十月下旬、秋なのに季節外れに暑い日だった。執務室の入口で私は途方に暮れていた。
「名字が変わったから離婚したのは本当みたいだけど、離婚する前とまったく変わらないように見える」
「離婚する前は不倫してたんでしょ? しれっとした顔で不倫できるくらいだから、離婚してもしれっとした顔ができるわけね」
「知ってる? 係長を追い出したあと、元旦那さんと子どもたちも家を出てったんですって!」
「えっ。それってどういうこと?」
「もしかして係長、不倫相手を家に連れ込んでたんじゃ……」
「なるほどそんな汚れた家じゃ住みたくなくなるわよね」
「自宅不倫がバレて家を追い出されて実家暮らしか。私ならそんなの惨めすぎて耐えられないな」
「仕事を生きがいに耐えてるんじゃない?」
「迷惑よねえ。毎日毎日細かいことでねちねちねちねち言ってきて。もしかして離婚して子どもにも会えないストレスを私たち部下相手に発散してるのかしら?」
「だとしたら許せない! 仕事に私情を持ち込むなと言ってやろうかな?」
「どうせ言えないくせに」
「まあね……」
爆笑する四人の私の部下たち。私がその場にいないのをいいことに言いたい放題だ。面と向かっては何も言えないくせに。面従腹背とはこのことだ。
同じ庁舎の別の部署で働く鉄雄さんから会いに来るなと言われていたから、ばったり会うことがないように私はなるべく執務室から出ないようにしていた。昼休みにトイレに行くためにちょっと席を外したらこれだ。
部下たちはまだ鉄雄さんが別の女性と再婚したことを知らないようだ。それを知れば、なおさら私は笑い者にされるのだろう。
執務室に飛び込んで、私は不倫なんてしていない! と叫びたい。でもそれをすれば当然次のような質問が飛んでくるだろうから、私は沈黙するしかない。
それならどうして離婚したんですか? どうして家から追い出されたんですか? どうして子どもたちと会わせてもらえないんですか?
私がしたことは不倫より許されないことだったのだろう。高校時代、鉄雄さんは一度私の浮気を許している。でも私の浮気はただの浮気ではなかった。実は浮気相手は三人もいた。浮気相手といっしょに鉄雄さんの悪口で盛り上がり、雰囲気に流されたとはいえ、ときには彼の母親まで侮辱した。鉄雄も佳乃とハメ撮りしまくってるんだぜと言われて、恥ずかしい写真やビデオもたくさん撮らせた。結果的にそれが仇となり、私はすべてを失うことになった。
三人の浮気相手はそれまでの私の人生に関わりがなかったような刺激的な不良生徒で、しかもセックスに関して経験豊富な男たちだった。私はほぼ毎日彼らと乱れた性に耽り、快楽の海に溺れた。
もともとは鉄雄さんに浮気された仕返しのはずだった。鉄雄は井海佳乃にこんなこともやった、あんなこともやったと男たちが言うたびに、男たちは仕返しのためだからとそのような変態的なプレイに応じるよう私に求めた。
私の両親は厳しく、潔癖と品行方正をずっと私に求めてきた。今思えば、私が彼らとアブノーマルなセックスを繰り返したのは、鉄雄さんへの仕返しでなく、両親への仕返しだったのかもしれない。潔癖も品行方正も忘れて彼らとの行為に溺れたとき、私は確かにそれまでの人生で感じたことのないような自由を感じていた。
四人の部下たちによる私の陰口は一向に終わる気配がない。昼休みが終わるまでまだだいぶ時間がある。いつまでも部屋の入口で突っ立っているわけにもいかないから、ちょっと歩いて時間をつぶすことにした。
庁内の食堂の前まで来ると、私を見て慌てて逃げ出す誰かの姿があった。
「鉄雄さん?」
思わず声をかけてしまったが、振り向いた男の顔を見たら元夫ではなかった。
「東星君!」
「一之瀬さん、久しぶり……」
高三のときクラスメートだった東星一輝。当時、彼は女子たちの憧れの的だった。私は彼に興味なくて、誰も信じてくれないだろうけど彼を振ったこともある。でも問題はそこじゃない。なぜか彼は私と茶道部の不良たちの関係を知っていた。
彼は開き直ったように、もう逃げようとはしなかった。
「春岡さんから君も市役所で働いてると聞いていたから、いつかはこんなときも来るんだろうなと思っていた。よかったら食堂で話さないか?」
「よした方がいいと思う」
「どうして?」
「鉄雄さんの上司なら知ってるよね。去年の秋に私たちは離婚した。私が自宅から追い出されたと聞いて、職場の同僚たちは離婚の原因は私の不倫だと噂してる。私と二人でいるところを見られたら、東星君が不倫相手ということにされるよ」
「一之瀬さんの不倫相手と見られるならかえって光栄だよ。言いたいやつには言わせておけばいいさ。かつて間違ったことをしたとしても、今はしていないなら堂々としてればいいじゃないか」
