「うあっ!……あっ!あぅっ!んぅ!Lッ、L」
「……B」
ベッドの上でLに組み敷かれているB。
繋がった腕の鎖がジャラジャラと揺れ、僕の手を刺激させた。
「ごえっなさっアッアッ!許して、えうぅ」
ドキドキと脈を打つ心臓、グラグラと揺れる視界、その溶けそうで甘い空気に、僕の理性は断ち切れた──
♡♡♡
竜崎との手錠生活が始まって約一週間。
新たなキラが捕まるまでの辛抱とはいえ、もう一週間目で体力的にも精神的にも限界がきていた。あの世界一の名探偵と繋がって、監視されているというプレッシャーと屈辱に、毎日魘される日々。それだけでもしんどいというのに、こいつときたら、私生活もままならない。時折僕が世話してやらないと着替えも出来ない。手間も世話も増えて、そろそろ僕の精神は崩壊寸前だ……。
「はあ」
何回ついたか分からない大きな溜息に、Lは積み上げていた砂糖を一つ手に取り、パクッと口に放り込んだ。
「お疲れのようですね、月くん」
「……当たり前だろ……毎日毎日監視されて……溜まったもんじゃない……」
沢山のモニターが並んだ机の上で、僕は頭を抱え、眉間に寄ったシワを隠した。
もう嫌だ……こんな生活……。
そんな言葉が出かけて息を飲む。竜崎の前でそんな弱音は吐きたくない。
しかし、竜崎も僕が相当精神にきてるのが分かったのか、指を咥えて何やら考え出した。
「私に監視されてるのが苦痛、ってことですか?それは私がLだから?」
「……そうだよ。世界一の名探偵と言われたお前に監視され続けみろ、こんな手錠まで付けて、近距離で。……はあ、頭おかしくなる」
愚痴愚痴文句を垂れつつ、言いたいことは山ほどあるがそれ以上言う気にもなれず、僕は机の上に突っ伏して顔を隠した。
顔色を伺われるのももう嫌だ。
「……では──私じゃなかったら、少しは心が休まりますか?」
っ!
その発言に僕は伏せていた目を開き、頭の中が一気に動き出した。
僕を監視する人が変わる?Lじゃなくなる……そうなったら、少しは……いやかなり助かる!!
「ああ!」
僕は起き上がり答えた。
是非そうしてくれ!と言わんばかりにLを見つめると、LもLで複雑なのか、肩を落として分かりましたと呟いた。
「お前の代わりを用意するのか?誰だ?……父さんか?」
何も僕を監視するならLじゃなくてもいいはずだ。何せここには数え切れないほどの監視カメラが設置されているのだから。至近距離で監視する人はLじゃなくてもいい。
なら、誰だ──?
「いえ、私の知り合いにあなたを監視してもらいます」
「え、Lの知り合い!?」
そんなのろくな奴じゃないだろう!
いやだが、Lじゃないってことは、もうLの世話もしなくて済む……!どうせ見られてるのは一緒なんだし、気に入らなければそいつと話さなきゃいい。話さなくてもいいなら、詮索もされない。むしろ、そっちの方が気が楽かもしれない!それだけでも良い!とにかく、こいつに監視されてるのはもう懲り懲りだ。
「私も会った事は無いんですけどね。実際彼は繊細でかなり『目』が優れている。私が監視するよりよっぽど効果があるかもしれません」
「へぇ?あのLがそこまで見込んだ人なら逆に僕も会ってみたいね」
なんて言ってはみたが、誰にしたってこの手錠を外して欲しいことには変わらない。
「しかし、手錠が外れたところで、私と月くんの運命は変わりません。私が死ねば月くんも死ぬ……いいですか?」
ギョロっと動いた瞳は僕を捉えた。
僕は腑に落ちない表情はしたものの、ああと答え、Lに従った。
──そして、数日後。
あのLの知り合いと言っていた男が捜査本部にやってきた。
その知り合いもLと同様正体は不明らしく、父さん達に顔を出すことは出来ないため、数日間の間僕達の部屋には来れないようになっている。
誰もいない捜査本部に飄々とLに連れられ姿を現したのは──案の定とんでもないやつだった。
「やあ。初めまして、キラ」
そのルックスに僕は愕然とした。
(なんだこいつは……!)
Lと瓜二つじゃないか!
天然の黒髪、曲がりきった腰、Lを真似した様な黒いクマ……あれは……化粧?か?
Lを真似している。その一言がよく当たる男だった。
それだけでも痛々しく、変態臭がして腹ただしいのに、失礼にも僕のことを初対面でキラと決めつけやがった。
「キラ?」
こいつもかよ。と内心思いつつ、キッと睨むと、ニヤニヤと笑い出し、ぐっと距離を近づけてきた。
「キラだあ……凄い……!L、キラを捕まえるなんてさすがですね」
キラと決めつけ、もう捕まった前提にされている……本当に失礼極まりない。L以上に最悪だ。
なんて反応をするんだとLの方を見てみると自信ありげに口元だけ笑っていた。
こいつ!
「僕はキラじゃない!Lに僕がキラだと言われるのはまだしも、初対面のあなたにキラだと言われるのは腑に落ちない」
いやいや、言ってて何言ってるんだと自分を攻めたくなった。Lが僕をキラだと決めつけるのもおかしい話じゃないか。
「威勢が良いですね。嫌いじゃありません」
その余裕をこいてる態度が気に入らない。
しかも、Lを真似しているところが尚更……!真似しきれてないのも、許せないところだ。
そして僕はハッと気づいた。
何この男に嫉妬しているんだと。何勝手に張り合っているんだと。Lを知ってるのは僕だけという独占欲が汚い色で渦巻いている。
もう黙ろうと僕は口を閉じると、Lは僕の腕に繋がった手錠を拾い、男の腕にはめた。
──ガシャッ!
男は僕に見せつけるように鎖を持ち上げて笑った。
「私の名前は──Bです。これからよろしくお願いします」
「B!?」
僕は食いつくように前に出た。
Bってなんだよ!Lの他にBがいるのか!?
嘘だろとLの方を見ると、彼はBですと答えた。
「B?……B!?……えぇ……」
困惑だ。
Bってことは、他にも、Aやら、CやらDが居るってことか?
「それでは、私はキラ事件の他に追わなくてはならない事件がありますから。夜神くんの監視は任せます。B」
「ええ」
それだけ言ってLはポッケに両手を突っ込んだまま、捜査本部から出て行ってしまった。
取り残された僕はどうしたらいいのか分からず、ただ呆然と突っ立って居ると、Bに手を握られた。
「ぅっ!」
いきなり手を繋がられ、上半身ごと引いた。
「会えて光栄ですよ、キラ」
Lが居なくなってもそのキャラは突き通すのか、僕をキラだと決めつけ、訂正しない。
「だ、だからキラじゃないですって」
困りますという態度を全面的に出しては見たものの、この男は自由気ままで僕の態度に気を遣う素振りは全くない。
「では、なんとお呼びしたら?」
Bにじっと見つめられ、困惑するものの、この男と目が合わないことに違和感を感じた。どちらかというと僕の頭を見ているような……。なんで目線が合わないんだ?目を合わせるのが苦手な人なのか?
