皆さんこんにちは、ねこねこマンでございます!少々期間が空きすいません。今回は霊媒なオスマンさんのお話です。
(注意)
・これは我々ださんの二次創作小説です。
・解釈違いが起こるかもしれません。そしたら思いっきり叫んで閉じてください。
・作者は語彙力?何それ美味しいの?٩( ᐛ )و状態です。
・軍パロでございます。
・可愛いオスマンさんは居ません。家出しました。
それでは、ゆっくりしていってね!
視点 グルッペン
眉を顰め、目頭を抑える。総統になってから何百回目のこの光景に思わず大きなため息が出てきた。ところで皆様は幽霊(ゴースト)、妖怪、怪異、宇宙人、などは信じているだろうか。私は、もちろんそんな面白いものを否定することなどはしない。だが、総統になる前はどこかそんなことなどあり得ないとたかを括っていたのかもしれない。目の前の自分の左腕であるトントンは重々しい雰囲気を纏いながら黙々と書類を片付けていた。その重々しい雰囲気はただのストレスや怒りではなくどこか底の知れない恐怖を煽ってくるものだった。
「あ〜、その、トン氏?」
「何や?グルさん、何か用かいな?」
「いやぁ、何でもないんだゾ、、、」
「?」
どうやら今回も本人は気づいていないらしい。これはいつものパターンだ。軍人と言う立場から幽霊と言うものにある程度憑かれるようで、特に暗殺担当であるゾムや、私の護衛を良くするトントンが好かれやすいようだ。段々とその黒い空気が大きくなってきたころに、総統室の扉が規律正しい音を立てた。
「!、入れ!。待ってたぞ!!!オスマン!」
「あっ、やっぱりトントンだっためぅ〜?」
「ん?あ〜まさか、、またワイ憑かれとったんか?」
「あぁ、もう胃がキリキリしてしょうがなかった。」
「ほんまに〜戦争終わったからって気抜いてたらあかんやん!トントン、徹夜しとったんやろ?マンちゃん、後処理が終わったら寝ろって言ったやん。」
「しゃ〜ないやろ!!お前らが物足りんかったっていうて内ゲバで軍壊したお陰で仕事増えたんや!!!」
わざとらしく目を逸らすオスマン。彼が来てから大分重い空気が小さくなった。我らが外交官であるオスマンはまぁいわゆる霊能力者らしく身内の間では少し意味合いは違うが霊媒と呼んでいた。オスマンのこの能力は戦争に負けた兵士に呪いをかけられたひとらんらんが異界に連れ去られたのを救出をしたため発覚した。どうやら祓うのは勿論〝そう言う者〟に嫌われる体質もあるようで大体の霊はオスマンが近くに来るだけで逃げていく。その為、個性豊かで目立ちやすく、狙われやすい我々が無事なのはオスマンのお陰なのだ。
「と、とりあえずそれは置いといて、、、はい、はい、除霊、除霊っと。」
「ほんまにその軽いノリで除霊すんのやめぇや。」
「おぉ、消えたんだゾ。今回は何使ったんだ?」
「ん?塩水塗りたくった紙貼った。」
「雑か!!何かもうちょいお札とかなかったんかいな!!」
「え〜、だって面倒なんやもん。ほぼほぼ効力同じなんやからええの。」
「この後エミさんとお茶会やから〜」と言い総統室を出ていった。こちらも溜まった書類を片付ける為に机に体を向けた。数十分後に、また扉がノックされる。今日は客人が多いようだ。客人の正体はコネシマでどうやら観光客を捕まえたようだ。その男は自分で毒を煽り自死したらしい。苦痛に顔を歪める男は怨めしそうに息絶えていた。
視点 ひとらんらん
キラキラと光を放つ太陽の下で外道丸のブラッシングをする。サラサラと流れる愛馬の毛は思わず顔を埋めてしまいたくなるが我慢する。外道丸のブラッシングも終わり自分の部屋へ戻ろうとしたら後ろから声をかけられてしまった。
「すいません。ひとらん隊長、少々よろしいでしょうか?」
自分のことを隊長と言うことは自分の隊の一般兵だろう。特にこの後の用事もないので大丈夫だと伝えればお礼を言われた。立ち話も何だからと近くの休憩用の椅子を二つ持ってきて座る。
「どうしたの?」
「いやぁ、その、そんなに重要な話ではないんですけど、、、オスマン様について聞きたいことがありまして。」
「マンちゃんについて?あ〜、あの体質とか?」
「そうです。わざわざ突っ込むべきではないんでしょうけど、どうしても気になってしまって。ひとらん隊長が1番初めに知ったって噂で聞いて、、、」
「なるほどなぁ、確かに俺が1番最初か。じゃあその時の状況を教えればいいの?」
「はい!ありがとうございます!」