堂々と、か。言われて気がついたが、私は逃げ回ってばかりいた。鉄雄さんから会いに来るなと言われていたから鉢合わせしないように市役所ではずっと執務室に籠もっていたが、それだって彼はすでに私の知らない女性と再婚してしまった身。もう気にする必要もないかもしれない。
「それもそうだね」
私は誘いに乗って、彼と食堂でお茶することにした。食堂は地下にある。外の景色も見えないし、殺風景なことこの上ない。東星は相変わらずイケメンだった。掃き溜めに鶴とはこのことか。
彼が私と何を話したいか知らないが、私は私で彼から聞いておきたいことがあった。庁舎内の食堂は一般のお客さんも利用できて、安くて人気があった。ただしウェイトレスなどいない。すべてセルフサービス。それぞれアイスコーヒーをテーブル席まで運んで、私たちは向かい合って腰をかけた。
「最初に教えて。私の過去を鉄雄さんにバラしたのは東星君なんだよね?」
彼は一瞬躊躇したが、言い逃れしても無駄だとすぐに悟ったようだ。
「すまない。知ってることを全部話せと春岡さんに詰め寄られてね。そのときはまさか君と春岡さんが結婚してるとは知らなくて……」
「そんなことだろうと思った。でも謝らなくていいよ。お互いさまだから」
「お互いさま?」
「不良のうちの一人が君と同じ名前だったのをいいことに、私の浮気相手は君だということにしてたから」
「僕が春岡さんに恨まれていたのはそういうわけか……」
約二十年ぶりの再会。ギクシャクすることもなく、私たちの会話はよどみなく進んだ。東星に告白されたとき受け入れていれば、どんな未来が待っていただろう? そんなことをふと思って、やっぱり私は浮気者なのかもしれないと心の中で苦笑いした。
「私の話はもういいや。去年、東星君が鉄雄さんの上司になってて驚いた。君が東京で建築デザイナーとして成功してたのはもちろん知ってたからね、いくら課長職とはいえこんな田舎の市役所の職員になったなんて今でも意味が分からないよ」
「家庭の事情で仕方なくね」
「実家の親御さんの体調がよくないの?」
「いや、妻が不倫してね。別れさせたあとも間男に未練があるようだから、思い切って環境を変えるしかないと思った」
「不倫!? まさか!」
「嘘ならもっと楽しい嘘をつくさ。妻は性交痛がひどいと言って僕との夜の生活を拒否して、裏では近所に住んでいた男を毎日のように自宅に連れ込んでいたんだ」
私は鉄雄さんに離婚されてから自分以外みんな幸せに見えて、言い換えれば不幸なのは私だけだと思い込んでいた。高校時代女子たちにキャーキャー言われていて社会人としても建築デザイナーとして成功したリア充の王様のような東星でさえ幸せになれないなら、私が幸せになれないのは仕方ないかとそのとき思えた。
「環境変えて正解だった?」
「それが……。去年の暮れだったけど、東京にいるはずの間男の車をこっちで見かけてね。まさかと思って興信所に調べさせたら黒だったよ」
「えっ。じゃあ、奥さんは?」
「子どももいなかったしさっさと離婚したかったんだけどね。間男は既婚者だから僕と別れるつもりはない、と離婚を拒否した妻が宇宙人に見えたよ。先月やっと離婚が成立して、彼女は東京に帰った。今頃間男とよろしくやってるんじゃないかな」
「……………………」
「不倫されて離婚したのは僕なのに、君がそんなに暗い顔しないでくれよ。なんなら、独身に戻った者同士、僕らで交際を始めちゃおうか?」
東星がこんな冗談を言う人だと知らなかった。でもおかげで笑顔を作ることができた。
「それいいね。でも君ならわざわざこんな訳あり女じゃなくても、いくらでも条件いい相手が見つかるよね?」
「訳あり女?」
「そうだよ。高校時代恥ずかしいビデオをたくさん撮らせた。それを見られて鉄雄さんには離婚されたけど、まだどこかに出回ってるかもしれない」
「それなら大丈夫。春岡さんから聞いてない? やつらが撮ったビデオは僕が全部回収した」
「あの人たちがおとなしく全部差し出すとは思えないんだけど」
「優しく言い聞かせたら素直に全部渡してくれたよ」
「さすがに信じられないよ。もしそれが本当だとしても、あの人たちが私を探し出して脅してくるかもしれない。馬鹿なことしちゃったな。私はもう一生おひとり様でいるしかなさそうね」
「たぶんその心配も杞憂だと思うよ」
最後は私の愚痴と彼の気休めの慰めばかりになってしまった。
東星と並んで食堂を出て市役所のロビーに差し掛かると、
「師匠!」
という声が飛んできた。一組の男女がこちらに向かってくる。男の方が東星をそう呼んだようだ。東星の建築デザイナー時代の部下だろうか?