「……ライトでいいよ」
「らいと?」
Bは首を傾げ、眉間にシワを寄せた。
目をぱちぱちさせ、ぐっと僕に顔を近寄せるものの、やはり目が合わない。どこ見てるんだ、この人。
「夜神……らいと?」
「………………」
「月ではなく?らいとって読むんですか?」
いや、確かに珍しい名前ではあるけれど、そんなに急接近する程問いたださなくてもいいだろう。
「ええ」
僕は素直に答えると、僕から距離を取り、顎に手を当て考えた。
「やはり、日本語は難しいな……」
「はい?」
ボソッと呟いた言葉が聞き取れず、聞き返したがスルーされてしまった。
「読めないので、夜神くんと呼ばせてもらいます」
ええ、そこまで月という名前に食いついておきながら、苗字で呼ぶのかよ。……やっぱり読めないなこの人。
「ふふふ、名前の分からない人とは初めて出会った」
「ま、まあ、珍しい名前だねとはよく言われますけど」
「気に入った。夜神月」
Lの真似はもうしないのか、背筋を伸ばし、僕と同じくらいの身長になると、僕の手を握ったまま椅子のある方へ歩き出した。
Lの真似をしていると変態臭が凄いが、普通にしていればそんなことはなさそうだ。
座り方も普通で、あのLの変な座り方を見ているから、Lの姿で普通の座り方は斬新だ。
「あの、BとかLとか何なんですか?Lって一人なんじゃないんですか?」
多分答えてはくれないだろうが、Lには聞けないような事が沢山あり、聞いてみたくなった。
「Lは一人だ。オリジナルは一人。でも、Lの後を追っているものは大勢いる……L並の推理力を持ったものも……そして、Lを越すものも、ね。くくくっ……あっ。こういうことは言っちゃいけないんだっけ?まずいなあ、口が滑った。これあげますから、今のは秘密にしてくれますか?くっふふ」
大分、結構ベラベラ喋っていたが大丈夫なのか。
しかも、これあげるとか言って数分前にLが食べていたコアラのマーチを勝手に取り、僕に渡した。これじゃあ盗み食いだ。
「これ、Lのだろ?」
「え!Lの??これが?」
Bはコアラのマーチを掴みあげ、キラキラした目で見つめている。
「あはは!Lの、かあ!あっはははははは!じゃあこれはBのもの、だ!」
なんでだよ。こいつジャイアン思考なのか?
「持って帰ろう、うん、そうしよう」
「嘘だろ」
僕は思わずそんな言葉が漏れた。
Lの私物を持ち帰れる訳ないだろうと呆れつつ、Bから貰ったピンク色のコアラのマーチを口に放り込んだ。口の中に広がるイチゴ味がLのものを盗み食いしている罪悪感とざまあみろ感で美味く感じる。
「ところで、夜神月」
結局夜神くんでもないじゃないのか。どっちでもいいけど。
「Lのこと、教えてくれないか?」
「え?」
「Lについて知りたい。Lは何が好きなんだ?Lはどんな人だ?Lは人間か?Lの趣味は?Lはいつ寝てる?Lは普段どんな座り方をしている?Lは外に出るのか?Lは神を信じているのか?Lは──Lは──Lは──」
「そ、そんなの知らないですよ!僕に聞かれても」
ぐいぐい急接近してくるBの両肩を掴み、押し返した。
Lの正体なんて知らない。むしろ僕が教えてほしいくらいだ。
「Bの方が詳しいんじゃないのか?Lの知り合いだろう?」
「Lの知り合い?知り合いってなんでそう思うんですか?どこから知り合いだと?」
「いや……Lがあなたを知り合いだと言っていたから」
「知り合い!あっ、あっそう……そうか。知り合い、かあ……あっはははははは、L……」
Bは嬉しそうに微笑むと、コアラのマーチを抱きしめた。
なんだこの人……怖すぎる。コアラのマーチをそんな愛しそうにして……。ミサが僕を見つめる時と同じ表情だ。あまり深く関わらない方がいいかもしれない。
「Lの友達に、なれるかなあ」
「……友達になりたいんですか?Lと」
「うん。友達……それ以上の関係でもいい」
えッ……。
ゾッと寒気がした。
「まあ、今度テニスでもしてみたらどう?あいつ、ああ見えて結構強いから、勝てないかもだけど」
その言葉を聞いて、Bは机に手をかけ、身を乗り出した。僕の椅子の肘掛に足を乗せて上から降り注ぐようにBが急接近してくる。
「テニス?」
「………………うん」
恐怖だ。
怖くて身の毛もよだつ。
「……Lとテニスしたって?」
「………………うん」
「本当に?」
近い近い近い。そんなに急接近しなくても。鼻がぶつかりそうだ。
椅子を引きたいけど、今椅子を引いたらこの人落っこちるよな……。
別にいいか、落っこちても。
ゆっくりゆっくり椅子を引いて、少しでもBと距離を取ろうとしたが、Bはもう片方の足を僕の腿の横に膝を立て、ついには僕に跨るように僕の椅子に乗り移った。
「ほ、本当ですよ。というか近いです」
「……っ。ずるい」
Bはそんなことを呟くと僕の肩に顔を埋めた。
「ええ、ちょっと……」
僕はBの肩を押し、退かそうとすると、ギュッと抱きつかれてしまった。
(ど、どうすれば……)
「Bも……Lと遊びたい」
「……さ、誘ってみればいいんじゃないですか」
「どうやって?」
どうやって、ってそのまんま……遊ぼうって言えばいいじゃないか。それともこの人はそういう事が言えない人なのか?
「僕が聞いてみましょうか?Lに……」
「聞いてくれるの?」
「は、はい」
Bは嬉しそうに笑うと、僕に再び抱きついた。
「ありがとう夜神月。大好きだ」
「そ、それは、どうも……」
分かったから退けと背中をポンポンすると、Bは僕から離れ、元の席に戻った。
「きゃはははは!テニス……Lと、テニス!るん、るん、るん」
Lとテニス出来るってだけでそこまでワクワク出来るなんて逆にすごい。僕はLとテニスしていた時、ワクワクどころか、イライラしていたけど。
「……BはLのこと、好きなのか?」
そんな率直な質問をすると、Bはニコッと笑い答えた。
「愛してます」
うん……。愛してるとかそんなことは聞いてない。
「あ、そうですか」
これ以上踏み込んではいけない。そんな気がして僕は適当に答えた。
「夜神月はLのこと、どう思ってるんだ?」
「僕?友達、かな」
そんな在り来りな言葉が出た。それでもBにとってLと友達というのは羨ましいのか、親指の爪をガシガシと噛み、膝を抱えた。
「夜神月はLと友達、ということは、Bとは究極友達、ということか」
なんでそうなる。
しかもLよりも親密度が高いと勝手に思い込んでいるところが更に怖い。いや、Lとも親密度なんてほぼゼロに等しいのだが、この男とはゼロどころかパラメーターすら存在しない。無関係だ。
もう僕には扱いきれないかもしれない。これ以上話すのは辞めよう。
「それより、僕は新しいキラを見つけなきゃいけないんで……少し作業しててもいいですか?」
なんて言ってパソコンの方を見つめていると、Bはくくっと笑った。
その笑い方、なんか妙に懐かしい気分にさせるんだよな。なんでだ?
