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人生終了のお知らせ
俺の名前は佐藤大翔(さとう ひろと)。
どこにでもいる普通の高校生だ。
今日、俺は人生最大のチャンスを迎えていた。
なぜなら、学校一の美少女・白石さんから呼び出されたからだ。
白石「佐藤くん、ずっと前から好きでした」
俺「……え?」
白石「付き合ってください」
俺(待て待て待て待て待て)
俺(俺、今日死ぬんか???)
俺「お、俺でよければ……!」
白石「ほんと!? ありがとう!」
俺(うおおおおおおおおおお!!)
俺(人生勝ち組きたああああ!!)
その瞬間。
白石「じゃあ、これからよろしくね、お兄ちゃん♡」
俺「…………は?」
白石「お兄ちゃん♡」
俺「いや、俺ひとりっ子だけど」
白石「え?」
俺「え?」
白石「……あれ?」
俺「……あれ?」
白石「ごめんなさい、送る相手間違えました」
俺「LINEかよ!!!!」
俺(告白ですらなかった)
俺(俺の青春、誤送信で終了)
第2話 学校に行ったら終わった
次の日。
俺は学校に行きたくなかった。
なぜなら昨日、告白されたと勘違いして、白石さんに向かって「俺でよければ!」と叫んだからだ。
しかも最後に、感動のあまり泣いた。
白石さんは泣いている俺を見て、救急車を呼ぼうとしていた。
俺「……帰りたい」
友達の山田「おい佐藤! 昨日の話、全校に広まってるぞ!」
俺「なんでだよ!!」
山田「お前が泣きながら『俺の人生にも春が来た』って叫んでた動画、バズってる」
俺「誰が撮ったんだよ!!」
山田「俺」
俺「お前かよ!!」
山田「ちなみに再生数12万」
俺「消せ!!!!」
山田「無理。コメント欄が面白すぎる」
俺「なんて書いてあんだよ……」
山田「『春じゃなくて梅雨来てて草』」
俺「うるせえよ!!」
山田「『告白の相手、間違えられてるのに勝手に付き合ってて草』」
俺「もうやめてくれ!!!!」
山田「あと一番人気なのがこれ」
俺「なんだよ……」
山田「『この男、恋愛経験ゼロどころか恋愛のチュートリアルで死んでる』」
俺「ゲームみたいに言うな!!!!」
第3話 母ちゃん襲来
昼休み。
俺が机に突っ伏していると、担任が教室に入ってきた。
先生「佐藤、ちょっと職員室に来い」
俺「……はい」
俺(ついに退学か)
俺(短い青春だった)
職員室に行くと、そこには母ちゃんがいた。
俺「……え?」
母「大翔!!」
俺「なんでいんの!?」
母「アンタ、昨日の動画見たわよ!!」
俺「なんで母ちゃんまで見てんだよ!!」
母「親戚のグループLINEに送られてきたのよ!!」
俺「親戚にまで広がってんの!?」
母「おばあちゃんなんて、アンタのこと心配して電話してきたわよ!」
俺「なんて!?」
母「『この子、女の子に告白されたことないの?』って」
俺「ばあちゃん!!!!」
母「だから母ちゃん、アンタに恋愛を教えに来たの!」
俺「学校でやるな!!!!」
母「まずは女の子の目を見て話しなさい!」
俺「やめろ!!」
母「じゃあ練習よ! 母ちゃんを白石さんだと思いなさい!」
俺「無理だろ!!!!」
母「大翔くん♡ 好きです♡」
俺「やめろおおおおおお!!」
母「返事は?」
俺「お断りします!!!!」
母「なんでよ!!!!」
先生「……佐藤、親子げんかは家でやれ」
俺「先生も見てないで助けて!!!!」
第4話 まさかの黒幕
放課後。
俺は山田を問い詰めた。
俺「お前、動画どうやって撮ったんだよ」
山田「実はな……」
俺「実は?」
山田「白石さんに頼まれた」
俺「……は?」
山田「白石さん、動画投稿してるんだよ」
俺「え?」
