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ベランダから漂う煙草の匂い。
ギャング、混血SFDのボスであるラブかが、今日もマンションのベランダで、見慣れた街を見下ろしながら煙を吹かしている。
「煙草ってむせない?」
ラブかの元へ歩きながら、仲間であり家族でもあるうみぐもが声を掛けてきた。
「慣れてるからな、それにしても珍しいなお前、煙草の匂い苦手じゃなかったか?」
いつもは煙の匂いが苦手で、あまり寄ってこない彼を気遣い一旦吸う手を止める。
「苦手だけど………ちょっと、1人は寂しかったから」
少し恥ずかしいのか、彼は目を逸らす。
彼がそんな事を言うのに驚き、ラブかはしばらく黙った。2人の間に沈黙が流れる。
「………うげっ!ゲホッ、急になに?」
ラブかが彼の顔に煙を吹きかける。そしてまた、街を見下ろした。
「べつに…もう中入れよ、今日は寒いからな、お前ただでさえ不健康な体してんだから風邪には気をつけろよ」
「はいはい…」