「キラ探し、ですか?そんなもの直ぐに見つかりますから、放っておきましょう」
すぐ見つかる?
「はっははっ!Bさん面白いこと言いますね。すぐに見つかったらLはあんなに苦労してませんよ」
半分ジョークで言ったのだが、Bは言い切った。
「見つかります」
…………………。
あのLが見つけられなかったキラを、簡単に見つけられるわけないだろう。
「……いやいや、ありえない」
僕は呆れて言葉も出なかった。
「Bなら見つけられる」
「ふふ、じゃあ見つけてみてください」
「断ります。Lの頼みなら聞くが……キラの頼みは聞かない。わっははは!」
あくまでもLの言うことしか聞かないようだ。
「んん?今の笑い方は違ったか?うしししししししか?いや、とほほほほほほ、か?うーん。ぞぞぞぞぞぞ!か?うーん、どれも違うなあ」
ヤバい奴だ。
見てないふりをしよう。
僕はBから目を逸らし、パソコンを打ち込むのに集中した。
そんなで僕は慣れないBとの共同生活が始まってしまった。
最初はどうなることかと不安だったが、Lじゃない分、身の回りの世話はしなくて済み助かってはいる。(風呂は除いて)そこまで監視らしい監視もせず、BはLの方に興味があるため、どちらかというと僕よりもLを監視しているといった感じだ。
手錠で繋がれているのが不便なだけであって、Lと比べたらBと手錠生活を強いられていた方がまだマシかもしれないなんて思いつつ、しばらくBとの手錠生活が続いていた。
──そんなBでも、見られたくないものがあるらしく風呂は僕と一緒に入ることはなかった。
風呂に入る時だけLと代わる。
風呂の時だけ変わるってのも、それはそれで気持ち悪いが、Bが風呂を一緒に入らないのは恐らく化粧を落とした姿を見られたくないからだろう。
逆にそこまで守っていると素顔が見たくなる。
風呂から上がり、寝巻きに着替えると、再びLと手錠で繋がれてしまい、今Bが風呂に入っている。
僕はBが来るまで布団で寝転がっていようと、Lの腕を引っ張って布団に寝転がった。Lも仕方なくベッドの上に上がるといつもの座り方で僕の隣に座った。
「どうです?彼との手錠生活は」
「ん?……正直面白いよ。あいつ、Lに似て結構変わってるしね」
「真似してるだけでしょう」
真似されるのは不本意なのか、Lは親指の爪を噛み、目を伏せた。
「Lとテニスがしたいって言ってたよ」
「……テニス……ですか……」
「やってあげなよ」
「いえ、断ります」
なんだよ、つれないやつ。
僕とはやったくせに、Bとはやらないのか。
「別にいいじゃないか、それくらい」
逆にBが可哀想に思えてきた。あんな謙虚にLを追っているのに、Lは見向きもしないなんて、可哀想だ……なんてミサがいる手前僕がそんなこと言う資格なんてないのだけれど。
「……私とBはそういう関係じゃありませんから」
「じゃあ、Lとテニスをした僕は特別って思っていいのかな?」
少しLを困らせてやろうと思って言ってみた。
「……そうですね、キラと疑われた月くんは特別かもしれません」
が、失敗した。
もういい。
僕はため息をついて、Lに背を向けて目を瞑った。
キラが捕まればこの生活も終わる……さっさと捕まえなければ……。
毎晩毎晩そんなことを考えながら寝ている。
しばらくすると、ガチャっと扉が開き、髪の濡れたBが戻ってきた。
「おかえり」
僕は物音に目を向け、Bを見つめると、ハッと目を見開いた。
「……B?」
そこにいたのはまさしく別人。美少年……というより、格好良い青年が立っていた。
僕は目をぱちぱちとさせ、Bの姿を疑った。
彼は初めて素の顔で僕の前に現れたのだ。
「いや、びっくりしたよ。化粧してないと別人だね」
「そりゃあそうだ」
Bは肩にかかったタオルで髪を拭きながら、僕の隣ではなく、Lの隣に腰掛けた。
「あまり私を装うのはやめた方が良いですよ、
B」
「何故?」
「何故って……分かるでしょう?私を狙うものは世界中にごまんと居ます。下手に私の真似をしていると狙われますよ」
「BはLのバックアップ、じゃないのか?だからこうしてLの真似をしているのに」
「しなくていいです。私の真似なんて」
「ふふ、南空ナオミに変態って言われたこと気にしてるの?」
「………………」
LはうざそうにBを睨んで、頬杖をついてそっぽ向いた。
「どんな格好したらあんな風に言われるんだ。私を名乗るんだったらちゃんとやってくれ」
「くくくっ、悪かったねL」
「私の名前を勝手に名乗らないで頂きたい」
「Lだって『竜崎』と名乗ってるだろう」
「……一回は一回ですから」
なんの話しをしているのか僕にはさっぱりだが、聞き耳は立てておく。
すると、急にLとBの空気が一気に変わり、嫌な予感に僕は目を覚ました。
「L、あなたは本当に恐ろしい人だ。キラの前で竜崎を名乗るなんて……。キラの力は『名前と顔』が必要。“もし仮に竜崎という名前でキラの力が作用したら、見た目もそっくりなBが死んでいた”」
「………………」
「──それを狙ったのか?L」
僕はBの推理を聞いて嫌な汗が流れた。
Bの言ってることが本当だとしたら、Lって……本当に──容赦がない。
僕もその話が気になり、寝返りを打って、後ろを振り向くと、BがLの頬を両手で包み込み、今にも喰われてしまいそうな勢いだ。
「犯罪者なら死んでもいいって、Lもそう思うのか?」
は、犯罪者……?
「思いませんよ」
「じゃあなんでキラ対策で竜崎を名乗った?」
「一回は一回って言ったじゃないですか」
Bは目を伏せると、Lは自分が付けていた手錠を外し、Bの腕に付けた。
「B、あなたは私に負けたんです」
「……いや、Bの勝ちだ。あの事件、完璧に解けてないだろう?」
あの事件?
事件?事件……。
─────勘づいた僕は息を飲んだ。
B。Bの事件と言ったら、あれしかない!ロサンゼルスを驚愕させた、無差別殺人事件!
──BB連続殺人事件!
そ、その犯人!?
全身に鳥肌が立ち、僕は繋がれている鎖に青ざめた。さ、殺人犯と繋がってるなんて冗談じゃない!Lも何考えてるんだ!僕とこんなやつを手錠で過ごさせるなんて!こ、殺す気か!?
寝ている場合ではないと、体を起こし、Bから離れるためにベッドから降りた。
「いえ、解けました」
「……嘘だ」
「いえ本当です」
LはBの耳元で僕には聞こえないように囁いた。
──B、あなたは顔を見ると、名前が見える。そうでしょう?
「………………」
Bは驚愕すると、Lから距離を取りありえないと言った表情で震えた。
「……な、なんで分かった?……どうして」
「分かりますよ。やはり夜神くんに会わせた甲斐がありました」
「僕?」
「夜神くんの名前は珍しい名前ですからね。読めなくて当然です」
名前が、読めない?
Bに僕の名前を見せた?
僕の名前を利用した?
