「失礼します、深登様お目覚めですか? 」
ドアを開けると同時にアクアが言う。
「おはようございますアクアさん。朝早いですね」
「そんなことはありません深登様。それとカイト様がお呼びです。直ぐに書斎までとの事です」
「わかりました。」
朝、人と会話するのはいつぶりだろう。
正直1人の方が好きだ。
でもこんな生活も悪くないと思った。
「カイト様深登です。」
「入れ」
カイト様の部屋は書斎兼寝室。
まだベットの上に座っている様子が見えた。
「なんの御用でしょうか。」
「まず、その敬語をやめろ」
「わ、わかった」
「今日は魔王の集まりがあってな、そのついでに深登の買い物もしよう」
「私の買い物までいいの?」
「構わない」
「ありがとう!カイト様!」
何を買ってもらうか、買ってもらいたいものがいっぱいある。
「深登、ここが会場だ。ひとつ約束だ。俺から離れるな」
「は、はい」
会場内にはカイト様と同等、そ以上の魔王。
入らなくても入口に立つだけでもわかる。ここはやばい。
「開けるぞ」
っー!
「おいおいカイトそのつれはなんだ?異様な魔力漂わせて」
「こいつは深登オレの嫁だレオン」
「嫁?お前いつの間に?んで、その魔力はなんだ深登さんよ」
「え、…?魔力ですか…?私は特殊な能力は持ち合わせていますが、魔力は無いと思います」
「ほー、自覚なしか」
「レオン、いい加減にしろ。こいつは死に戻りの能力を持っているシアの娘だ」
この場にいる他6人の魔王は私に注目する。
「今、シアの娘って言ったの?そんなの聞いてないわよ、あの子なら私に一言言うはずよ。」
黒髪をひとつにまとめた魔王さん。
「そんなの知らない。」
私の母の印象とこの魔王さんの印象は違うらしい。私の印象は少し冷たいけど優しくて暖かい。でもこの魔王さんの印象は優しくて暖かいと言う印象。冷たいと感じていないらしい。
「なー、カイト1回深登と1戦させてくださいよ〜。」
「深登、良いか?」
「はい。」
と言っても私は魔法なんて使ったことがない。
とりあえず想像すれば、もしかしたら。
「ルールは?」
「1発入れた方が勝ち」
「わかりました。」
他の魔王も注目する。
「よーい初め」
「常闇剣(シャドーソード)手加減するから安心しろ」
とりあえず決壊(バリア)かな
「バリア」
『?!』
「なんだそれ!バリアはバリアでも…氷のバリアなんて…」
一応できたらしい。だが、周囲の反応から察するに普通のバリアでは無いらしい。
「次、行きますよ。」
剣を想像して。
「っ!」
なんだ、私天才かもしれない。
「はーぁ!」
「そこまで!勝負あり勝者深登!」
「ありえねぇ、魔法初心者に負けるなんとな」
「深登、それはどうした。」
「なんか想像したら出来ました。」
全員の魔王が笑っている。
なんか、面倒くさそうな予感。
「わかったわ深登。認めてあげる。本当にシアの娘ってのは納得してないけどセンスはあるみたいだし」
お母さんの相棒らしき魔王の言葉を聞き終わった瞬間私の視界は黒く染まった。
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