ニキ視点
何とかしてキャメの家に着いた。
俺は鍵を開けるためにもキャメを起こそうと、
「キャメ、家着いたよ」
と声をかけた。キャメは、
「うぅん…あれぇ、ニキくん?なんでぇ?」
ととろんとした目で此方を見てやや舌足らずな様子で尋ねてきた。
状況がまだ理解できていない様子である。俺は、
「酔い潰れたキャメを俺が此処まで運んだんだよ。
家に着いたけん、一旦鍵貸してくれる?」
と事の流れを説明して鍵を貸してくれと頼んだ。
キャメは、
「ありがとねぇ、ニキくんいつも。
鍵はねぇ、右のポッケに入れてるよぉ…zzz」
と自分で鍵を出すつもりは毛頭無いのか鍵の在り処だけを言って、再び眠ってしまった。
「(いくら相手が俺でも不用心過ぎない?!
このままだと俺余裕で襲うんだけど…)」
と心の中で悶えながら、言われた通り右ポッケから鍵を取り出し、ドアを開け、家の中に入った。
「よいしょっと、これでいいか?」
取り敢えず俺はキャメ家のベッドルームに入り、すやすやと眠っているキャメをベッドに寝かせた。
「疲れたなぁ」
と独り呟く。当然返事は無い。
起きそうにないので退出しようとすると、
「ニキくん…?」
これまたびっくり、キャメが目を覚ました。
「あれ、キャメ起きた?」
と俺が尋ねると、
「うん、ありがとう。いつもごめんね」
とお礼と謝罪の言葉を述べた。先程よりは酔いが冷めたのか、比較的言葉がはっきりしていた。
「どーいたしまして、ゆっくり休みなよ」
と返事をして、今度こそ退出しようとすると、
「泊まっていかないの?」
と想定外の質問が飛んできた。
一瞬、時が止まった気がした。
「え?」
思わず驚きを口に出してしまった。
キャメはハッとして、
「ごめん…今のは忘れて」
と顔を真っ赤にして手で顔を覆った。
泊まる気なんてさらさら無かった。
しかし、可愛い恋人に言われて泊まらないことなんてあるか、いやない。
「ッスゥーーッやっぱ泊まるわ今日」
と息を飲み込み返事をすると、
「!そっか…じゃあ、一緒に寝よ」
と少し驚いたあとに微笑み、手招きをされ、言われるがまま二人で一つのベッドに寝転んだ。
寝転んで暫く経ったは良いものの、俺は己の煩悩と戦っていた。
何故なら、流石に成人男性2人の身体が一つのベッドに収まる訳がなく、俺とキャメは身体を密着させた状態にあるからである。
これは中々くるものがある。
「(やっべぇ…勃ちそう)」
しかし、キャメは純粋な気持ちで泊めてくれている訳であって、決して厭らしいことをするためではない。18号にも釘を刺されたばかりである。
そう自分に言い聞かせ、なんとか理性を保った。
それにしても股間が痛い。早くえっちしたい。
煩悩まみれの思考のまま俺は眠りに就いた。
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