やっぱ僕は利用されていたのか。
「……見てた……のか」
「B、もっと上手く隠さなくてはバレバレです。しかも、あの事件とも繋がっていましたし簡単に解けました。あなたは私に解けといいますが、私に対する挑戦というより──」
LはそっとBの頬に触れ、耳元で囁いた。
「──私に気づいて欲しかったんじゃないですか?目のこと」
Bは完敗なのか、何も言い返すことが出来ず、歯を食いしばり、握られた拳だけが震えていた。
「……っ、Lに勝ちたかった……どうしても。Lには解けない難事件を作れば、Bの勝ちだって……そう思っていた……」
「だからってやっていい事と悪いことがあります。あなたのやったことは悪です」
「そんなこと分かってる!──だから、殺人は犯さないようにあの人たちを選んッ……ッ……」
そこまで言ってBは下唇を噛んだ。
しまったと顔が歪む。
Lは何かに気がついたのか、目をまん丸にして、固まってしまった。
「……違う」
「まさか──名前以外も分かるのか?」
「違ッ、違う、違う……」
Bは必死に頭を振り、否定する。
攻められ、否定することしか出来ないBはガクッと項垂れ、目元を覆った。
完膚なきまでにLにやられた。
Bが口を滑らなければ絶対に気づかなかった真実にLは気づいてしまった──
「っ──もういい。もういいよ、L」
Lもこれ以上Bを攻める気はないのか黙ってBを見つめており、BはそっとLの頬に手を当てた。
「──殺して」
「…………………」
「死んだ方がいい」
「…………………」
僕も言葉が出てこなかった。
Lに真実を見抜かれただけで命を捨てられるのかと。この男はどれほど命を軽く見ているのか──それとも、命の価値を誰よりも分かっているのか。
Lならこの男を殺しかねない。Lは直接手を下さないが、Lに関わったことで殺される気がした。
僕はBの手錠を引っ張り、Lから離れさせると、力なく引っ張られた方向に倒れ、ベッドに寝転がった。
「よせ、そんなこと言うな」
「……キラに殺されてもいい。なんでもいい、早く死なせてくれ。オリジナルになれなかったBに何の価値がある。所詮はコピー、LになれなかったBは……ただの敗者……」
Bは歯を食いしばり、目元を両手で覆うと、Lはポッケに両手を突っ込んでベッドの上で立ち上がった。まるでBを見下すように。
その態度が気に入らず、僕はLに言いよった。
「L、あんまりBを虐めるな」
「虐めていません」
「お前の存在がBにとって悪影響なんだ。あんま干渉するな」
「私は何もしていませんよ。Bが勝手にやって、勝手に自滅しただけです」
「そうかもしれないが、BはLに認めて貰いたかったんじゃないか?本当はBの気持ちには気付いていたはずだ。気付かなかったなんて言わせない」
「………………」
「言っただろう。人の好意を踏みにじる様な行為は許せないって。お前はBの気持ちを利用して僕の元にBを連れてきた。キラと疑われた僕にだ。僕の名前を見せるために僕を利用したことも、Bの気持ちに気づいてて否定も肯定もせず、何も応えてやらなかったお前にも少しは責任があると思う」
「……じゃあ私はどうしたらいいんですか?私は誰かに好かれたりしたことが無いので分かりません」
Lといい、Bといい……人に興味を持とうとしないから人の気持ちが分からないんだ。天才的な推理が出来ても、人の気持ちを考えられないのならだめだ。
「少しは応えてやったらどうだ?Bの気持ちに。Bはお前とテニスしたいって言ってたたんだから、テニスとかしてやったらいいじゃないか」
「いや、そんなことはいいんだ」
Bは両手を顔から離すと、一瞬赤く光った瞳でLを見つめた。
「愛して、L」
っ、重い!
そんなの、友情すらもわかってないLには重すぎる。
Bも愛してと傲慢にも世界一の名探偵に言うのなら、もっと上手くやらなきゃダメだ。
──しかし、それはそれとして、言動には問題大ありだが、化粧を落としたBのルックスはかなり良い。そんな風に求められたら憎めないし、僕なら答えてやるが──Lならどうする。
「……愛、ですか」
Lは悩んだ後、Bの上に覆い被さると、Bの口に自らの口を合わせた。
「ッ!?」
僕は見てはいけないようなものを見た気がして、顔が熱くなる。
「なっ!」
誰がキスしろなんて言った!
「え、L……」
トロンと溶けたBは呆然とLを見つめた。
見ている僕も恥ずかしくなってくる。
「これでどうです?B」
「……L……っ、あんまり……嬉しくない」
Lの眉間がピクっと動いた。
すると、BはLを押し返し、今度はBからLに口付けをした。
「んっ」
「一回は一回、なんでしょう?」
Bは遠慮なくLの口を割って舌を入れるとぐちゅぐちゅといやらしい音が響き、僕は立ち尽くしてその行為を見ることしか出来なかった。
Lは口を動かさず、Bだけが貪るように舌を動かしていた。
「っ、んふっ、んっ、んっ……んっ」
Lは何もしていないのに、Bだけが蕩けていく。頑張って舌を動かしてLを攻めたいみたいだが、全くLは動こうとしない。
猫がじゃれあってるだけにしか見えない光景に僕も頭を抱えてしまい、この部屋から出て行きたいのに、手錠のせいで部屋から出ることも出来ない。ベッドにも近づきずらく、僕は床に胡座をかいて、頭をかいた。
「ぷはっ、はぁ、はぁ、きゃはっ、どう?L、気持ちいいだろう?」
「……あんまり、ですね」
仕返しのつもりか?