それより男が連れている女の方の顔を見て、あっと声が出てしまった。何年経とうが忘れるわけがない。女は井海佳乃だった。向こうも私が誰か分かったらしく青い顔をしている。
井海佳乃は茶道部の不良たちの言いなりになって鉄雄さんを誘惑し、鉄雄さんの浮気相手を自称して私に接近した女。鉄雄さんにこんなひどいことをされたと嘘ばかりついて私を怒らせ、私の復讐心に火をつけた。
自分が不良たちから解放されるために代わりに私を不良たちに差し出したのだ、と彼らの悪事が明らかになったとき東星から聞いた。あとの祭りだった。
男が手にしている用紙を見て驚いた。婚姻届だった。私は過去を理由に離婚されたのに、私を売った女がしれっと結婚? しかも髪型が七三分けで見るからに真面目そうな男と。鉄雄さんも陰キャだけど、さらに輪をかけたような陰キャオーラが漂っている。今までモテたことがなくて女を見る目がないから、いいようにだまされてしまったのだろう。怒りのメーターが瞬時に振り切れた――
そのとき東星が私の肩をぽんと叩いて、少し冷静さを取り戻すことができた。
「一之瀬さん、彼は井海さんの過去をすべて受け入れて結婚することにしたんだよ」
「まさか!」
「ほんとさ。夏祭りのとき、井海さんに絡んできた茶道部の三人とも対決したそうだ」
「対決? ど、どうなったの?」
「もちろん彼の圧勝さ。彼はこう見えて空手の達人なんだ」
「師匠、褒めすぎですよ。僕が達人なら僕より強いあなたはどうなるんですか?」
「仙人かな」
「さすが師匠。語彙力でも僕より上です」
東星が空手経験者とは知らなかった。それも相当な手練れらしい。井海佳乃の夫となる男が茶道部の不良たちをみな倒したという話を含めてにわかには信じがたいが。
「私はこの人に逃げてと言ったんです。私なんかのせいでこの人まで不幸になってはいけないと思って――」
井海佳乃が私の心を読んだように私の疑念を払拭しようとする。
「あの人たちは全身に入れ墨を入れていました。高校を退学してからヤクザになっていたみたいです。でもこの人はひるまず立ち向かって三人とも一撃で倒したんです」
「井海さん、高校時代あることないこと言って私をだましたあなたの言うことを私が信じると思ってるの?」
実際は〈あることないこと〉というより〈ないことないこと〉だった。校内では下着を身につけるなと鉄雄さんに指示されているだの、振動中のおもちゃを挿入した状態で彼氏と会えと命令されただの、しまいには鉄雄さんたちとの乱交を彼氏に見せつけるように強制されただの――
鉄雄さんへの仕返しのためだからと言われて、一つ目と二つ目は私もした。特に二つ目は変な声を出して鉄雄さんに気づかれないように必死だった。もしかしたら必死すぎたせいで、鉄雄さんには必要以上に私が不機嫌に見えたかもしれない。三つ目は実行する直前に不良たちの悪事が露見して、計画は立ち消えになった。
もちろんすべてを井海佳乃のせいにするつもりはないが、私を陥れた彼女が不幸な私を尻目に幸せをつかむのは納得がいかない。
「一之瀬さん、私はあなたに対しては加害者でした。自分が助かることしか考えてなくて、嘘ばかりついて本当にごめんなさい」
土下座しようとしたから、それはやめさせた。ただでさえ不倫女というレッテルを貼られているのに、こんな場面を見られたらさらに話にどんな尾ひれがつくか分かったものじゃない。
「これを見て下さい」
井海佳乃がスマホを私に差し出した。動画の再生が始まったところだった。画面の中で、派手な長袖のシャツを着た三人の男が路上で並んで土下座している。夕方で周囲はにぎやか。どうやら夏祭りの会場らしい。男たちの顔を見て吐き気を催した。人相はますます悪くなっていたが、確かに茶道部の不良たちだった。
真ん中に座る永野大椰が片手でメモ用紙を持って必死な顔で読み上げた。
「おれたち三人は約束します。三日以内に県外に引っ越して、その後は二度と県内に足を踏み入れません。20✕✕年8月15日、永野大椰」
「同じく、赤池数希」
「同じく、小田潤」
最後に三人が顔を地面に押しつけたところで動画は終わった。どうやら目の前の陰キャな男が永野たちを叩きのめしたというのは事実らしい。そうでなければ蛇のように執念深いあの連中が蛇ににらまれた蛙みたいになっているわけがない。
あの三人が遠くに引っ越して二度と県内に足を踏み入れない? それは高校時代彼らに好き放題された私にとっても願ったり叶ったりだ。
「一度ケンカに負けたくらいで、あんな性格の悪い人たちがこんな無茶な要求をおとなしく飲んだだなんて……。手品でも見せられているみたい」
「手品じゃないですよ。僕はただ優しく言い聞かせただけです。ちなみに優しく言い聞かせる方法も、かつて師匠から教わりました」