山田「お前が告白と勘違いして泣くところを撮って、ドッキリ動画にする予定だったらしい」
俺「俺の人生をコンテンツにすんな!!!!」
山田「でも予想以上に泣いたから、白石さんも引いてドッキリ中止した」
俺「中止したのに動画は出したのかよ!!」
山田「ちなみに白石さんから伝言」
俺「……何」
山田「『佐藤くん、面白かったです。またお願いします』」
俺「二度とやるか!!!!」
そのとき、スマホが鳴った。
白石さんからLINEだった。
『佐藤くん、明日も放課後、体育館裏に来てくれる?』
俺「…………」
山田「お? 今度こそ告白か?」
俺「いや、もう信じない」
俺は慎重に返信した。
『用件を先に教えてください』
白石『昨日の動画、第2弾を撮りたいです!』
俺「人の心とかないんか?????」
最終話 翌日、俺は伝説になった
翌日。
俺は学校を休んだ。
すると昼頃、母ちゃんからLINEが届いた。
『大翔、学校の先生から電話あったわよ』
俺(終わった)
『アンタ、今日の欠席理由「恋愛による精神的ダメージ」って書いたの?』
俺「書いてねえよ!!!!」
さらに山田からLINE。
『お前の動画、再生数100万いったぞ』
俺「嘘だろ……」
山田『テレビ局から出演依頼きてる』
俺「俺の人生どうなってんの???」
山田『ちなみに番組名』
俺「……何?」
山田『恋愛弱者グランプリ』
俺「勝手に大会開催すんな!!!!」
その夜。
俺は決意した。
明日から、絶対に恋愛の話はしない。
女の子に話しかけられても動じない。
告白されても冷静に対応する。
俺は生まれ変わる。
そう誓って眠りについた。
翌朝。
母「大翔ー! 起きなさーい!」
俺「あと5分……」
母「白石さんから電話よ!」
俺「えっ!?」
俺は飛び起きた。
俺「もしもし!?」
白石『佐藤くん! 昨日はごめんね! 実は本当に相談したいことがあって……』
俺「……相談?」
白石『うん。好きな人ができたの』
俺「…………」
白石『その人に告白したいんだけど、どうしたらいいと思う?』
俺「…………」
白石『佐藤くん? 聞いてる?』
俺「……うん」
白石『ありがとう! やっぱり佐藤くんに相談してよかった!』
俺「……ちなみに、その好きな人って誰?」
白石『山田くん!』
俺「…………」
俺「は?????????」
その瞬間、俺の部屋のドアが開いた。
母「大翔! あんた、山田くんに恋愛相談されてた白石さんに嫉妬してるの?」
俺「なんで知ってんだよ!!!!」
母「山田くんのお母さんからLINEきたわよ!」
俺「お母さん同士で情報共有すんな!!!!」
母「あとね、山田くんのお母さんが言ってたんだけど」
俺「もう聞きたくない」
母「山田くん、アンタのこと好きらしいわよ」
俺「…………は?」
母「男の子同士でも仲良くしなさいね♡」
俺「そういう話じゃねえよ!!!!」
そして俺は悟った。
この世で一番恐ろしいもの。
それは幽霊でも、テストでも、先生でもない。
母親同士のLINEグループである。
俺の青春は、今日も平和に終わった。
コメント
19件
今日休んだ~、授業何やった~?
おもしろ 、 !!
読了しました😂 タイトルからして期待してたけど、まさかここまで全力のコメディだとは思わなかったです。白石さんの"送る相手間違えました"からの「LINEかよ!!!!」で一気に持っていかれました。山田くんが撮影者だった黒幕展開も最高でした。 そして何より、母ちゃん強すぎる。学校に乗り込んで恋愛指南とか、親戚LINEで拡散済みとか、あるあるすぎて笑いました。最後の「この世で一番恐ろしいものは母親同士のLINEグループ」には深く頷くしかなかったです。続き、気になります! 大翔くんの今後から目が離せません👀