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1 「初心」
歩き始めてかなり経った頃、
俺は、彼に色々と探られていた。
「あの、さ…テヒョン君、?」
「なんだ。」
「い、言わなくてもいいけど、その…さ、もしかして、いじめられてる、?」
「っ…」
ここで嘘をつけるほど、俺は空気の読めるやつじゃないい。
それでも、本当のことを言えるほどメンタルは強くない。
「…どう思う。」
「え、僕は…分からないから、聞いてるの、」
「…うん、今更気づいても、遅いぞ。」
「どうして、?」
「俺とつるんでいたら、お前まで狙われるから。」
「そんな、僕は大丈夫だって!」
そう言い、励ましているつもりか、
また傍に来て俺の手を取った。
「…そろそろ着くから!」
「、うん。」
前を向くと、
新しく建ったばかりのような家が、
すぐ側に建っていた。
「ここが僕の家!」
俺は「すごい」と口に出してしまいそうになったが、
平然を装い、彼の後について行った。
「入っていいよ、?」
「あ、うん。」
そうして扉を開けると、
…女物の靴?
まあ、流石にこのビジュアルだ。
彼女くらい居るだろう。
「これ、誰の靴?」
「…え?」
_あれ、俺は何を聞いているんだろう。
「あ、もしかして彼女かと思った!?違うよ、!」
「…兄妹とかか?」
「てん!違うー、実は貰い物なんだよ〜、!」
「…男に女物の靴?」
「そう〜…僕履かないのに!」
ほっ、と胸を撫で下ろす、
…俺は何に安心してるんだ?
「…へえ、上がっていいか?」
「あ、ごめんごめんっ、汚いけど許して!」
と言い、案内されたリビングは、
とても綺麗で、俺には 何が汚いのか全くわからなかった。
「…」
「何見てるんだ。俺の顔になにかついてるのか?」
「いや、別に…何か飲む?」
「…いい、気分じゃない。」
「えー、じゃあ あいすは?」
「要らない。」
「んん…じゃあ ちゅー する?」
「いや…いや、おい、今なんつった?」
俺の聞き間違えだろうか、
「ん、だから ちゅー !」
「は、は??…意味わかんねえんだけど…」
「…マスクとって欲しいから…、」
「…なんだ、そういうことかよ…。」
別に…してくれるなら、
いや _さっきから なんなんだこの感情、
妙に気持ち悪い、俺じゃないみたいで…
「…」
「ごめん…やっぱ見せたくないよね、」
すっ…
「っ!?か、かっこい…い、」
「…」
俺は、マスクをとり、少し前髪を分けた。
「もったいないな…見せないなんて、」
「…どこが、至って普通だろ。」
「…わかった、今日は僕の家に泊まって、」
「は、?いやいや、着替えも何も無いのに、」
平然と言っているが、おかし…
いや、俺がおかしいのかもしれない。
長年友達という概念がなかった俺は、
感覚が狂っているのだろうか。
「絶対後悔させないからさ!ね!」
なんだそれ、口説き文句か?
しかも、後悔ってなんだよ…今更してねえし。
でも、まあ…委ねてみるのもありかもな。