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※主の作品では、🦊🐒🧸🐇🐑🐶を使います。
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上記を守っての閲覧をお願いします
あいつが俺達の家に来る日は決まって、母さんが夜の仕事を入れている日だった。
母さんが帰ってくる頃には俺の意識は無かったから、その後男がどうしているのかなんて知らない。
そんなのどうでもよかった。母さんがどうなっていようと、当時の俺には自分の事で精一杯で、今までもしかしたらお姉ちゃんも、なんて…。
毎晩毎晩、その時間になるとあいつが居ない日もトイレに篭って内から込み上げてくる胃液を吐き出す日々。
母さん、ばあちゃんじいちゃんとは喧嘩して家出したって言って、頼れないとか言ってたのに、俺はじいちゃん家に預けられる事になった。
そうなる数日前、
俺が学校から帰宅すると、男と、仕事前は完璧に身なりを整える母さんが、髪もぼさぼさで服はよれよれになったまま座っていた。
小さいながらに何かを察知した俺はすぐに押し入れに篭った。そこはいつも俺が過ごす部屋。空気になれる部屋だった。
その日は1日耳を塞いで過ごしたっけ。
次の日、俺の家にばあちゃんが来た。じいちゃんも一緒に。
ばあちゃんは母さんを見て泣いていた。母さんは無表情だったけど。
じいちゃんに手を繋がれ、母さんからはランドセルを持たされた。
俺の頭を撫でる母さんを見て、もうこの人とは会えないんだなと悟った。
去り際、あの男が走ってくるのが見えた。
じいちゃんとばあちゃんに手を引かれ足早に車へ向かい歩く中、耳の良かった俺に最後に聞こえた言葉。
母さんの声なんかじゃない。
気持ち悪い、
俺達家族をばらばらにした男の声。
”ま、いいや、丁度 締まりも悪くなってきてたし”
_______________________
昨日、あんなに震えて固まって身動きが取れなくなっていたのはこのせいか。
チッ…。
会った事も、見た事も、なんなら今日初めて知った奴に対して出た素直な俺の気持ち。
全く、虫唾が走る…。
「ぁー…そんな気にしないでね?」
自分の中じゃ忘れたくても忘れられない、心の奥深い所に根を張られた出来事だろうに、俺たちに気まで使って。
本当は言いたくなかったんじゃねーの。
「あの、…べつに気持ち悪かったら、もう、ココには来な「アホだろお前」………🦊っちゃん、…ごめん」
”ココには来ない”
そんなの俺らが許すわけねえ。
そんなの言うことすら許さねえぞ。
🐇の隣で静かに聞いていた🦊の発言によって、禁句は防がれた。
…少々、いや、かなり不器用な伝え方になってるけどなw
「何、謝ってんだよおぉぉぉ…お前…お前ぇぇぇ〜…」
「ええ…」
🐇の両肩を掴みバッと顔を上げた🦊の顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
せっかくの整った俳優ばりの顔面もその見る影もない。
「もっと早く言えよぉぉおおお!俺…俺ぇぇ…」
「え、ぇ?どしたん🦊っちゃん」
俯いた🦊の顔を覗き込むようにして首を傾げる🐇の頭にはクエスチョンマークが見える。
🦊に気を取られるようだが、他の奴らも心境は🦊と同じだろう。
「🐇🐇、ごめん…、俺ら最低な事してたんだね」
「え、なに急に怖いってw」
「いやほんまに…、🐑くんの言う通り、ごめん🐇🐇」
「🐒達のこと嫌いにならないで…」
「それ俺のセリフ……あ、…」
やっぱり、
こいつ、本当は言いたくもないこと俺らに言ったあとは、自分から身を引くつもりだったんだな。
「🐇」
「わっ…、わっ、ちょっ!」
乱雑に頭に手を置きこれでもかという程撫で回す。
高校に入学して覚えたであろうヘアセットがぐしゃぐしゃになるほど。
お前にこのセットの仕方は似合ってねーんだわ。
「我慢すんなよ」
本当は、こんな大人びた奴じゃないんだよなきっと。
まだ普通は鼻水垂らして駆け回ってたガキの頃からこいつはソレを押さえ込んで、母親に甘えることすら許されず、多分、自分の事も録に話せなかったんだろう。
たかが中間、期末でいい点取って🐑や🐶に褒めて貰っている時のこいつを見ればその仮説も納得がいく。
こいつが成績を気にしているのは今聞いた話にも関係してんだろうな。
「…は?」
「背伸びすんな、着飾んな」
背伸びして大人ぶらなくても、
無理に自分を取り繕わなくても、
「今は甘えられる年上が周りにいんだろ」
しっかり者の末っ子のこいつが、目一杯甘えられる環境を作ってやるのが年上の役目ってもんだろ。
「もう何も我慢しなくていい」
乱雑に動かしていた手を止め重めの前髪を掻き分けるように撫でる。
餅みたいな感触の肌を伝う雫を拭い、本物のルベライトのような瞳を見つめる。
「今までよく頑張ったな」
大丈夫。
お前はまだルベライトを冠するに相応しいから。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ➼ ❤︎2500↑
コメント
1件
ふふん!1コm(殴 すみません、調子に乗りました。