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・一話参照

ワンクッション






























─────────────

目を何度か瞑れば、次第とクリアになって行き、自分に何が起きたかを理解させた。

否、させようとした。

ciは薄暗い部屋の中で、倒れていた。

手足は何故か痺れていて動かない。

どうしてここにいるのかも、それすらも分からない。

1人で。ただ、ひとりぼっちで。

頬を床にぐてん、と垂らして天井に目線だけを動かしてみる。

涙が一滴出始めると、それは止まらず崩壊していく。

何も分からないが、なにか、つらかった気がするのだ。

つらかった。

つらかったんだと、涙は訴える。
























────────────

「…なー、shp。」

「なんすか。」

煙草を咥えたutは、足を動かしながらshpの方を向く。

煙はぽかぽかと浮かび、空へと舞い上がる。

「昔に戻りたくなったことある?」

ぽか、と煙を浮かばせutは問う。

shpはサングラスを外し、目元を抓った。

それから、utの方を向かずに歩き続ける。

「…ま。昔の方がスリリングではありましたね。」

「そっちの方がええなって思う?」

「別に。今は今で楽しいすよ。のんびりできて。」

「…ほおか。shpはそう言ってくれると思った。」

「じゃあなんで聞いたんすか。」

「…確認したくなったんや。そんだけ。」

ほな、行くぞ。とutは早足で歩き出す。


しばらく歩き、m国国境線までやってきた時。

ふと、shpは言葉を零した。

「ciなら大丈夫すよ。アイツ、俺らのこと大好きやから。」

彼はゆっくりこちらに顔を向けるだろう。


























────────────

『ciは恐らくm国や。他の国にはおらんかったらしい。』

mrから連絡を受けとり、慎重に侵入する。

皆もゾロゾロとこちらに向かってきているらしい。

だが、そんな皆を待ってる時間はない。

「…っ、あそこちゃうか、」

utはこそ、と小声でshpを呼ぶ。

指さす方向には、明かりが灯されていて、なにやら声も聞こえてくる。


「君みたいな外交官はね、m国に要らないんだとよ。可哀想にな、仲間から陰で要らないなんて言われるなんて。」

「だから、ワシが君を助けてあげるって言ってるんだ。君なんだからいい加減理解してくれるだろう?」

喋ってるのは男だけらしい。

ciの声は聞こえない。

utは不思議に思い、隙間から覗き込んでみた。

「…っ、!?」


ciはソファで座らされていた。

ただ、それだけ。

抵抗もせず、口も開かず。

目は、虚ろになって男の方を向いている。

明らかに、何かをされた後だと分かる。

「さあ。同盟を組もうでは無いか。君は、ワシと2人で1つなんだよ。分かるだろう?」

そう言うと、男はぐつぐつ、と怪しい音を立てた薬を取り出しciの口に近づけた。


ガシャンッ!!!!!

「動くな。」

shpはダクトから飛び降りて、銃を男に構えた。

男は驚き、尻もちを着く。

それと同時に、ciも横に傾き、ソファに倒れた。

「shpそいつ頼むわな。」

「っす。」


「ci、俺や。聞こえるか。聞こえるならなんでもええから反応してみ。」

ぽつ、と口が小さく開く。

「…ん。意識はあるようやな。」

ぽつぽつ、と口が小さく動く。

何かを、伝えたいのだろうか。

utはしゃがみこみ、ciの口元に耳を向けた。

「なんや。すまん、もう1回言ってくれ。」

「…、…。」

「一音ずつでええ。焦るな。」

はっはっ、と息が荒くならないように、utはciの手を握る。

「…っ、に、ぇ……って、」

「…、?」

「に、…ぇ、っ、っっ……ぇ。」

「!」










「shp!!走れェ!!!!!!」

「えっ、なんす…ちょっ、ええ!?」

















ドッカーーーーンッッ!!!!