東星の弟子だという男は澄ましたようにそう言うが、ますます意味が分からない。
「優しく言い聞かせたって、どんなふうに?」
「それでも最初は少し抵抗されましたね。住み慣れた街を離れるのは嫌だって。でも抵抗されるたびに三人の手の指の骨を機械的に折っていったらそのうち静かになりました。最後に、〈住み慣れた街に残ったところで、二度と自分の足で立てない体になっていたとしたら、それはあまり賢い選択とは言えないんじゃないの?〉と優しく言い聞かせました。三人ともそう思いますと素直にうなずいてくれましたよ」
「高校時代、僕が彼らから一之瀬さんを撮った写真やビデオテープを回収したときも、同じように優しく言い聞かせたんだ。相変わらず素直な連中でホッとしたよ。まあ、別に会いたいわけじゃないけどね」
私の隣から動画をのぞき込んでいた東星が笑顔で語りかけてきた。
「だから言ったよね? 一之瀬さんは彼らに脅されることを恐れていたけど、その心配は杞憂だって」
陰キャ男が茶道部の不良たちを圧倒したとするなら、彼に師匠と呼ばれる東星の強さは想像もつかない。当時、あの人たちにとって恐怖でしかなかったであろう東星の笑顔が、今の私には何より優しく見えた。もちろん東星と彼のお弟子さんの言う〈優しく〉の意味でなく、辞書に書いてある通りの〈優しく〉の意味で。
婚姻届を提出した井海佳乃たちに、素直な気持ちでおめでとうと言えた。笑顔の二人が去ったあと、これからも毎日、昼休みに食堂で会って話そうと東星と約束した。
「なんか高三のときを思い出すな」
「当時、君と毎日お昼ご飯を食べていた春岡さんが本気でうらやましかったよ」
「東星君にうらやましいと言ってもらえて、嘘でもうれしいよ」
「嘘じゃないけどね」
民間での成功体験を引っ提げて職員となった東星は市役所でも人気者だった。ナイスミドルという単語は死語になったが、東星にはふさわしい形容の仕方のように思われた。しかも今は独身、東星の後妻の座を狙う女は市役所の中だけでも十人以上いるそうだ。そんな彼と毎日二人きりで食事する私。私は不倫女と陰口を叩かれていたが、新たに魔性の女とも呼ばれるようになった。
後日、食事したとき、そんなことも話題になった。
「私は魔性の女って呼ばれてるみたいだけど、ときどき本当に魔性があればいいのになって思うときもあるよ」
「どういうこと?」
「離婚してもうすぐ一年になるのに息子たちと一度も会えてないからね。私に魔性があれば誰かと再婚するためでなく、何をおいても息子たちと会うために魔性を発揮したい」
「一度も? 養育費は渡してるんだよね?」
「毎月振り込んでる。そのたびに鉄雄さんからお礼の電話は来るけどね」
「律儀な彼らしいね。お礼の電話をしてくるくらいだから、彼が親子交流の妨害をしてるわけじゃなさそうだね」
「親子交流は私が直接息子たちとやり取りして行うことになってる。私がいくら連絡しても既読スルーされるだけ。鉄雄さんは何も知らないのだと思う」
「なるほど。僕から春岡さんにそれとなく伝えてあげようか」
「ありがとう。そうしてもらえると正直助かる。こうなったのは自業自得だと分かってはいるけど、最近は何のために生きてるのかも分からなくなってきたところなんだ」
「一之瀬さんの離婚は僕にも責任がある話だから、なんとか息子さんたちと会えるように動いてみるよ」
「よろしくお願いします」
正直期待してなかったが、長男の海から一年間の既読スルーを詫びて親子交流の希望日を伝えるメッセージが届いたのはその日の夜のことだった。すぐに次男の空からも謝罪のメッセージが届いた。
どうやら魔性は私でなくて、東星の方に備わっていたようだ。魔性の男と呼ばれても、彼もうれしくないだろうけど。
胸がときめく。
私だけ家を追い出されてもう一年以上。その間一度も会えなかった息子たちにようやく会うことができる。
初回の親子交流の日時は十一月最初の日曜日の正午。それはいいけど、なぜか彼らの新居に呼び出された。鉄雄さんは私と建てた家を売って、新しい奥さんの家に息子たちと移り住んだ。
そうまでして私と暮らした記憶を消したかったのかとショックを受けた。現在、後妻さんと後妻さんの二人の娘と計六人で共同生活を送っているそうだ。
そんな場所に私を一人で呼びつける意図は明らかだ。みんなで私を罵倒するためだろう。感動の対面を期待するほど私は能天気な女ではない。六人から集中砲火を浴びるのはきっと消えたくなるくらいつらいはずだ。
それでも息子たちと会いたい。胸がときめくと最初書いた気持ちに嘘偽りはない。
彼らの新居に到着して驚いた。家というよりお屋敷だったからだ。敷地も広い。車を駐める場所があるか分からなかったので電車に乗ってきたけど、余裕で十台以上駐められそうだ。