そう言い申し訳なさそうな表情から一変し明るく頭を下げる。やっぱりうちの一般兵の子は素直な子が多いなぁ、と思いながらその時の状況を思い出す。幽霊などのホラー系が苦手な自分にとってはトラウマ級の出来事だった。珍しく戦争場に出た時だ。戦争はうちの軍の圧勝に終わり軍に戻ろとしていた所で後ろから話かけられた。振り返ってその人物を確認しようとしたが体が動かない。段々と寒気がしてくる。少し後ろで聞こえた声がすぐ耳元で話始める。恐怖でそちら側が見えずに目を瞑った瞬間。足元から地面が消えて穴に落ちていく感覚がしたと思って目を開ければ赤黒い空間に移動していた。男とも女とも子供とも取れる笑い声がこだまする。どんどんと取り込まれていく感覚がじわじわと広まっていく。気が狂いそうで、誰かに助けてもらいたくて口が勝手に動いた。
『オ、オス、マ、ン。』
捻り出したその名前は他の誰でもない自分の相棒の名前だった。何故彼だったのかは自分でもわからない、ただ無意識にその名前を読んでいた。驚きに思考が止まったその瞬間。光が空間に入る。割れ目ができ、その隙間から見慣れた腕と手が見えた。深緑色の服の次には顔が見えた。毎日見ているその顔は俺を確認してからゆっくりと笑い、手をさし差し伸べてきた。
『助けに来たよ、ひとらんらん。』
『ありがとう、待ってたよ。』
安堵からか、そんな言葉が自然と口に出た。翡翠の様な瞳が自分の後ろを静かに睨む。するとどうだろうか、自分を固めていた者たちはゆっくりと離れていきオスマンに救いとられ出ることができた。
思い出したその時の状況を整理してわかりやすく一般兵の子に伝える。少し長くなってしまったが仕方がないだろう。
「へぇ〜、なるほど。カッコいいですね、オスマン様!」
「あはは、そうだね。あの時のマンちゃんはカッコ良かったなぁ。まぁ、本人には言ってやらないけど。」
「ははは、なんだかチートみたいですね?弱点なんかないみたいだ。」
「う〜ん。そうでもないんだよね。なんて言えばいいかわからないんだけど、その除霊パワー?みたいな奴はオスマンには無いみたいなんだ。まぁ、道具を使えば簡単に除霊できるからほぼチートだけどね。」
「そうなんですね?あっ、もうこんな時間だ。すいませんひとらん隊長!今日はありがとうございました!」
そう言い深いお辞儀をしてからその一般兵は走って行ってしまった。なんとなくうちの隊が育てている花壇のマリーゴールドとキンセンカに目がいった。強い風が一つ吹き花たちが揺れた。
「そう言えば、あんな一般兵の子なんてうちの隊に居たっけ?」
視点 ???
薄暗い廊下に一人立つ。しばらくしたら足音が聞こえてトルコ帽子を被った男が現れる。
「やっぱり、いためぅ〜。」
女の様な姿の男から発せられた言葉は場違いなほどに明るかった。
「ひとらんにマンちゃんの事聞いてたんってお前めぅ?」
一歩男が前に出る。
「マンちゃんの弱点を見つけたかったみたいやけど残念やったね?そんなもん無いに等しいんやで。」
さらに一歩前に出る。
「ねぇ?昼間にシンマに捕まった観光客さん。」
今度は自分が一歩後ろに下がる。
「一つ、いい事教えたるわ。なんでただの人間のマンちゃんがこんなお前らを祓える力があると思う?」
普通の姿のはずの男の姿がじわじわと恐怖を与えてくる。死んだはずの自分が恐怖を感じている?おかしいことはわかっている、でも黒いものが、明るいものが、この男の手が自分の頭を掴むのが怖くて仕方がない。そう、ただ、そこには〝消される〟と言う恐怖しか感じない。今この男に消されてしまっては二度と生まれ変わることなど出来はしないと誰に言われるでもなくわかる。
「11歳のとき、実家の教会に小さな箱が届いた。宝箱見たいなその見た目から父親が開けてみろって言うもんやから、なんの違和感もなく開けたんや。その中身は宝なんかじゃなくてなぁ、〝呪い〟やったんや。開封者の中になり損ないの〝神〟が入る呪い。俺は、父親にいいように使われてこの体の中に邪神を降ろした。お陰でお前らみたいなのを視れて、嫌われて、祓うことだって出来る様になったんよ。」
男の手で視界が埋まる。隙間から見える男の姿は化け物のようだった。
「俺ん中のこいつは、俺が死んだら消えるから俺に力を貸す。まぁ、俺も教会にいたからこいつの封印の仕方は知っとるし暴走もできんのよ。俺はなぁ?ここが気に入っとんのや。復讐だかなんだか知らんけど、うざいから消えてもらうわ。」
体が動かない。
震える。
最後の最後まで、この男の翡翠の瞳から目が離せなかった。
(おまけ)
花言葉と石言葉
翡翠、、、、幸福・安定
マリーゴールド、、、、嫉妬・悲しみ
キンセンカ、、、、悲嘆・失望
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!!
それではまた次の作品でお会いしましょう!!
コメント
4件
♂♀さん、カッコいいめう!!