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常識保持勢の中でニンゲン中心に結成された『抵抗者』達は信用出来る知人から、地道に生活魔法を使えるニンゲンを増やして行った。
彼らが教育したニンゲン達が、未来である現在の里人に繋がっている。
又、教育する側のレジスタンスメンバーの中で、戦闘に向いたスキルを入手した者、高度な魔力操作の技術を手に入れた者は、僻地や遠国まで生活魔法の伝播へと赴く、一方通行の苦行へ旅出って行った。
初期の放浪者、『魔術師』の始祖達である。
『六道(りくどう)の守護者』の役割も『抵抗者(レジスタンス)』と殆(ほとん)ど同じであった。
違いと言えば、こちらはニンゲン中心ではなく、魔獣、悪魔、妖怪や化生の類まで拘る事無く、強者を量産して行った事だろう。
元来、己の進むべき道に迷ってしまった全ての存在、一切衆生(いっさいしゅじょう)を遍(あまね)く導く役目を持った地蔵、スカンダがパーティーの中心人物だったこともあり、種族特性や能力毎の臨機応変な指導を施した結果、レッサーからネームドへと成長した悪魔や、一般のニンゲンでありながらアートマンを獲得する者を輩出する等、大きな成果を上げていたのだ。
中でも、平成令和の時代に生まれた竜種の養育は特筆すべき実績の一つだと言えるだろう。
ペットの爬虫類や野生のトカゲやヘビの変異種が保護され始めた頃、これらの竜種の育成方法は誰も判らず、完全に暗礁に乗り上げた形となってしまった。
無論、『聖女と愉快な仲間たち』に参加している悪魔達の中には竜と定義されているメンバーも存在する、と言うか滅茶苦茶多いのだが……
なんと全悪魔の凡そ半数が竜を自称していた位であった。
一般的な竜型は兎も角、蛇型、魚型、鳥型、亀型辺りまでは、まあ許しても良いかも知れない。
しかし、人型オンリーや獣型、虫型だったりして来るとおいそれとは納得出来る物ではない。
アメーバ丸出しのアガリアレプトが自分も竜だと申告してきた際には、幹部たちは声を揃えた物だ。
『お前は違う、百歩譲ってスライムまでだっ!』
と……
取り敢えず、竜型に搾って新生竜達の養育方法を聞いた所、誰一柱としてまともに答えられる悪魔は居なかったのだ。
そもそも自分は竜である、そう主張している理由が、
『ニンゲン達がそう呼んでいたから』
だとか
『自分が登場する神話にそんな噂があった気がする』
だとか
『ある日突然思ったんだ、俺、竜かも知れない、ってね』
そんなヌラッとした物ばかりだったのだから、竜らしさは自分らしさ、竜であるアイデンティティも『我思う、故に我あり』的な感じであり、どだい他者に教える役に立つ代物ではなかったのである。
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