玄関のチャイムを鳴らすと、出迎えてくれたのは海と空の兄弟二人。実の親子とはいえ一年ぶりの再会だから、どことなくぎごちない。
「いらっしゃい」
「二人とも元気そうでよかった……」
「おふくろ、今まで連絡しなくてごめん」
「気にしないで」
「食事はまだだよね?」
「うん」
「よかった。用意してあるから」
そう言われて案内されたダイニングに一歩踏み入れて思わず息を飲んだ。お屋敷だからダイニングも広かった。それはいいが、そこにいた人の人数は海と空を含めて十人。想定より四人も多い。私はこれから十人から口々に痛罵されるのか? 覚悟はしていたが、あまりの恐怖に気が遠くなる思いがした。
十人全員について鉄雄さんから紹介があった。想定外の四人の内訳は次のとおり。
鉄雄さんの後妻の蛍さんの前夫が別の女性に産ませた娘。鉄雄さんと蛍さんはその子を養子にして同居させているそうだ。
近くに住んでいる蛍さんの実父母。もともとこの屋敷に住んでいたが、蛍さんの離婚を機に転居したそうだ。
海の彼女。海の彼女に会えたのはうれしいが、なぜここにいるのかは不明。
当事者でない人の方が多い状態でどうしようかと思ったけど、私の過去の不始末のせいで離婚することになったことについて鉄雄さんと息子たちに改めて謝罪した。
「もう許してるから、もうそういうのはやめよう」
というのが鉄雄さんの反応。
「おやじがそう言うなら、おれも何も言わない」と海。
「兄ちゃんがそう言うなら、おれも……」と空。
あれ、思ってたのと違うと拍子抜けした。もっと責められると思ったのに――
大きな長方形のテーブルを囲んで、私を含めて十一人も座っている。私の両隣には海と空。テーブルを挟んで鉄雄さん。知らない人に囲まれて疎外感を味わうということもなかった。
食事も招かざる客に出されそうな適当なものでなく、一品一品が手間暇かけられた手料理。
息子たちだけでなく、鉄雄さんにも話しかけられた。
「最近、東星課長といっしょにお昼を食べているそうですね」
「食事してるだけです! 決して交際してるとかそういうことはないですから!」
必死に言い訳する私を見て、元夫はキョトンとしていた。
「別に僕は怒ってないですよ。というか僕は東星課長を誤解してました。あなたを寝取った男だとずっと憎んでいたのですが、それは濡れ衣だったし、そういう先入観を捨て去れば、上司として非常に有能。しかも部下思いで性格もいい。同僚たちに人気があるのも当然です。今では東星課長が上司でよかったと思うようになりました」
「そうなんですか……」
「もしあなたが東星課長と交際を始めるというなら、心から祝福したい気持ちです」
「はあ……」
胸がざわざわする。この違和感はなんだろう?
初回の親子交流は和気あいあいと進み、毎月今日と同じように私が出向く形で親子交流が続けられることも決まった。
別れ際、息子たちは手まで振ってくれた。私も手を振り返したが、違和感の正体に気づいたのはそのときだった。
私は確かに許された。でも今日私はお客様としてもてなされただけで、誰も私を家族として見ていなかった!
家を追い出されたあと元夫の口座に一千万円振り込んだのは、真面目な元夫のことだから精一杯誠意を見せればきっと復縁を考えてくれるはずだと期待していたからだ。
私はずっと元夫や息子たちの家族に戻ることを強く望んでいた。家を追い出されたあとも。離婚が成立したあとも。鉄雄さんが再婚した今でも――
再婚してもうまくいかないというのはよく聞く話だし、離婚した元夫婦が復縁したという話もないわけではない。
今日の親子交流はその可能性を見極める場でもあった。結論から言えば、その可能性はゼロだ。
鉄雄さんとの復縁を密かに期待する私が後妻の蛍さんの手料理を振る舞われるなんて、まさか思いもしなかった。
連れ子同士の関係も良好のようだ。そういえば蛍さんの連れ子には、あなたは私たちの父親と違って欠かさず養育費を払っていて偉いですと褒められてしまった。
ちなみに海の彼女にも、女なのに海のお父さんより出世して給料もたくさんもらっていてすごいですと褒められた。嫌味なのかと腹を立てたが、どうやら直前に誰かから私のことを聞いて本気ですごい人だと思ったらしく、それはそれで私の心をいらつかせた。
こんなことなら過去の過ちをみんなに責められて針のむしろか四面楚歌のようになる方がはるかにマシだった。おそらく彼らの家族が勢揃いしていたことについても、私への悪意は何もなかったに違いない。でもそれは私を絶望させるには十分だった。
親子交流の翌日は月曜日。昨日体験したこと思ったことをすべて食堂で東星に話した。
「たぶん海の彼女や蛍さんの両親は私に文句を言うために来たんだと思う。でもおそらく私の悪口を言うことを直前に鉄雄さんに禁止されたんじゃないかと思う。お客さんには気分よく帰ってもらいたいんだという理由で。最初から最後まで私だけよそ者だった。家を追い出されたとき以上にショックだった」
