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それはある夏の日だった。外を歩けば蝉の声と照りささる太陽の光にすぐに視界が独占される。そんな日にローは、誰も来ないような神社に1人、ぽつんと立っていた。
ここはどこか、何故ここにいるのか。そんな疑問が浮かぶが、何一つ見当もつかない。
先ずはここがどんな場所なのか把握しなければ。そう思ったローは停止したまんまの思考を慌てて巡らした。
目の前にあるのはただの神社だった。
だが、鳥居にはたくさんの苔が生えている。それだけでわかるだろう。この神社は人の手が届いていないものということが。
「…早く帰らねぇとコラさんが心配しちまう。」
コラさんとは俺の恩人だ。あの人に妙な心配はかけたくない。そう思っていると、人の影はないはずのこの場所にどこからか声が聞こえた。
「くすくす、帰れるはずないのにね」
「くすくす、そうだね」
くすくすと嘲笑う声が耳へと刺さる。笑われていい気分になるやつはいないだろう。
だがこの状況を打開する方法なんてこれっぽっちも出てこない。どうしようかと悩んでいると、また新たな声が聞こえてくる。
「──お前らまーたやってんのか?」
そう言った少年がローの前へ軽々と降りてきた。ぺたんっと草履が音を立てる。
服装もなんだか今の時代にはあってなく、なんだかここにいるのが間違いかのようになっていた。
少年の顔を見ようと視線を上げる。少年の頭には何も被ってなく、何故だか寂しい気持ちが生まれた。なにか、被っていたような。
生まれるはずのないこの不思議な自分の気持ちを訝しむ。
そんなふうに悶々と考えていると、目の前にいた少年がローの顔を見たと思えば、ぱぁっと表情を明るくした。
「トラ男!トラ男だろ!!」
「は?トラ、男?」
またモヤモヤとする気持ちが生まれる。なんだ、この違和感は。こいつとは初対面なはずなのに、初対面な感じがしない。
それに、トラ男なんて初めて呼ばれた。でも、嫌な気はしない。
そんな俺の言葉に少し目を見開いた後、しゅんとする。俺は無視をしようとしたのに、何故か口が動いて少年にこう聞いてしまった。
「…なんで、そんな悲しい顔してんだ」
「顔?」
言われた少年はさっきまでの悲しそうな顔がなかったかのように目を見開いた後、不思議そうな顔をしながら自らの顔をぺたぺたと触っていった。
「うーんおれ、そんなへんな顔してたか?」
「変な顔っていうか…悲しい、のか?」
「悲しくはないぞ!トラ男にやーぁっと会えたからな!」
…やっと?俺は、こいつと会ったことがあるのか?不思議な気持ちが俺のなかを駆け巡る。
ただの勘だが、俺はこいつを知っているような気がする。少年はにかっと満面の笑みを浮かべた。そんな少年の様子に、ローは嘘ではなさそうと確信する。
このもやもやの正体を明かすべく、目の前の少年へと質問をした。
「お前、ここに住んでんのか?」
「んや、住んでねぇ」
「じゃあ、なんでここにいるんだ。それと、その服装もなんなんだ?」
「なんでかはなぁ、おれがここにいたいから!あと、服装はずっとこれだぞ。」
…意味がわからない。明らかにしようとしたはずなのに、余計にわからなくなった。
そんなまだ納得してなさそうなローの様子に閃いたように、声を上げた。
「そうだ!」
「あ?」
「──おれな、100年前ぐらいから生きてるんだ」
「……は?」
…なに言ってんだ、こいつ。
続きは私に書く気力があればです
はぁ文才がゴミ
読んでくれてありがとう