最終話
御本人様に関係ない
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈kn視点
「……は、?」
殺せ?
おれが?おまえを?
俺の手で?
スマイルを殺すの?
なんで?
なんで殺せって?
意味わかんない。
「意味わかんないんだけどっ、」
sm「……俺は、多分ずっと誰かに殺されたかったんだよ。」
彼は、ゆっくりと、淡々と話す。
sm「死ぬことが美しいと思ってた。多分だけど、だからあの夢を見るようになった。夢を見る度に傷ができて、それがキラキラしてるように見えんだよ。あぁ、俺は死が好きなんだなって……でも、1人で死ぬ事も飽きたというか……慣れたんだ。そこで、きんときが夢に入ってきて……殺されるようになって。そこでわかったよ。俺は殺されたいんだって。……それも、きんときに。」
「……なんで、おれなの?」
sm「……理由なんてないよ笑ただ、殺してくれるのがきんときだった。それだけ。夢で何度も殺されてんだから、本当に死ぬのもきんときがいい。」
彼は夢を語る子供のように、話し続けた。
その姿は、綺麗で、恐怖の象徴にも見えた。
sm「きんときだって、殺すのにも慣れたでしょ?夢で殺すのも現実で殺すのも変わらないよ。ねぇ、お願い?」
“俺を殺して?”
その言葉は、魔法の言葉だった。
叶えてあげたい。そう思えてしまう。
さっきの夢の声も、スマイルだったのかな。あのたくさんの人が。
「……いいよ。スマイル、助けてあげる。俺が、お前の悪夢を終わらせてあげる。」
sm「……悪夢だと思ってるのはお前だけだよ笑」
「ふーん強がってんだ?笑」
優しく、助けを天に求める彼に手を差し出す。
俺が、彼を救済してあげるんだ。
「……んで?どうやって死にたい?簡単なやつね。」
sm「……そりゃぁー、1番最初の夢と同じにしたいよねぇ?」
「……w、ナイフはどこだ?」
sm「取ってこいよ。ベッドで待ってる。」
「……しょうがないなぁ」
ゆっくりとした足取りでナイフを取りに行く。
俺は今日、犯罪者になる。
でも、後悔はしない。
だって、彼を殺せるのだから。
「……ほんとに寝室じゃーん」
sm「…言っただろ?ベッドで待ってるって。」
「綺麗な白いベッドが赤で染まっちゃうね。」
sm「それが美しいんだろ?」
「理解できないや。」
彼はベッドに座っていたのだが、ぼふっ、と寝転ぶ。
もういつでもいいようだ。
「…ねぇスマイル。最後にいい?」
sm「…なに?」
「…スマイルのこと、めっちゃ大切な友達だよ。今までも、これからも。ずっと好きだよ。」
sm「…告白みたいだな」
「ちがうよ。お別れの挨拶。」
sm「……俺は、お前と最後に生きれて良かったよ。」
「……そっか。……じゃあ、さよなら。スマイル。」
sm「……さよなら。きんとき。」
俺は、ゆっくりと彼の腹部にナイフを刺した。
ずぷ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈sm視点
俺の腹部に、ナイフが刺さっていく。
あー、痛いな。
俺、死ぬんだ。
きんときを見ると、うっすらと笑っているのがわかる。
楽しんでくれてんだ。
良かった。
トラウマにならなくて。
血がどんどん流れ、ベッドも赤くなる。
痛い。
苦しい。
息ができない。
やだ。
しにたくない
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈kn視点
「……死んじゃった、」
目の前には、もう冷たくなったスマイル。
死に顔も綺麗だ。
彼は最期まで、自分の欲に包まれ幸せに死ねたのだろうか。
だといいな。
「……はは、あははっ、」
俺、人殺したんだ
しかも友達
スマイルを
すごいなぁ。
嬉しいや。
「……さぁって、自首しないと」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈視点なし
彼、きんときは自首をしたためすぐに捕まった。
被害者を見に行くが、もう手遅れであった。
赤くなったベッド。
風呂場にある赤い足跡。
血を洗った痕跡のあるシンク。
彼は、このようなことは“2度目だ”と言った。
他にも人を殺しているのか?と警察らは考えたのだが、そのようなことは無い。
彼も、殺してるのは彼だけだ。と。
彼は異常に落ち着いていた。
逆に、楽しんでいるように見えた。
彼は逮捕される。彼の友人らも面談にくる。
nk「……なんで、殺したの、?なんでっ、スマイルを、」
kn「……殺したかったから。スマイルを、彼の願いを叶えたんだよ。」
彼は、どんな質問をされても同じ答えをした。
まるでゲームのNPCみたいに。
彼は、毎日牢屋で独り言を言う。
kn「ねぇ、スマイル、今幸せ?夢でまた出てよ。」
彼は死んだ。自分で殺したのだ。
なのに話しかける。
精神がやられてるのだろうか。
しかし、突然一言を放ち、その独り言は無くなった。
kn「……これが、死は救済ってやつかぁ、」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
おわり
御愛読ありがとうございました。
こちらの作品をハッピーエンドと捉えるか、バッドエンドと捉えるか。それは人様々で大丈夫です。
この小説での疑問点、この後のこと、誰のことでもなんでも答えます。
……ちなみに、自殺未遂者は死ぬ直前に“生きたい”、“死にたくない”と本気で思うらしいですよ。
小説の感想貰えると嬉しいです。
では
コメント
7件
投稿お疲れ様でした。死が美しいと思う主人公でストーリーが進んでいくのは見てて面白かったし、とても深かったです。knは人を♡♡♡のを慣れたとはいえ、今までのように夢から覚めたら生き返っているというのはないからこそ罪悪感や空虚感は残る。でも友人の願いを叶えた嬉しさが混ざって少し精神がおかしくなったのかと思いました。自分的にはハッピエンドはないストーリーだと思いました。これからも頑張ってください。
knさんが自首した時のみんなの反応待望
初コメ失礼します。 その、すごい癖です。ずっと見させてもらってたんですが、更新されるたび飛びついてましたw 個人的にはこれはメリバだと感じました。周りから見たらバット、しかし彼らにはハッピーに見えたのでしょうか。 knさんの感情変化がすごく、最初はsmさんを◯すのに恐怖や罪悪感を抱いていましたが、最後には楽しそうにしていて、彼も楽しめていたのかな、と思います。 神作をありがとうございました!!