適当な返事にBは軽く歯を食いしばり、困った顔をした。
Bも僕達同様負けず嫌いなのかLの胸ぐらを掴み、Lを押し倒してキスをした。
今度はもっと、激しく。
「んっ!んんっ……ちゅっ、んあっ、はぁ」
「……はぁ……」
あんな激しくキスをしているのに、Lは吐息だけで全く微動だにしない。Bは目の端から涙を流し、必死にLを攻めている。
口を離すと、Bの方がクタクタであり、苦しげに肩を上下に動かしていた。
「はぁ、はぁ、はっ、はぁ」
「どうしたんですか?B……“そんなもんですか”」
Lの煽りにBは顔を歪ませた。
Lは上半身を起こし、両手でBの顔を包み込むと、優しく口付けた。
「強気に攻めるのは良いですが、必死になって攻めたってダメですよ」
咥えるようにBの口を塞ぐと、Lに覆いかぶさっていたBの体が起き上がっていく。
「ひっ、ぅ。んっ!……んんっ」
「一気に攻めるのは私でも難しい。ジワジワと追い詰めて行くことが勝利への近道です」
「あぅっ!?」
Bの腰をギュッとLが抱きしめると、Bの体は大きく跳ねた。びっくりしたとかそんなんじゃない。Lに腰を抱かれただけで感じているんだ。
「ああっ!あっ、あっ!」
Bは目をチカチカさせ、狼狽えていた。
Lに触られてるというだけで体は反応している。本当にLの事が好きじゃないとそんな反応はありえない。
「ぃやっ、だ、離してL……っ!んんっ」
「闇雲に攻めてはいけません」
LはBの口に舌を入れると、口内で優しく絡めた。最初は浅い所から、ゆっくりと徐々に攻めていく。相手の息が上がり、負け時と向こうも舌を絡めてくればそれを覆すほどの舌使いで圧倒していく。どんどん舌は奥の方に潜り込んでいき、Bは息を合わせるのも苦しそうだった。
瞳は焦点が合わず、上を向いていく。
口の端から垂れた唾液はBをぐちゃぐちゃにし、いつの間にか力を失ったBをLが押し倒していた。
BもLを攻めようと自ら舌を入れるものの、簡単に押し返されてしまう。
LがBの口から舌を離すと、2人を繋ぐように太い線が2人を繋いだ。
「はぁっはあっはあっ」
「加減を誤った攻めは自滅をもたらします」
「はあはあ……Bは攻め……。Lが受け、だ」
「いえ残念ながら受けはあなたの方です。私はやられません絶対に」
すると、BはLの首を両手で掴み、ぐうっと握った。
「おい!」
さすがにやりすぎだと僕は手錠を引っ張ったが、Bの力は強く離れない。
「っ……」
Bは不敵な笑みを浮かべるも、それはほんの数秒の事であり、今度はLがBの首を両手で掴むと、グッと首の中心を押した。
「アガッ!!ッ、ッ」
苦しいのか、目からは涙が溢れ、口から舌を垂らした。
「だから、言ったじゃないですか。闇雲に攻めても自滅すると。そんな力いっぱい首を握ったって苦しくないんですよ。やるなら、そう、首の中心、甲状腺を押し潰すようにやらないと」
「ッ!ッ!ッ!」
苦しそうにもがいており、口の端から唾液が垂れている。
本当に死んでしまうんじゃないかと恐怖を感じた僕は居てもたってもいられず、Lに掴みかかった。
「おい!よせ!L!死んでしまう!」
僕が止めに入るとLはBの首をパッと離し、両手を上げた。
「殺してと頼んだのはBの方ですよ」
ヒューヒューと苦しそうな息が上がり、嗚咽にも似た泣き声が僕の胸を締め付けた。
「だから、お前はやりすぎなんだよ」
そこがLの強みでもあり、悪いところだ。
やりすぎ。
Lは攻める事も上手にやるが、その加減を誤ることがある。本当に殺したりなんかしたら、一生Lという人物に誤解が生まれることになる。
「すみません」
全く反省していない謝罪を聞き終わったあと、未だ苦しそうに息を上げているBの肩を揺らした。
「おい、大丈夫か」
すると、僕が触れただけなのにも関わらず、ビクビクっと肩が跳ね、縮こまった。
「っ、わ、悪い」
驚かせるつもりも無かったのだが、Bは自分の体を抱き締めてそっぽ向いた。
「さ、わらないで……」
とは言うのものの、頭の横に置かれたLの手には頬ずりをして自ら触れている。
「L……」
本当にこの男はLが好きなんだと、どこか嫉妬する。あの世界一の名探偵Lを知っているのは僕だけだと思っていたのに……。こいつは僕とLが知り合う前からの仲だったってことだ。妬ける。
僕が落胆していると、Lがそんな僕に気づき、ニヤッと笑った。
「何妬いてるんですか」
「っ、妬いてなんかないよ」
腕を組み、そっぽ向くと、Lが月の頬に触れ、首にキスを落とし、囁いた。
「っ!」
「私はあなたも好きですよ」
顔が熱くなり、サッとLから離れ距離をとった。
「な、何を」
LはBから離れると、僕の腕を掴み、引き寄せた。
そして、ギュッと抱きしめると、耳を甘噛みし、中に舌が入る。
「ひっ!」
ぞぞぞっという快感が腰に伝わり、全身が逆立つ。
「………………」
ぐちゅぐちゅといやらしい音が鳴り響く中、Bは起き上がり、羨ましそうに僕達を見ている。
「なっ!お前……やめっ……」
段々と脳が蕩けていく。
視界が涙で歪み、体の力も抜けていく。
そして、チュッというリップ音と共に僕の腰は力が抜け、ガクッと倒れた。が、Lに腰を支えられ、何とか体制を保っている。
「おい」
僕はLを睨むと、すぐさまLの背後に不機嫌そうなBが居ることに気づき僕はLから咄嗟に離れた。
すると、Lに覆い被さるようにBが背後からLに抱きついた。
「っ!」
成人一人がのしかかり、更には僕を支えていたせいでLは前に倒れると僕を巻き添いにして、床に横転した。
「ぐっ!」
「ッ!……B……!」
「すみません」
LはBを睨むと、Bは申し訳なさゼロの謝罪を零した。
「っ……そんなに私に構ってほしいんですか」
「構ってほしいに決まってる。じゃなきゃあんな事件提供してない」
事件を提供ってやっぱりこいつ犯罪者か!
僕はBを睨みながら、2人から距離を取ると、LはBを立ち上がらせて、ベッドに突き飛ばすように押し倒した。
「っ!」
「ぉわ」
離れたいのに、離れられない。Bの手錠に引っ張られ、僕までよろけた。
「L、そんなにがっつかなくても、Bは逃げたりしない」
「一回は一回って言ったじゃないですか」
そこも一回は一回なのかよ。なんて内心ツッコミは入れつつ、LはBのズボンに手をかけた。
「私に認めてもらいたくてあんな事件を起こしたとしたら尚更許せませんね」
「それしかLに認めて貰う方法が思いつかなかった……。どれだけ良い成績を出そうと、どれだけ優れた才能を持とうとあなたは振り向きもしてくれなかった……」
「………………」
Bの足を持ち上げ、Bのズボンを脱がしていく。
「ならば、今、応えます。B」
「っ、L……Bが受けなのは……違う」
そんなBの声は届いておらず、Lの指が中に入ってくる。
「うっ、ぅあ!……ぃやっ、L!」
Lに愛されたいという気持ちはあるものの、Bは自分がされる側になるのは嫌らしく、Lの肩を押し返し抵抗した。
「負けたんですから、我慢してください」
「負けてなぃッ──!ひあっ!あっ!」
Bは腰をビクつかせ、布団のシーツを強く握った。呼吸がどんどん荒くなるBの姿を見ていると、ドクッと脈が打つ。
「負けたじゃないですか。完膚なきまでに」
「ちゃんと全部……解けてないだろう……!」
「解きました。あのクロスワードパズルだって私は解きました」
「アアアッ!アッ!アッ!」
少し指を曲げれば気持ちのいいところに指が当たる。その快感に溺れ、もがくようにシーツをかいた。
「ここ、好きなんですか?」
「うっ、だめ、そこ、き、気持ちいい……!L……L……こんなのやだ……」
「やだってあなたが望んだ事ですよ」
「違う、違う。Bは攻め……受けじゃない。強気な攻め、だ」
なんて言うけれどそんなに気持ちよさそうに腰をくねらせてるんじゃ全く説得力がない。
「Bが攻めなら、私はもっと攻めです」
激しく指を動かせば、どんどん喘ぎ声は大きくなり、乱れていく。
「あ゛あ゛!?はっ!アッ、やだぁ!あ゛ぅ!」
ガクガクと震えながら、軽く絶頂した。
「ひぅっ、っ〜〜〜……!!」
腹に体液が溢れ、首に力が入らず、ガクッと倒れた。死人のように力尽きてしまい、肩でゼェゼェと息をきらしている。
「ァッ、アッ、ハァ、ハァッハァッ」
浅い呼吸を繰り返し、目からは涙を零した。
「もうイッちゃったんですか?」
「……激しくするからぁ……」
「私は強気な攻め、ですから」
Lは興奮しきった表情でニヤッと笑うと、Bは赤い顔を逸らし、両腕で顔を隠した。
「こんな時でも……死を感じなきゃいけないのは……苦しい。L……」
死?
