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翌日
昨日ワカ先生に言われた通り、来て見たはいいものの、昨日とは比べ物にならないくらいの強さと数が攻めてきていた。
「(俺達2人じゃ歯が立たない…)」
もう既に八戒も俺もボロボロ。あんなのどうやって勝てばいいんだ…。俺達の異能力も効かねぇ…。
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「場地、抑えろ」
「止めんな!!仲間が死にそうになってんのを見過ごせるか!!!」
「いいから抑えろ、安心しろ、2人は死なない。断言する、2人を殺す事は絶対に出来ない」
「何でそんな事言えるんですか?」
「千冬だ」
「え…?」
「千冬には、とんでもない味方がついてる」
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「お前達、コイツらを始末しろ」
「「「ハッ!」」」
「(マズイ!!千冬の方に攻撃が…!!)」
「千冬っ!!」
「ヤバ…避けれねぇ…」
「(ヤバい…死ぬ…?)」
この時俺は、自分の死を覚悟した。
「異能力【Move(移動)】」
「へ…?」
「【聖夜の檻】」
「なっ!あの攻撃を防いだだと!?何だあの霊気量は…!」
「ごめんね千冬、八戒、直ぐ助けに行けなくて」
「いや、結果的に助けてくれたからいいけど…」
「何でタケミッチが此処にいるの!?」
「あーそれに関しては後から説明するからちょっと待ってて」
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「タケミッチ!?何で!!」
「俺と5人衆は知ってるが、どうやら武道は亜人で、松野と契約したらしい」
「ええ!?タケミッチ亜人だったの!?」
「でも何で今まで助けに入らなかったんだ?」
「それは武道と松野が力を得る為だ。どうやら2人が力を得るには条件があるらしくてな、その条件を満たすために今まで助けに入らなかったんだ」
「その条件って何だ?」
「戦闘において、一瞬でも自分が死ぬことを受け入れること。だから助けに入らなかったんだ」
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「(此奴…ただの人間では無い…亜人か?にしてはかなり霊気量が多い…)」
「お前、何者だ?」
「んー?千冬と契約した亜人ー」
「(相棒…凄い余裕だ…全くもってビビってない…)」
「千冬、俺は異能力が使えるようになって今までいろんな技を作ってきた。今千冬が条件を満たした事で、その内の何個かの技が使えるようになったみたい」
「マジで?…てか、作ったって…」
「今からその技がどんな技か見せるよ」
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「来るか、彼奴のとんでもない異能力が…」
「そういえば、タケミッチの異能力って何だ?」
「それに関しては、4人の方が詳しいだろ」
「あ、じゃあ俺が説明します。武道の異能力は【作成】ありとあらゆるものを作り、それを使用出来ます。簡単に言えば、武道の視界に入ったら、本気を出すことも無く負ける事もあるし、一度勝てると思っても結果的に絶対に勝つ事は出来ない、武道の手の上で転がされてるんですよ、彼奴は」
「でもさっき【作成】なんて言ってなかったし…」
「あれは武道が【作成】を使って作った技の一部ですよ。武道は【作成】で【設定】という機能を作って、それで今まで作った技を管理してます。つまり、【設定】の中にある技の数だけ武道の手札があるって事です」
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「まず、千冬は2つの移動手段が使えるようになった。これは戦闘中でも使えるよ」
「【Move(移動)】」
武道が千冬と敵の前に移動する。
「これを口に出せば、俺の所に移動出来る。勿論、俺は千冬の所に移動出来るし、俺は千冬の所じゃ無くても視界に入った場所なら好きな所に移動出来る」
「【聖夜の檻】」
武道が約70体いる敵を閉じ込める。
「潰れろ」
武道の聖夜の檻によって敵が潰れる。
「お、お前、何やって…!」
「そしてもう1つの移動手段」
ブンッ!
「は!?」
武道が千冬を上に投げる。
「【交換】」
武道と千冬の場所が入れ替わる。
「これで俺と千冬の場所を交換出来るよ」
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「す、スゲェ…」
「ヤベェな、タケミッチ…」
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「距離を詰めた事を後悔しろ!!」
武道に攻撃が迫るが、武道は【聖夜の檻】で防ぐ。
「(なっ!此奴…無詠唱で…)」
「あれ?さっきまでの威勢はどうしましたー?」
「くっ…!!」
「それじゃ、終わりにしよっか」
「【電撃】!!」
武道が自分の足に電気を纏い、その状態で敵を蹴る。
「ガハッ!!」
敵が吹き飛ぶ。
「凄い…」
「相棒…こんなに強かったのか…」
「討伐完了ー」
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「成程ー、その条件を満たしたから、タケミッチが持ってる技を何個か千冬が使えるようになったってわけね」
「そういう事です。さっきも言った通り、【Move】【交換】【聖夜の檻】の3つが使えるようになったよ」
「なんか一気に増えたな…」
「【Move】は俺との位置共有、【交換】はそのまま場所の入れ替え、【聖夜の檻】は自分や味方に使用すればシールドにもなるし、敵に使用すれば相手を閉じ込める檻にもなるよ」
「やっぱ武道とんでもねぇな…」
「まあ【Move】と【交換】は俺がいない時か、千冬の精神世界に入ってる時は使えないから、そこまで万能では無いかもね。まあ後はさっき言った通り、俺は千冬の所じゃ無くても視界に入った場所なら好きな所に移動出来る。千冬は出来ないかもしてないけど」
「いやいや、それでも充分だって!」
「千冬ぅ、折角だし使いこなせる様に頑張れよー」
「はいっす!」
補足
武道は戦ってる時、耳と尻尾は出してなかったので、敵は気配で分かった感じです。
武道はどっちかって言ったら狼の血の方が多いです。
コメント
2件
最高でした! °*.\(*´∀`*)/.*゜⸜(*ˊᗜˋ*)⸝