でながら笑っている。

一晩中そうする気か?人間の姿で居続けるのも辛いはず…。

天使は魂を喰らい寿命を伸ばす。たくさん喰らった奴ほど力は強くなる。

あんなデタラメな説明して…。明那に『危ない』と言って押し倒した時、あれは悪霊に向けて言ったものではない。あいつは明那を狙ってた。

『…しばらくは見張らないと。』


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