「天使様!どうかこの子に祈りを!どうかお願いします!」
「…勿論です」
こんな日常が続く
私にとってはこれが当たり前
あの日まではそう思っていた
『夜に外へ出ては行けない』
そういう決まりがあった
子供達には
「夜に外へ出たら悪霊に取り憑かれてしまう」
みたいなことを言って出ないようにしている
ある日、私は夜に外へ出てしまった
何故なのかは分からない
少し遠くに行きたくなった
気付けば、私は村の近くの野原にいた
ふと空を見上げた
沢山の星が光り輝いていた
その時、誰かから声をかけられた
「そこで何してるの?」
私は突然のことに驚いてしまった
『どうしよう、誰かに見られてしまった』
私は少し焦りながら答えた
「空を見ていたの」
そしたらこう返ってきた
「君も?僕もなんだ!」
よく相手を見てみたら
あの村では見たことのない少年だった
私は安心した
『よかった、この村の人じゃなさそう』
「…貴方はどうして空を見に来たの?こんな夜に」
「僕は星が好きなんだ、でも朝や昼じゃ星は見れない、だから時々夜にこっそり見に来るんだ、他の人には内緒だよ?」
「そうなんだ、…貴方はあの村の人?」
「ううん、別の村だよ 少し離れてるけど」
「どうしてここまで来たの?」
「村を抜け出して星を見るにはここは打って付けの場所だったんだ、村に近過ぎると見つかっちゃうし、かといって遠すぎると帰れなくなっちゃうから」
「そう、なんだ」
この辺りに他にも村があったんだ
初めて知った
「…ねえ、君の名前は?」
「…私の、名前?」
「うん、良ければ教えてくれないかな」
「私は…」
どうしよう、もしも村の人にバレたら
…他の村の人なら大丈夫かな
「私はフリスク」
「フリスク!良い名前だね」
「貴方は?」
「僕?僕はね…」
『ーーーーーっていうんだ』
『よろしくね、『フリスク』』
「……」
あの日以来、私は晴れた日の夜は必ずあの野原にいけようになった
そしたら必ず『彼』はいた
まるで私がいるのを知っていたように
私は嬉しかった
私を人間として見てくれたのは彼が初めてだった
私を神の使いだとか天使だとか
そんなのじゃなく
1人の人間として見てくれた
でもある日
彼は来なくなった
コメント
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続きだー!!!楽しみにしてたよ!!めちゃ良き
めちゃくちゃおもろい!
久しぶりの更新きたー!今回もめっちゃ良かったぁ