nmmn,fwakになります!
※地雷の方はご注意ください。
※ご本人様とは一切関係ありません。
akn→『』
fw→「」
です。
どーぞ!
「…なんでそうなるん?」
『…なにが?』
「俺そんなん一言も言ってないで?明那の被害妄想やん」
『……は、?……もういいわ!ふわっちなんか知らんっ!…出てく!!』
「それはダメ」
そう言って引き止められた手。
それを俺は、振り払った。
『今はふわっちの顔見たくない!』
「……あっそ。勝手にすればええやん」
泣きそうな顔でふわっちを睨みつけ、スマホだけ持って勢いのまま家を出ていく。
空は俺の心みたいに暗く沈んでた。
泣きながら暗い道を1人で歩く。
『……っ、……ふゎっち……っ…』
違う…。別に喧嘩がしたかった訳じゃない。
…喧嘩なんてしたくなかった。
俺が悪いことなんて分かってるのに。
きっかけは些細なことだった。
仕事のことを楽しそうに話すふわっちに嫉妬した。
ただそれだけ。
それも俺から聞いといて。
自分の中ではもう、仕事とプライベートは別の物って分けられているから大丈夫だって思ってた。
だから俺はふわっちから仕事の話を聞いてもなんとも思わなかった。
でも、なんか今日は無理だった。
今までの俺の余裕はなんだったのかという程に、嫉妬してしまった。
多分ふわっちにいつもよりお酒が入ってて、テンションが高かったというのもあると思う。
だから楽しそうに話してくれたんだと思う。
分かってるよ。それは分かってる…。
なのに、俺は嫌味ったらしく言ってしまった。
言っちゃいけないって、自分の中だけで完結させようと思ってた言葉を。
『ふわっち、俺じゃなくてもええんちゃう?』
そりゃふわっち怒るよな。
俺もふわっちに言われたら怒るもん。
ただ、ふわっちに『寂しい』って『もっと一緒に居たい』って素直に言いたかっただけだった。
そこで、素直に『嫉妬した』って言えばよかっただけだった。
後悔しか無くて、涙が溢れる。
言えてたら喧嘩しなくて済んだのに。
とびきり笑顔で抱きしめられてふわっちに甘やかされていたはずなのに。
あーあ、俺バカやん……。
可愛くな……おれ…。
顔見たくないとか言ったくせにもう会いたいし。
会って仲直りしたい。
それで、ぎゅーってして欲しい。
……っふわっち…、…会いたい…っ…。
ブーーブーー。
ポケットの中に入れたスマホが突然鳴った。
急いで取り出して画面を見てみると、
ふわっち
確かにそう書いてあった。
その文字面を見てまた涙が溢れるのを感じた。
ぽたぽたと雫で濡れた画面をスワイプし電話に出る。
【もしもし、あきな?】
優しいふわっちの声。
【……っ、ふわっ…ち、】
【今どこにおるん?】
俺の近くを車が通る。
【外?外ね、】
本当は謝るのが先なんだろうけど、真っ先に出たのは謝罪の言葉じゃなくて
【……会いた…い】
だった。
【今行くね】
そう言うと電話は繋がっているのに、ふわっちの声が聞こえなくなった。
【ふわっち、、?】
【見つけた】
「見つけた」
電話越しと後ろから聞こえた声。
後ろを振り向くと、はぁ…はぁと息を切らしたふわっちが居た。
きっと俺を見つけるために走ってくれた。
スマホ画面を触り電話を切る。
そのままふわっちに向かって走った。
勢いのままふわっちに抱きつく。
『…っ、ごめんねっ…ふわっち…。本当にごめんなさい……』
「俺の方こそごめんなぁ。あれは完全に言いすぎた」
ふわっちが俺をぎゅーっと抱きしめる。
欲しかった温もりが俺の心を晴れさせていく。
『見つけてくれて、ありがとうっ…』
「そんなん余裕っすよ」
とか言ってるけどさっき息きれてたし、今だって心臓は早いまま。
ふわっちらしいなぁ。なんて思った。
「帰ろ?あきな」
『……うんっ!』
ふわっちから差し出された手を握って隣を歩く。
街明かりが俺とふわっちを照らしている。
『あのねふわっち』
「ん?」
話しかけるけどふわっちの顔は見れないまま、下を見ながら話し始める。
『俺ね…嫉妬した。だからあんな事言っちゃった。…本当はね寂しいって言いたかった。ふわっちじゃなきゃダメなのは俺の方なのに』
ふわっちを見る。
やっと見れたふわっちの顔は、愛おしいものを見るようなそんな顔をしていた。
「俺もあきなじゃなきゃ嫌やで。あきな以外とか考えられへんもん」
嬉しくて心臓がギュッてなった。
『……考えたら、また嫉妬するよ。俺…』
「………。」
ふわっちが何も言わない。
俺まずいこと言っちゃったかな…。
少し間が空いて、いつものふわっちのにゃはは笑いが聞こえる。
「かわええなぁ…」
呟くようにふわっちがそう言った。
頭をぽんぽんと撫でられる。
少し恥ずかしくて、顔が赤くなってしまう。
「はよ帰ろか、あきな」
再び歩きだしたふわっちの横顔は満足気だった。
―完―
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