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星野めるside
時間というのはあっという間にすぎていき、今日は今撮影中のドラマのクランクアップ。まだ放送終了までは何本かあるからバラエティなどで共演することはあるだろうけどこれから仁人くんに会える機会は減る。寂しいな。
今日はいよいよクライマックスのキスシーンの撮影がある。お仕事だってわかってても緊張する。
「おはようございます。」
仁人くんが続いたか現場に入ってきた。すぐさま近付いて挨拶をする。
「仁人くんっ!おはようございます!今日もよろしくお願いします!」
「はい。お願いします。」
相変わらず礼儀正しい人だなぁ。そんなとこも好き。誰にでも礼儀と尊敬を忘れない誠実な人。
残りのシーンをほとんど撮り終わってあとはキスシーンのみとなった。キスシーンは休憩してから取ることになり一旦楽屋にもどることになった。荷物をまとめていると仁人くんに話しかけられた。
「緊張してますか?」
「えぇっ!?なんでわかったんですか!?」
「ふふ、いつもより元気さが足りない気がしたので。」
優しく笑う彼がとても眩しい。最初よりは少しは心開いてくれたかななんて期待する。
お昼ご飯を食べて全力で最後のシーンに取り掛かれるように準備をする。
よし頑張ろう。
午後の撮影が始まった。あぁ、緊張する。緊張からガチガチになっている私に仁人くんは優しく声をかけてくれた。
「大丈夫。僕がリードしますので。」
ドキッとした。男らしいかっこいい仁人くん。やっぱこの人は魅力ばかりだ。
仁人くんのおかげで無事キスシーンも撮り終えた。終わってしまった。
「吉田仁人さん!星野めるさんクランクアップです!!!」
スタッフさんの声が掛かると皆さんの拍手の音に包まれながら花束を貰う。
2人ともメンバーカラーの黄色をベースにした花束を貰った。スタッフさんの粋な計らいで花束にはグループのほかのメンバーのメンバーカラーも入っていた。
ふと仁人くんを見ると花束を見て優しく微笑んでいた。
あぁ、この人はほんとにM!LKを愛しているんだな。そう思った。
もう言ってしまおうか。叶わない予感がする。乙女の勘は当たるものだ。早く伝えて楽になりたい。
諸々が終わったあと人気のないところに仁人くんを呼び出した。仁人くんは二つ返事で了承してくれた。2人きりになり、覚悟を決める。が、上手く言葉が出てこない。思ったより仁人くんのことが好きなんだ私。
「あ、あの、あのあの、えっと……あのね」
「うん。ゆっくりでいいよ。」
「……ありがとう。ふぅ、よし。仁人くん聞いてくれますか。」
「はい。」
「私。仁人くんのことが好きです。付き合って貰えますか。」
言った。よく言った私。偉いぞ私。
仁人くんは少し困ったような顔をしながら言う。
「まずありがとう。嬉しいよ。でも……」
やだ、言わないで。聞きたくない。いやだ。
「……ごめんなさい。今は恋愛よりもM!LKを、仕事を大切にしたい。」
「そっか!そうだよね!ありがとう聞いてくれて。」
泣くな。ここで泣いたら仁人くんを困らせてしまう。このまま顔を合わせていたらきっと我慢できない。そう思った私はその場から逃げるように去った。
あぁ、さようなら。私の憧れ、初恋のひと。
S.h
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#腐M!LK
コメント
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ああ、27話……読んでいて胸がギュッと締め付けられました。めるちゃんの「言った。よく言った私。偉いぞ私。」という内省と、「泣くな」と自分に言い聞かせる姿が切なすぎて。仁人くんが「仕事を大切にしたい」と誠実に断るのも彼らしいなと思いました。覚悟を決めて動いた彼女の勇気は、結果がどうあれ尊いです。素敵なエピソードをありがとうございます。