「それは……。一之瀬さんが望んでいた復縁はちょっと難しそうだね」
「ちょっとどころじゃない。望みゼロ。私はあきらめた。鉄雄さんにも言われたけど、私は私で新しい人生を生きていくよ」
「君の第二の人生の始まりをお祝いする会を今夜二人で開きたいけど、どう? もちろん僕のおごりで」
東星と二人きりで飲み会。同僚に見られたらまた変な噂が立つに違いない。でもかまうものか。鉄雄さんとの復縁の線が完全に消えた今、気にすべきものなど何もない。
「行く行く。機嫌悪いから酔って絡むかもしれないけど、大目に見てね」
「いいよ。できればやけ酒でなくて、おいしいお酒を飲みたいけどね」
その夜、東星が連れて行ってくれたのは高層ホテルの最上階にあるバー。夜景がきれいで、お酒もおいしくて、気持ちよく酔った私はそのホテルの一室で彼に抱かれた。
高三の十二月、鉄雄さんと結ばれた日からほかの誰ともセックスしたことがない。セックス自体一年以上ご無沙汰だった。私も燃えたが、それは東星も同じだったようだ。屈曲位に私をねじ伏せ、私の顔にキスの嵐を降らせた。
不思議と既視感があった。東星と行為するのは初めてのはずなのに。そういえば茶道部の不良たちとセックスしていた頃、大きなアイマスクで目隠しされた状態で同様の行為をされていたことを思い出した。私に飲尿させるようになってから、彼らは私にキスしなくなった。だから目隠しされたときだけキスされるのが不思議だった。
まさか三人ではないほかの男がそのとき私を相手していたのでは? そう疑問に思うときもあったけど、結局ふだんしないキスをしまくるのが照れくさくて私にアイマスクをつけさせたのだろうと結論づけた。
東星から結婚を前提に交際しようと提案された。
「私でいいの? 東星君、子どもいないんだよね。私も四十を過ぎたし、君の子どもをたぶん産んであげられないよ」
「授かりものだからね。できなければ仕方ないさ。でも春岡さんの後妻さんも四十を過ぎてるけど妊娠できたそうだよ」
「鉄雄さんの子を? 昨日そんな話まったく出なかったよ」
「君がショックを受けるかもと話題にしなかったんだろうね」
「私も絶対に君の子を産んでみせる!」
「それはうれしい」
彼はまた私の顔に荒々しくキスの嵐を降らせ、私の膣に何度も精液を注入した――
明くる日の夜、友達だった早苗から着信があった。高校時代に親友だったが、その後なぜか疎遠になった。高三の夏休み直前、東星相手にいっしょに処女を捨てようと誘われたこともある。馬鹿馬鹿しいと思いながら断ったが、実は私はその数日前に茶道部の永野大椰相手にもう処女を捨てていた。
その後早苗は一人で東星に話を持ちかけ、頭おかしいんじゃないの? とけんもほろろにフラれてしまったそうだ。その頃から早苗は話しかけてこなくなった。理由は知らない。私も聞かなかった。
「久しぶり。どうしたの?」
「聡美が東星君と交際してると聞いて……」
さすがに昨夜彼と関係を持ったことを早苗が知るわけない。おそらく食堂で二人でお昼ご飯を食べてることを誰かに聞いたのだろう。
「まあ、離婚した者同士なんとなくね」
「今すぐ別れて!」
お祝いの電話かと思ったら全然違った。早苗の必死な口調を聞いて、昔、マルチや宗教の勧誘をしてきた人たちの感じによく似ているなと私は身構えた。
「どういうこと? 何十年も前に自分を振った男のことがまだ好きなの?」
「違う。それに私はフラれてない。彼は私のお願いを聞いて、私の初めてをもらってくれた。これからもつきあってほしいと言われて、彼のことが好きだった私はもちろんOKした」
「えっ。じゃあ、なんでフラれたって嘘をついたの?」
「聡美に聞かれたらそう言えって彼に言われてたから」
「それが本当だとして、そうすることで東星君にどんな得があるの?」
「それは分からない。でも彼はきっと聡美が思うような人じゃない」
「じゃあ、どんな人だと言うの?」
「高校を卒業してすぐ、私は彼の子どもを妊娠した。子どもを堕ろしてくれたら交際を継続すると言われて、私は子どもを堕ろした。彼が私を捨てたのはその直後だった。調べたら、私と同じ目に遭った女の子が何人もいた。手口はいつもいっしょ。彼が手を出すのは未経験でうぶな子ばかり。避妊しようとしない彼に不安になっても、僕を信じて、僕に任せておけば大丈夫と彼に言い切られると、そうなのかなって信じてしまうくらいの。結局、妊娠させられた子はみんなお金だけ渡されてポイ捨てされた。車の窓から空き缶を投げ捨てるみたいにね」
妊娠していると錯覚する想像妊娠というものがあるのは知っているが、想像堕胎なんてものまであるのだろうか?