何の話をしてるんだ?
Lは両腕を掴み、Bの頭の上で拘束すると、自分のを当て、グッと押し入れた。
「んアッ!ッア!?挿れ、てっ?!……アアッ」
「……?……B、初めて、なんですか?」
「あ、当たり前だろ。こっ、こ、こんな、こんな事……Lとせ、ックスなんて……か、考えられないっ!頭おかしくなるっ!」
グルグルと目は渦を巻き、大分パニック状態になっている。
「煽り文句が酷いから経験者なのかと……」
「やだ、やだ、怖い!……ごえ、ごめん、ごめん許して、え、L、ごめんなさい」
そんな謝って済むとでも思っているのか。人の命を奪っておいて……。あんなに泣き腫らした表情で必死にLにすがりついているBは可哀想な反面かなり虐めたくなる。これがS心なのかめちゃくちゃに泣かせてやりたいと思うのだ。Lがどう思ってるかは知らないけど。
「この程度で怖いって……よく言いますね。好きな人に抱かれたら嬉しいものなんじゃないんですか?私は自ら炎に飛び込む方が怖いですけど?」
「あれはそれしか無かったから……!死ぬ思いであなたに……あの事件を提供したんだ!……壊れるっ、もう壊れるのは嫌だ!」
「十分壊れてますけどね……むしろ、私が手を入れた方が治るんじゃないですか?」
「ば、バカ言ってないでやめろ!や、嫌だっ!動かしちゃ、ダメだって……!苦しい」
目をギュッと瞑り、顔を歪ませたBはLの髪を掴み、引っ張った。
「うぐっ!」
「離せ」
「……っ、B、照れ隠しはもっと可愛くやってください。一回は一回、分かってます?私はあんまり暴力とか振るいたくありませんよ?」
Bの長く伸びきった前髪をガッと上に持ち上げ、顔が露になる。Bの顔が露になり、彼の可愛らしい顔に僕の調子も狂ってくる。変態だとかヤバい人だとか色々言ったが、その見た目だと言っていたこっちが申し訳なくなるくらいの格好良さだ。なんでLなんか目指し、あんな不気味なメイクまでしたのだろうか。
「可愛らしい顔をしてるんですね、B」
Bは恥ずかしいのか、耳まで真っ赤にし、顔を隠そうと必死に首をくねらせるが、両手を掴まれているんじゃろくに顔も隠せていない。
「何も私の見た目に合わせなくたっていいんです。変態って言われますよ」
「……っ、ふっ、やっぱ気にしてるのか。……あんっ!」
奥にグッと入り、歯を食いしばったBは可愛らしく喘いだ。
「変態でいい。Lが天才ならBは究極天才……。Lが変態なら……Bは究極変態ッ……だ」
あくまでもBはLを越えたいみたいだ。それは頭脳だけでなく、何を対象にしてでも越えたいと思っている。それが執念深く、重い。どれだけの愛をLに注いできたのか僕には計り知れない。
「私は変態じゃないです。が、Bが究極変態と言うなら、私は至極最強の変態ってことになってしまいますね。あんまり良い気はしませんが」
負けず嫌いが発動している。
そんな事で張り合うな。本当に幼稚だなと呆れた目で見ていると、僕の手錠が引かれた。
「ちょっ!引っ張るな!」
Bの腕に鎖を巻き付け、抵抗出来ないようにロックする。
僕も鎖に繋がれているため、Bとの距離が縮まり、Bの顔に近づいた。
蕩けた顔は可愛らしく、変な気を起こしかけ、固唾を飲んだ。
「夜神月……お前はLそっくりだ……」
「っ、僕が?」
「Lに近いものを感じる……そんなお前が……羨ましい」
そのセリフ……どっかで聞いたような。
「………………」
嫌な汗が流れた。
今この男をめちゃくちゃにしたらどうなるんだろうとか、汚してみたいとか、ぐちゃぐちゃにしてみたいとかそんな汚い欲ばかりが浮き出てくる。
ダメだ、ダメだ、そんなこと出来ない。
奥歯を噛み締めて理性を保っていると、Lが激しく腰を動かした。
「ひぁっ!アッ!アッ!アッ!だえ、だめ、だめ、そんなに攻めちゃ、だめ、だッ!あん、んっ!」
全身に電気が走るような快感に顔を歪ませた。
Lも苦しそうに顔を歪ませ、Bの気持ちの良いところをついている。
僕はこの輪に入らざるを得ない空気感にいやいやいやと頭を振り、ベッドから離れようとした時、Bに服の裾を噛まれ、止められた。
「っは!っは、もう、怖い。……助けて……夜神月……」
L、Lと言っていた癖に、Lの攻めに耐えきれなくなれば僕に縋り付く。そんな姿は何とも謙虚で可愛らしい。
「僕は……」
「壊れそう……あ、頭が……バカになる……」
大好きと言って抱きしめてくれたBに嫌悪感はない。むしろ……Lの後をずっと追い続けてきたBは嫌いじゃない、そういう謙虚な人は、僕も大好きだ。
何だかLに虐められるBが可哀想に感じ、顎を持ち上げ上からキスをしてみた。
柔らかい唇は甘い味がする。恐らくLが食べたチョコの味だ。
舐めとるように優しく口付けを交わしているとBのを握りグッと奥に突っ込んだ。
「お゛っ!?」
「何夜神くんとよろしくやってるんですか」
「っ!んあっ!あっ!あっ!えるっ!」
「はっ、夜神くんも、夜神くんです。っ、この人を甘やかさないでください」
「そうは言っても、そんなに攻めたら可哀想だ」
口が離れると苦しそうに喘ぐBに、さっき言ったことが嘘みたいにもっと苦しめてやりたいという欲が出てくる。
「アッ!アアッ!そこ、だめ!あっ!L、L!」
「Bのやったことを私は許してませんが……私の事をここまで愛した人もあなたが初めてです」
Bは僕に顔を擦り付け、Lの攻めに耐えている。
わずかに震えている体はその快感に溺れている証拠。
目が上を向き始め、口から舌が出た。
「ひっ!アッアッアッアッ、ぐ、ぅ、おぐぅ、ゴツゴツ気持ちいぃ……!」
ダメだ、完全に飛んでいる。
口から出ている舌を絡めるとるようにもう一度口付けをすると、今度はBから僕の口内に舌を入れた。
「え、える、愛してる」
僕と舌を絡ませながら、Lの名前を読んだ。
「えう、えゅの欲しい、もっと!もっとお」
僕は口を離すと一本の線で繋がり、気持ちよさそうにLを受け入れてるBはLに手を伸ばした。
「?」
「える、えゅ、えぅ、頂戴。えるの遺伝子、欲しい」
とんでもない誘い文句に関係ない僕ですらグラッと目眩がした。この男はミサに似て魔性の男なのかもしれない。
「イクなら、一緒にです。B」
LはBのを卑猥な手つきで擦り、下品な喘ぎ声が部屋に響いた。
「え゛るぅ、うぅ、うっ!うっうう!」
そうやってL、Lと言っている口がうるさく、Bの口に僕の指を入れた。
「んぐっ!?んんっ!んん!」
普通口の中に指なんか入れたら抵抗したり、噛んだりするものなのに、慣れた手つきで僕の指を舐め回し、しゃぶった。