いきなり、大きな音を立てて建物が燃え始める。

utはciを担ぎ、shpと窓を突き破って外へと走り出す。

「い"ッ、てえええええええ!!!」

「utぅ!!!こっちや!!手ェ伸ばせ!!」

「ぅぐ、sho!!!」

ぐい、とutとutに担がれたciの身体が引っ張られる。

「shp飛べェ!!!!!!!!」

shpは滑り込んできたtnに担がれてそのまま、滑って行く。


「よぉやったな。まさか爆弾用意されとるとわ。」

「tnさん雑すぎ。。いっった、」

「なんや。お前巻き込まれそうになってた癖に。」

tnはわしゃわしゃ、とshpを乱暴に撫でる。

「ciォ!!!!!!」

だが、utの声に、手を止めた。

utはciの握り返されない手を強く握って、ぱくぱくと口を動かす。

そんなutを見て、emがすぐさまciの隣にしゃがみこむ。

「まだ息しとる。でも弱いから安全な状態ではないな。早く運んだ方がええ。」

emはciを担ぎ、車の中へと寝転がせる。

tnは運転席へと急ぎ、助手席にemが腰をかける。

ciの頭側にut、足側にrp。

そして。

「んじゃ、残り潰しゃええな。」

残りの彼らは燃え続ける建物を睨みつける。































───────────

「………。」

足跡が消えてしまう前に戻ってみようと思った。

先の道が見えないのがどうも不安で。

でも、皆は進んでしまう。

焦って動くと、落ちてしまうんじゃないかと。

見えないのではなく、本当に無いのではないかと。


足跡の上に落ちている何かを拾ってみた。

ふわふわとしているような、つるつるとしているような。

ただ、壊れやすいものだと手触りで察する。

落としてみたら。

抱きしめてみたら。

壊してみたら。

守ってみたら。

どれもこれも、考えるがやる気は出ないまま。

時間だけで過ぎていく。

また、置いていかれてしまう。


挙句の果てに、その場にしゃがみこんだ。

足を両腕で抱いて身体を丸める。

膝に額を押し付けて。

進むことも戻ることもできない。

自分は、未来にも過去にも囚われてしまうのだろうか。

せめて。

せめて、仲間がいるのなら。

仲間が、いたのなら。



「ci。」

「…、ぇ?」

「うわここさむ、よっこらせ。」

誰か、暖かい雰囲気を漂わせた誰かが隣にしゃがむ。

そして、バシッ!と背中を叩いてきたのだ。

「なにしてんの。迷子か?」

「…迷子みたいなもんすよ。」

「はは、お前らしいやないけ。ん?それなんや。」

誰かは、ciが拾った何かを指差す。

ciはその何かを渡した。

誰かはじっ、とそれを見つめたあと、

「飛んでけーー!!!!!!!」

それを、遠くへぶん投げたのだった。

「なー、腹減っとらんか。」

「えっ…、ぁ、?」

「蟹でも食いに行こーや!!あっ、焼肉がええか?」

誰かに手を掴まれる。

「…皆待っとるで。行かへんの。」

「い、って…いいんすかね。」

「はーわぁったよ。お前はほんま怖がりやな。」

誰かは手を引っ張って、前を進み出した。

見えない道を、ずんずんと進んでいく。

「ほら、あるやろ??道。」

「…はい。」

進めば、奥に皆が見えた。

こちらに手を伸ばしている。

「もう行けるな。」

「はい。」

「ん。ええ子やぞ。」

「奢ってくださいね。」

「おう!!約束な!!!!!」

「んふふっ、」

駆け足で皆の方へ走る。

手を掴み、道を進む。

ふと、気になり後ろを振り返ってみた。

戻る道だって、続いている。

また、またいつか。

戻ってみても良いのだろう。

足跡は誰かによって消えずに残されていく。

















────────────

「…、ん"ーー…。」

身体を伸ばすと、ピキリと背中が痛む。

小さく唸り今度は丸めてみた。

そうしていると突然、布団がもそもそと動き出す。

shpがciの布団の中に容赦なく入って寝ていた。

横のパイプ椅子では、utがかくんかくんと首が取れそうなくらいに揺れながら寝ていた。

どうしようか、と悩んでいると扉が開く。

「…!おはよう。」

「…、tn、。」

「すまんな。言い過ぎてしまったわ。」

tnはパイプ椅子を取り出し、座って頭を下げた。

「き、気にせんで。俺も悪かったんやし。」

「…ciな、薬の摂りすぎでほんま危険やから安静にするんやで。」

「うん。安静にしとく。」

「emが焦ってたで。解熱剤とか飲ませてやりたいのに、薬の摂りすぎで飲ませられへんって。」

「んふふ、emさんそんなに心配してくれたんや。」


「当たり前やろ!」

emが扉を開けて飛び出てくる。

バナナを1つ取り出し、ciに差し出してにんまりと笑う。

「ほんまよかった。間に合って。」

「…ありがと。でも、バナナの気分ちゃうわ。」

「…ん"、くぁ〜…。っ、あ"!?」

ようやく目を覚ましたshpは目をまん丸に開くと、ciに飛びついた。

「この阿呆…。」

「shpもありがと。ほんまに、すまん。」

「いや、ciはなんも悪ないやろ。俺こそすまん。」

仲直りをしていると、窓から野球ボールが飛んできて、utの頭にヒットした。

恐る恐る窓の外を見るとshoとrp、mrがにっこにこでピースをしている。

「ぃ"ってェ!!!!!!」

utはパイプ椅子から落ちて、床で丸まっている。

tnは明らかにお怒りの表情だ。

shpとemはciに当たらないようにと窓側に立っている。


わーいわーいと窓の外から楽しそうな声が聞こえてくる。

そこでtnは遂にキれたらしく、通信機を繋いだ。

繋がれたのは、zmである。

「zm。shoとrpとmrがお前と鬼ごっこしたいってよ。」

『ひひッ!!勝ったら何くれるんや!』

「ciが待っとる。」

『おーし!!!待ってろよォ!!』

通信機越しに、ポキポキと骨を鳴らす音が聞こえるのは気のせいではないだろう。


数秒後、外から悲鳴が聞こえたのも、気のせいではないのだろう。




それはさておき。

「いつ奢ってもらおうかな〜。」

ciは彼との約束を夢見るのだった。


















ちからつきてしまった。

誰かとか何かとかはホントもう好きに考えてもらってだじょぶです👍🏻

つぎなにかこーーーかなーーーー


この作品はいかがでしたか?

1,512

コメント

20

ユーザー

本ッ当に最高ッ!!!!!

ユーザー

めっちゃ好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 最後の人knさんかgrさんか旧ciだったら熱すぎて溶ける

ユーザー

ぅわああー!!! 入院してて全然見れんかったけどまじほんと神だああああ 暗闇の人ってknさんとかだったら熱すぎる 毎作泣かせてくれますねえええ 大好きっす!!

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