「デタラメ言わないで!」
「それがデタラメならどんなによかったか。それに聡美だって身に覚えがあるんじゃないの?」
「何のこと? 身に覚えなんてないけど」
「茶道部の問題児たちが三組の井海佳乃さんを校内でレイプしてたのがバレて学校からいなくなったけど、聡美もあいつらに呼び出されてたんでしょ? あなたの場合はレイプじゃなかったみたいだけどね」
一番触れられたくなかったことにいきなり踏み込まれて、私は逆上した。
「どうしてそれを!」
「高三の秋頃、東星君が茶道部の連中と話してるのを聞いたんだよ。東星君の口調は友達同士の口調じゃなくて、手下に命令するような口調だった。聡美に何をすればいいのかと聞かれて、将来の聡美の夫がそれを見たら絶望するような映像を撮りまくれと答えてた。いつかその映像のせいで一人ぼっちになった聡美を、自分にすがりつかせてから地獄に落とすつもりなんだって 」
井海佳乃と結婚したあの陰キャ男が茶道部の三人を叩きのめしたのなら、陰キャ男の師匠だという東星が茶道部の連中を従えることはたやすいだろう。でもどうしても私の中では東星と茶道部の不良たちを結びつけることができなかった。
「だからそんなことをして東星君に何の得があるの?」
「それは分からない。サイコパスの心理なんて分かるわけないし、分かりたくもない」
「サイコパス?」
「聡美は彼の奥さんだった人のことを聞いてないの?」
「奥さんの不倫で離婚したことなら知ってる」
「もちろん不倫は許されない。でもそのとき元奥さんのメンタルは最悪の状態だった。そんなときに優しい声をかけられて奥さんはわらにもすがる気持ちで不倫に走ってしまった。相手の男は別れさせ屋だったという噂もある」
「メンタルが最悪って何かあったの?」
「二人いたお子さんが二人とも亡くなったばかりだったんだよ。二人とも幼児だったけど、東星君が外に連れ出していたときに交通事故で亡くなった。不慮の事故とされてるけど、私は信じてない。子どもを堕ろしたと報告したとき彼がニヤッと笑ったのを私は見逃さなかった。高校時代、彼は私を含めて大勢の女子の初めての相手になって処女キラーと呼ばれていたけど、実は自分の子どもを死なせて喜ぶ本物の殺人鬼(キラー)だったんだよ。だから彼と別れて! 妊娠させられる前に」
「彼のお子さんが事故で亡くなったのが本当だとしても、それが彼の故意によるものだという証拠はあるの?」
「ないけど信じて! 聡美のために言ってるんだから!」
「私のため、ねえ……」
ありがとうと言う気にはとてもなれない。宗教の布教みたいなものだ。あなたのためだと必死に言ってくる人のほぼ全員が自分のために言っているのだ。
「早苗は今幸せじゃないみたいね。人の幸せを妬むのはやめて、早く私みたいに自分の幸せを見つけなさいね。とにかくもう電話してこないでね」
「聡美!」
絶叫する早苗を無視してさっさと通話を切って、ついでにブロックした。何をこじらせたら、こうなるのだろう? 時間の無駄とはこのことだ。私はもう聞く耳を持たなかった。私はもう東星による愛のささやきしか聞きたくなかった。
金曜の夜、東星はまた先日の夜景のきれいなバーに誘ってくれた。釣った魚に餌をやらない男も多いと聞くが、東星はそんな勝手な男ではないようだ。
バーのあとは今日もお泊り。当然のように屈曲位にされて顔にキスの嵐。でも年を取って体が硬くなった今、正直この体位はつらい。
「気のせいかな。一之瀬さんは今日少し気が立っているように見える」
「ごめんなさい。東星君は関係ないの。ちょっといろいろあって……」
高校時代の友達に君のことをサイコパスだの殺人鬼だのとけなされたとはさすがに言えない。
彼の動きが加速してまもなく、私の体内の奥深くで彼の体液がほとばしった。彼の満足そうな表情を見て、私も笑顔になれた。
東京に戻ることにしたと打ち明けられたのはその直後だった。元奥さんの不倫をやめさせるために故郷に帰ってきたが、元奥さんと離婚した今、ここにとどまり薄給の市役所の職員を続ける理由もなくなったからだという。
「一之瀬さん、僕と結婚して東京で暮らさないか? ただそうすると市役所は辞めなくてはいかなくなるけど。仕事をやめてもらうわけだから、君が春岡さんに渡している息子さんたちの養育費はこれから僕の方でなんとかするよ」
「ありがとう。ついていきます。これからずっと――」
と即答した。家を追い出されたとき、離婚されたとき、ここ一年に流した涙は悲しみの涙ばかりだ。うれし泣きなんていつ以来だろう?
正直市役所を辞めることにそれほど抵抗はない。不倫女だの魔性の女だのと陰口を叩かれる毎日。再婚して再婚相手との子が来年に生まれる元夫が庁舎内にいるというのも、復縁をあきらめた今では憂鬱の種でしかない。
それにしても、久々に電話してきた早苗は何がしたかったのだろう? 東星が処女キラー? 子殺しのサイコパス?
処女キラーが事実なら清楚のかけらもないこんなバツイチの経産婦と結婚するわけがない。彼の資産と名声をもってすれば、今からだって未経験でうぶな若い女と結婚できるはずだ。私が働いて稼ぐべき養育費まで面倒見てくれるという。こんないい人をけなしまくったのは許せない。私と別れさせてから、東星を自分のものにしたかったのだろうけど。
彼の肉体年齢は実年齢よりだいぶ若いようだ。すぐにまた私の中に彼の分身が侵入してきて、何度も私を絶頂に導いた。そして使命は果たしたと言わんばかりに、咆哮しながら数千万の精子を再び私の子宮めがけて解き放った。
「正直君とこういう関係になるなんて思わなかった……」
彼に腕枕されながら私はまだ夢と現実の境目をさまよっていた。
「そう? 僕にとってはすべて思い通りになってるけどね」
「どういうこと?」
「つまり運命ということさ」
運命が思い通りなら君は神だということになる。でもきっとそういうことを言いたいわけではないのだろう。どちらにせよ私は哲学的な問答が苦手だ。
「私たちが結ばれたのが運命なら、私が高校時代、茶道部の不良たちに性奴隷みたいな扱いを受けていたのも運命だということ?