「んっ!ちゅっ、……んんっ、んあっ、あむ」
モグモグと指をむしゃぼる姿に手に何か塗ったら美味しそうに食べそうだなと想像してしまい、丁度サイドチェストにBのイチゴジャムが置いてあるのを思い出した。
イチゴジャムを手に取り、チョコの味をかき消してやろうと、人差し指でイチゴジャムを掬い、Bの口元に持ってきてやると、美味しそうにそれを咥えた。
「あむ、んっ、んんっ、んひっ、ぅ!んっ」
喘ぎながら指に着いたイチゴジャムをペロリと舐めとき、今度は二本指で掬って、食べさせると、二本の指ごと咥えて、イチゴジャムを舐めとった。
「あっ。んっ。んんっ、ちゅ、っん」
犬みたいで可愛らしいなんて思い、LにめちゃくちゃにされているBを僕がめちゃくちゃにしてやりたいという感情に襲われ、今度はイチゴジャムを手のひらで掬った。
手は真っ赤に染まり、口に流し込むように手を持っていくと、顔についたジャムなんて気にせず、手ごと舐めまわした。
「B、凄いね、上手」
素直に受け入れるその姿勢は愛らしく、可愛らしい。
汚れていない方の手でBの頭を撫でてやると目元がトロンと蕩け出した。
「んぐっ!んっ!ぐっ、んんっ!んんんっ!」
手のひらについたイチゴジャムを舐めとり、全てゴックンすると、まだ欲しいのか舌を突き出して待っていると、今度はLがBに覆いかぶさり、キスをした。
「あぅっ、んんっ、えゆ、えゅぅ」
Lも甘いものが食べたいのか、Bの口の周りについたイチゴジャムを舐め回す。
髪の毛や頬についたイチゴジャムを手で拭き取り、僕も自分の指をしゃぶってみると、甘いイチゴの味が広がり、口内が甘く溶けだした。
「ちゅっ……ちゅっ」
軽いリップ音を響かせて手についたイチゴジャムを食べていると、Lが僕の手首を掴み、引き寄せた。
「!?」
びっくりしてLの方を振り返ると、僕の手についたイチゴジャムを舐めとり、最後はじゅっと指を吸ってみせる。
「〜〜〜!」
Lにそういうことやられると一気に顔が熱くなる。
手を引っ込め、Lから離れると、フッと珍しく笑った。
「あっ、える……える、こっち、こっち向いて……」
Bはいつの間にか自力で抜け出した鎖を解き、Lの服の裾を引っ張った。
「はい、見てますよ、B。可愛らしく感じていましたね。顔がぐしゃぐしゃです」
イチゴジャムの砂糖で髪の毛が頬にくっつき鬱陶しそうだが、それが余計に色気を放っていた。
「そ、そんなの言わないで……」
「わざとです。その方が、感じやすくなるんでしょう?」
耳元で囁けば、Bの腰がビクッと跳ねた。
「変態ッ……」
弱々しく言い放つと、LはBを起き上がらせて抱きしめた。
「すみません、夜神くんの相手は後でしてあげますから、待っててください」
その一言で僕は火を噴くんじゃないかと言うくらい顔が赤くなり、パニックになった。
「はあ!?……え!?あっ!え!」
Lの上に跨ったBは更に深いところに当たり腰が砕けて、動けずにいた。
そんなBの腰を支え、ゆっくり上下に動かすと小さな喘ぎ声が響き、徐々に激しくしてみれば、どんどん声が大きくなる。
「アッ!アッ!アッ!気持ちっ!あ!L!」
「B、私の“合図”でイケますか?」
「い、イけるッ」
真っ先に答えたBはLに抱きついた。
LはBの耳元で囁きながら、打ち付けるスピードを上げ、激しくした。
「あなたのお気に入りの数字でいきましょう。『13』……12……11……」
焦らして、焦らして最後に攻める。
「アッアッ!アッ!アアッ!激しい!アッ!」
Lの得意とする攻め方だ。ジワジワと相手を追い詰める。巧妙なやり口であり、相手を焦らせ、焚きつける。
「10、9……ほら、まだイクな」
「あぅっんっ!んっ!んっ!んんっ!」
自分の指を噛み、必死にLの快楽から逃げようとする。
Lの言いつけを守らせる。そうやって躾ないとまた何をやらかすかも分からないから……。
「8、7、6……っ、5……」
Lも苦しそうに呼吸を整えつつ、Bの耳元で囁く。
「4、3……はっ、まだ我慢してください」
打ち付けるスピードを上げ、Bは泣きわめくように首を振り、体を乱した。
血が出るんじゃないかというくらい強く噛んだ手を噛まないようにLが指を絡めて恋人繋ぎをした。
「くるっ、くるぅぅッッ!あっダメ!」
「まだ、まだだ」
意地悪。あんなの、僕がやったらどうなっちゃうんだ。考えただけでも──ゾクゾクする。
「2、1……」
「イッ、くッ、アッ!アッ!アッ」
「0……」
しかし、まだBはイカない。
カウントダウンは0をきったのに。待ってるんだ、Lの合図を。
「B……イッて?」
「ッッ〜〜〜〜!!!」
Lの合図で声にならない悲鳴が上がり、Bは天を仰ぐとガックリ項垂れ、Lの肩に顔を埋めた。
「あっ、あぁッ……あっ」
余韻で体を痙攣させながら、Lにしがみついた。
LもBの頭を優しく撫で、慰めると、倒れるようにベッドに沈み、気絶した。
「だから、お前はやりすぎなんだよ」
スースーと寝息をたてて眠ってしまったBに次は僕の番かとハラハラドキドキしていると、Lは僕の方に振り向くと不機嫌そうに睨んだ。
「な、なんだよ」
僕何かしたか。
LはBに繋がれていた鎖を外し、自らの手に付けると、グッと鎖を引っ張って僕を引き寄せた。
「Bに何かされましたか?」
「え?いや、何も……」
「本当ですか?触られたりとか、キスとかされませんでしたか?」
「な、なん、のことだか」
Lの目がガチで怖い。
以前Lのいないところで『事を足した』のがバレている雰囲気に僕は嘘をつく気も起きず、苦笑いした。
「あはは、見られちゃったかな」
「見てました。夜神くんにも躾が必要ですかね?勝手に私の後輩に手を出したりして。それに私の情報を流すのはやめてください」
うわっバレてる。Bと手錠生活を強いられている間、キラ事件とは別の事件を追うと嘘ついて別室にいたのか。そこで監視していた?
十分有り得る話だ。
「いや、悪かったって。だって、全然お前構ってくれないし……。Bならお前の情報と引き換えって言えば喜んで僕の言うこと聞いてくれるし。可愛くってね。それに、知り合いだって言ってたから、お前の話くらい良いのかと」
「良くないです。知り合いどころかBは私の敵です、悪です。今後一切私の情報は流さないように。良いですね?」
「わ、分かった、分かったから、離れてよL……」
「それと──Bに体を許すのはやめて頂きたい」
「な、なんで……」
「夜神くんの体は私のものですから」
い、いつからそんなことに!?
