テラーノベル
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ヘルハウンド事件は、結構な騒ぎになり、王様の耳にも届いたそうだ。まあ、爺ちゃんが報告したんだけどね。
プラス、王子様も怒ってくれたそうで、即判決が降った。
結果、ペポーは投獄。聞いた話では、弟もジュエルエンブレム持ちらしい。
このままじゃ不味いと思った様で、満場一致で代替わりしたそうだ。
しかも一日で……俺、被害者だけど、ペポーに同情してしまう。
でも、問題は解決していない。むしろ悪化している気がします。
「フレイム家の執事が行方不明……ジェイド家の事を教えてもらって良い?ちょっと気になる事があって」
フレイム家から届いた報告書によると、ジェイド領はおろかイルクージョンにいないそうだ。
執事は、即日首になりジェイド領に戻されたらしい。
そしてジェイド家の牢屋から、忽然と姿を消していたそうだ。
これはかなりヤバい事なのだ。囚人が行方不明って事は、警備がずさんって証拠。領地を治めている人間なら、絶対に隠しておきたい話だ。
俺だったら、獄中で死んだって事にしておく。いわゆる身内の恥……それを漏らすか?
「……トール、何が気になるんだ?死人に口なしって言葉もある。執事は殺されている可能性もあるだろ?」
今の間は何?爺ちゃんの目はマジモードだし、ちょー怖いんですけど。
でも、俺が気になっているのは執事の事じゃない。正確に言うと執事の事も含まれているんだけど。
「ジェイド家から来た書状を見ると同じ報告でも二通届いているんだよ。中には内容が真逆な物もあるし」
時候の挨拶が二通来ていた事もあった。そして今回の事件でも二通来ている。一通は普通に詫び状、もう一通はペポーと執事を庇う様な内容だった。
「あそこは実質、二つに分裂しているんだよ。現当主派と前当主の息子。本来なら、もう代替わりする予定だったんだが、現当主が首を縦に振らなくてな」
国でも忠告しているが、現当主派は重要ポストに就いており、下手に刺激すれば内乱になりかねない状況らしい……そんなドロドロした設定あったっけ?
(俺の知識ってキャラ紹介止まりだしな)
その設定集も師匠によって閲覧制限を掛けられている。
……だからクレオと仲良くなれたんだけどね。公爵家のご令嬢だと分かっていたら、適切過ぎる距離を取っていたと思う。
「もしかして、執事の実家って……」
まさかジェイド家がお家騒動の真っ只中だったとは……でも、ゲームでそんな描写はなかった……筈。
「現当主派だ。前にお前が二コラに探らせたザント・シュタインの実家も現当主派だぞ」
ザント・シュタイン、現当主の姪っ子(中二)に手を付けていたロリ教師だ……現当主、気付いていないのか?あんなの相手からみたら絶好のスキャンダルなのに。
(ザントは外務大臣の子供で、クラック帝国に留学していたは……ず)
なんで毎回藪をつつくと蛇が出ちゃうの?蛇ってか、ラスボスだぞ。
ちなみにペポー家の新当主は、次期当主派らしい。次期当主派は、今回の事を大いに活用するつもりなんだろう。
「お、お爺様、もしかしなくてもジェイド家の現当主って、クラック帝国と仲が良かったりする?」
駄目だ……これ以上、クラック帝国と関わるのは得策じゃない。だって、俺クラック帝国の襲撃を撃退したし、デモンジュエル使いも倒している。
挙句の果てに、皇子の婚約者を横取りしているんだぞ。絶対に目を付けられるじゃん。
姉ちゃんが悪役令嬢にならなくても、ピンチだ。
(普通、ゲームの世界に転生って言ったら、チーレムでストレスフリーな展開が多いんだぞ)
しかも、カヤブールの乙女は、乙女ゲーだ。こんなおっさん同士の醜い政争は、描かれていなかった筈……描かれていなかっただけど、現実にはあったのか。
コメント
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うわあ、読み終わって胃がキリキリしてきたよ…!🥀 ヘルハウンド事件の決着はついたけど、全然ハッピーエンドじゃなくて、むしろジェイド家の内部分裂とかクラック帝国との繋がりとか、点と点がどんどん繋がって新たな大問題が浮上してるの、めっちゃ怖い……。主人公の「乙女ゲーのはずなのに」ってツッコミ、めっちゃわかるし笑っちゃったけど、同時に「これラスボス級の相手と戦う流れじゃん…」ってヒヤヒヤしてる。 ザントの実家ネタも、ペポー家の代替わりも、全部が複雑に絡み合ってる感じがすごくて、くま太郎さんの伏線の張り方が上手すぎる……! 続きが気になって仕方ないです🌙