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組織専務室。 梵。
「、、あ、、」ネイル剥げてる、、「、、そろそろ替え時か、、」俺は席を立ち、棚に飾ってある写真を見た。昔の写真だった。まだ背の低い翠が左に、子供と同じ顔のまま育った狂唖が真ん中、多少大人っぽくなった俺が左に、、そしてその背後から顔は写っていないけどあの人(阿蚋)がいる。喧嘩をした時の写真だった。俺が最近怠けてると翠に怒られた、俺はそれが異様に腹が立った。そりゃ、組織の養成とは言え慣れれば怠けてしまうだろう。俺は「誰だって怠けるわ」だと言ったのを覚えている。そしたら翠が俺にビンタをした。その後組織では怠けた奴が死ぬんだと俺に怒鳴った。俺が翠を殴り返し、また翠殴られた。するとずっと隣で黙っていた狂唖が困り果てて、、泣き始めて、、「喧嘩やめてよ」って狂唖に言われても俺たち2人は聞く耳を持たなかった。そしたら、、「2人とも狂唖に殴られて悶絶したんだっけ、、あの怪力馬鹿、、」それから阿蚋が部屋に入って来て、、俺たちの話を聞いたらあの人は少し笑い、何の記念かはわからないが写真を撮ろうと言われて撮ったのがこれ、、竹口さんに撮ってもらった。竹口さんは何度も「専務の顔はお写りにならなくていいんですか??」と聞いていたのを覚えてる。阿蚋は「あぁ、、構わん」そう返していた。阿蚋は俺たちを見守るように後ろに立ち、俺たちを眺めていた。あの、、鋭く、冷たい眼差しで、、「、、にしても、、!!翠はカッコいい男に育ったな〜、狂唖は昔と変わらず可愛いしさ〜、俺は、、、まぁ、、うん、、いい歳の取り方してる、、!!」そういやあの2人まだ付き合ってるっけ、、そのまま結婚までいきゃいいのにな、、でも、まぁ、、「そう長くは続かないだろうな、、」2月の冷たい風が窓から入ってくる。今年の2月は雪が少なかった。「、、そろそろ、、か、、」俺は棚から離れ、窓を閉めた。
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組織地下牢の地下。 加内。
「最近よく来ますねww1日5回以上来てますよww」千秋さんはそうクスクスお笑った。「ハハッ、何だか落ち着いて、、」「、、??」「ここに居ると落ち着くんです」「、、そうですか、、まぁ、仕事の支障が出ない範囲で、、ww」「ハイッwwあ、そういや千秋は、、」「へ??」「え??」「、、え、いや、、今千秋って」千秋さんは首を傾げ、目を丸くした。「え、あ!!すみません!!何か勝手に!!」「いや、ちょっと驚いただけですよww」「さん付けて呼ばせていただきますww」「、、貴方は私のこと千秋って呼んでましたよ、、」「、、へ??」俺は千秋さんの顔を見た。長く、艶のある赤茶の髪。少し赤茶色の切り長い目と高く小さい鼻、薄い唇がそこにはあった。「、、僕、、」「、、??」「、、僕って、、一人称俺でした、、??」「、、えぇ」「、、ほ、、他のみんなのことは、、何て呼んでました、、」「、、他のみんな、、??」「、、っ、、あぁ!!クソッ!!もうちょっとなのにっ!!!!」「、、!?ど、どうかしました!?」しゃがみ込んだ俺に千秋さんはそっと近寄った。「ずっと思い出せないんです!!俺には居たんだ!!何でもできるハイスペック男だけど下品で恋人のことしか考えてねぇ親友と口悪いけど美形で料理が美味すぎるちっこい奴と、変な後輩と、、口が裂けた奴と、、それと、、猫みたいな、、人間みたいで怪物な酒飲みと、、生意気で、、威勢だけは一丁前な弟と、、」「、、、、」「、、眼鏡をかけて、、髪の長い、、かなさんって呼ばれてた人が、、」「、、、、」すると俺の頬に千秋さんの温かく、小さな手のひらが伸びた。「、、??」「、、そのかなさんって人はもう居ないわよ、、8年前に死んだ」「、、、、」「、、恋人の事しか考えてない馬鹿は風磨って、、貴方は呼んでたわ」「、、、、」、、風磨、、「その恋人が小我太、、貴方の後輩で、私の弟の千鶴、、本当はいい子の種技と、、私たちのことを1番可愛がってくれた好橆帰さん、、そして、、」「、、、、」「貴方の可愛い弟の優」俺は顔を上げ、再度千秋さんの顔を見た。「、、、、」「、、あら、、加四六、、何で泣いてるの??」「、、、え、、」今は2月。地下牢は暖房はない。寒い。それにここは地下牢の地下だ、、寒いわけがない。しかし、俺の頭に浮かんだのは、真夏の、、空が青い日の出来事だった。