僕はぶんぶんと首を振ると、胸に手を這わせた。
「もう少し、私と付き合ってください。本当は夜神くんも限界なんでしょう?」
そう言ってLは僕の股間に膝を入れた。
あんな激しい行為を見せられて興奮しないなんて無理な話だ。
僕は悔しいけど、Lに攻められたい。Bみたいに乱れたい。Lに壊されたいなんて、柄にもなく思ってしまい、Lの首に腕を回した。
「しょうがないな。付き合ってやるよ、L。でもあんな激しくは耐えられない──優しくしてよね?」
♡♡♡
──それから数週間後、新しいキラである火口を確保し、デスノートが──僕の元に戻ってきた。
記憶も戻った。もう時期Lを葬れる。
Bの名前も過去の殺人事件から本名が炙り出されている。
もう終わりだ。L共々まとめて死ね──
BとLとの手錠生活も終わり、晴れて自由の身──Bは帰るらしく、Lともお別れだと言っていた。
僕もLとはお別れしたいけれど、Lを監視しておかなければならない為、この捜査本部には通いになりそうだ。
「目の話も聞けましたし、死神の存在も確認できて、私は大変満足しました」
レムから目の事をしつこく聞き出していたが、僕がキラだという材料にはならないだろう。何せ“Bはデスノートの所有者じゃない”のだから。レムのやつが上手いこと嘘をついてくれ、『目を持っていればキラの寿命は見えない』と嘘をついてくれたおかげで、Bからの監視は終わることが出来た。正しくは『デスノートの所有権を持っていて、尚且つ目を持っていればキラの寿命は見えない』だ。デスノートの所有者じゃないBは僕の寿命が見えている。
「L、夜神月はキラじゃない。それは彼の寿命が記しています」
むしろ、Bが僕のありばいを解いてくれる。
本当にお前は不幸な人間だ。Lにもキラにも届かない。愚かなマリオネットだ。
「しかし、あのLが疑ったというだけで私は十分夜神月を疑っていますが、くくくくくっ」
まだそんなことを……。証拠なんて何も無いくせに。
「もう帰るんですか?B」
「いえ、日本でやらなくてはいけないことがありますから──」
やらなきゃいけないこと、だと?正体不明のお前がやらなきゃいけないことなんてろくな事じゃ──
「赤ずきんチャチャのグッズを手に入れなくてはいけないので」
ああ、なんだ、そういう……。
「それと──」
Bは扉にかけた手を離し、振り返った。
「南空ナオミの行方を探そうと思いまして」
南空ナオミ──!?
あの時僕と会ったあの女!!
Lは目を見開くと、ジトッとBを睨んだ。
「南空ナオミは恐らくキラに殺された可能性があります。今更何故彼女を追うんですか?」
「そんなの、彼女は私の舞台をぶち壊した人ですからね……死に顔くらい見ないと許せませんよ」
馬鹿め、絶対に見つかるはずがない。
デスノートでは、見つからないように書き込んだ。例えLの跡継ぎと言われたお前でも見つけられる訳がない。見つけたところで僕がキラだとは断定出来ない。
せいぜい僕が殺すまでの間もがいて探せ、B。
Bはドアを開け、廊下に一歩踏み出すと、最後に別れの挨拶をした。
「L、最後にあなたに会えて良かった。あの事件、最後まで完璧に解いてみてください。きっと、キラ事件に大きく関わることでしょうから」
「そうですね。あなたが牢獄に戻ったら考えます」
「くくくっ。あなたが死んでも“代わり”はいます。──安心して殺されてくださいね」
Lは腑に落ちなさそうに首を傾げた。
代わり?だからなんだ。お前なんてすぐ殺せるさ。大丈夫、L以上の名探偵なんて存在しないのだから。
「そして、キラ、あなたは“私達”がかならず捕まえます。証拠を突きつけ、必ず勝つ。そう──『正義は必ず勝つ』。我々の勝利です。──それでは、御機嫌よう」
Bはそれだけ呟き、捜査本部から出て行った。
変わったヤツだったが、Lの後継者にはふさわしい、最高のやつだった。しかし、最後は僕が勝つ。いつだって、悪の前ではキラは正義。この世に犯罪者など要らない。
もう時期さよならだ──L、B。
──Bが去ってすぐの11月05日。
キラの策略にまんまとハマったLは死神によって殺された。
BはLが死ぬことを勘づいていたのかもしれない。既にBB連続殺人事件をきっかけに名前が公表されてしまった自分も死ぬことは分かっていた──
そして、ワイミーズハウスに一通の手紙が届いた。
ガヤガヤと子供たちが騒ぐ中、メロは自室で頭を抱えて蹲っていた。
「Lが……死んだ?……Bも……キラに殺された……?なんで……」
あの目標としていたLが殺された。そして、Lの候補者と言われていた僕たちの先輩も殺された。その悲しみとショック故に、頭をめちゃくちゃに毟りたくなるほど、落ち込んでいた。
そんな時、呑気な同居人はパソコンを弄りながら僕の部屋に帰ってきた。
「おい、メロ、大丈夫か?」
「……話しかけないでくれ……」
今正常に話せる気がしない。
例えそれが相棒のマットでも……こんな姿は晒したくなかった。
しかし、アイツは僕の隣に座り、パソコンを見せてきた。
「こんな時で悪いけど、いつ消えるか分からないから、今のうちに話しておく。Bからメロにメッセージが来てる」
「っ!?」
ハッとメロは顔を上げた。
Bから!?
確かBはLの元に行ったという噂を耳にした。
本当に会いに行ったのか……?
メロは食いつくようにマットのパソコンを奪い取り、メッセージを読んだ。
『──やあ、メロ。単刀直入だが、Lがもう時期死ぬ。そしてBも死ぬだろう。後継者はメロとニアだけになった』
Lが死ぬことを勘づいている……!
やはりLに会ったのか。
『後は任せる。どんな手を使ってでもLを葬ったキラを死刑台に送ってくれ』
当たり前だ。
必ずキラの力を暴いて、僕が死刑台に送ってやる。
『そして、BB連続殺人事件──藁人形事件だの、密室殺人事件だの、変な名前が付けられて非常に不愉快だ。あれはただの殺人ではなく、オリジナルを越すために用意した事件。L is After Beyond Birthday.通称L.A.B.B.あの事件の詳細をここに記す。メロの優れた頭脳ならば推理出来るだろう?当ててみてくれ。それがきっと──“キラ事件に関わる大きな秘密に辿りつく”』
大きな秘密──これは『死神の目』の事を表している。
その後綴られたL.A.B.B.の内容を数十分程かけてメロは読み解いたが、やはりBBという名前に限り、簡単に殺せたことは理解し難いようだった。Bもキラの力を持っていた。そんな風に考えてしまうが、キラの力を持っていたらキラに殺されるはずもない。
やはり、普通の人には解けない。あのLですらも解けなかった超難解事件に僕は言葉を失った。
パソコンを置き、呆然と画面を見ていると、ピピッ!という音が鳴り、一通の通知がきた。
その通知は──Bからの最後のメッセージ。“今”、突然、送信された。
──メロ、
目には気をつけろ。
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