「ああ、あれはその前に君が僕の告白を断ったからさ」
「君はときどき私の理解を超えることを言い出すね」
「一之瀬さん、僕を信じて。僕に任せておけば大丈夫」
「分かってる。私にはもう君しかいないんだ。これから何があっても君についていくだけだよ」
私の回答は彼にとって何点だったのだろう? 彼の表情からは読み取れないが、合格点には達していたようだ。事実、それからすぐに私に腕枕させたまま、彼はすやすやと眠ってしまった――
後日、東星を私の両親に会わせた。彼の立ち居振る舞いは完璧だったはずなのに、両親の評価は〈なんだかうさんくさい〉というものだった。何人かの友人に相談してみても、背中を押してあげたいけどという煮えきらない反応ばかり。
この際、第三者の意見を広く聞いてみようということで、文殊の知恵子さんという有名な相談サイトの力を借りることにした。ただ残念なのは人妻キラーというハンドルネームの回答者が引退してしまったことだ。男女関係の相談を得意とする名物回答者として引退後もレジェンドと呼ばれている。
(相談)誤解されやすい彼 (トピ主)魔性の女
(投稿日時)11月11日19時12分
初めて相談します。私はとある田舎に住む35歳の地方公務員女性です。離婚歴があります。原因は元夫の不倫でした。娘たちを連れて逃げようとしましたが元夫に阻止され、私だけ別居しました。
離婚後、高校時代のクラスメートだった男性と職場の同僚として再会しました。彼はイケメンで高校時代も女の子たちにキャーキャー言われるような目立つ存在でしたが、社会に出てからも建築デザイナーとして成功し、莫大な資産を築き、名声は海外にまで轟いていました。元夫や娘たちのことを相談しているうちに、そんな彼と男女の関係になりました。
彼はもともと大阪で建築デザイナーとして活躍していた人で、その実績を買われていきなり県庁の課長として採用されました。公務員転職後も有能な課長として部下たちをまとめ上げていました。
彼にも奥さんがいましたが、転職後に離婚しています。大阪時代に不倫され、不倫相手との関係を断ち切らせるために地方にやってきたのに、結局奥さんと不倫相手の関係は続いていて、それで離婚に至ったということでした。
結婚して海外で暮らそうと彼に提案されました。県庁は辞めなければなりませんが、私は乗り気でした。でも周囲に賛成する人がいません。間違いなく嘘でしょうが、昔彼と交際していて避妊されず妊娠して堕胎後に捨てられたと訴える人までいました。(馬鹿馬鹿しくてその人はブロックしました)
友達に相談しても煮えきらない反応ばかり。私の両親まで彼をうさんくさいと言います。どうやら彼は誤解されやすい人だったようです。
そこで相談なのですが、どうすれば周囲の人たちに私たちの結婚を祝福してもらえるでしょうか? ご意見をいただきたいです。
身バレ防止のためにところどころフェイクを入れたが、おおむねありのままを伝えられたかと思う。どんな回答が返ってくるかとそわそわして待ったが、最初の回答者がなんとあの人で驚かされた。
(回答)誤解しているのはあんたかもしれない (回答者)人妻キラー
(投稿日時)11月11日19時45分
回答者としては卒業したつもりだったが、あんたの相談を読んでなぜか見ず知らずの他人とも思えなくて回答してみたくなった。
ところで相談内容にいくつかフェイクを入れているようだ。それはいいが、フェイクというのは身バレ防止のためにするものだ。あんたのフェイクは自分をよく見せるために入れたように感じた。
おそらくフェイクがフェイクになってなくて、見る人が見ればあんたが誰か、誰があんたの交際相手なのか分かってしまうんじゃないか?
あんたはたぶん相談の核心に関わる重大な何かを隠している。だからこれからおれがする回答は的外れなものになる恐れもある。それでも回答したい。回答したい理由を最初に書こう。
あんたは公務員。それなりに勉強はできたのだろうが、勢いで行動するタイプのようだ。おそらく誰かにだまされて勢いのままに突っ走って大失敗した経験があるんじゃないか?
若いときの失敗もそれなりにダメージがあるが、同じ大きさのダメージでも35歳(本当は40過ぎだと思っているが)で受けるダメージは致命傷になりかねない。だから純粋に人助けだと思って回答する。
結論から言えば一旦立ち止まるべきだ。相談したみんながみんな賛成してくれないというのは何かあると疑うべきだ。おれの経験と野生の勘から言わせてもらえば、あんたの離婚にも今の交際相手が大きく関わっているように思えてならない。
杞憂なら杞憂でいい。いくら恋愛脳になって頭の中がお花畑になっていたとしても、ここで相談するくらい気になるなら調べるくらいの労力は惜しむべきではない。あんたのこれからの人生がかかっているんだから。それに、あんたが不幸のどん底に落ちれば離れて暮らす娘さんたちも悲しむんじゃないのか?
調べる方法はいくつかある。①興信所に調査させる。②交際相手の元奥さんから話を聞く。③ブロックしたという彼の元交際相手を自称する知人から話を聞く。①〜③のすべてを実行できればベストだ。
調査の結果、おれの助言がまったくの的外れだったと判明すればよいと心から願っている。では健闘を祈る。
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