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廃れた工業地帯、空気は重く、暗い煙が漂う中、荼毘は工場の一角に座り込んでいた。彼の背中には火傷の跡が刻まれ、無感情に見えるその目にはどこか哀愁が漂っている。その彼に近づく、足音――死柄木だ。
「荼毘、何をしてる。」死柄木が声を低くして問いかける。
荼毘はちらりと死柄木に目を向けた。「考えてたんだよ。この世界がどれだけくだらねえかってな。」
死柄木は無表情のまま、彼の隣に座り込む。「くだらないからこそ、俺たちが変えるんだろ。」
二人の間にはしばしの沈黙が流れる。だがその沈黙の中には、同じ破壊への強い意志と互いへの信頼が隠れていた。
「なあ、死柄木。」荼毘が口を開く。「もしこのすべてを燃やし尽くしたら、お前は次に何をする?」
死柄木はその問いに一瞬考え込むが、やがて小さく笑う。「その灰の中に、新しい秩序を築く。俺たちが望む形の世界だ。」
荼毘はその言葉に少し驚いたような表情を見せる。「お前、ただの破壊マニアかと思ってたが、意外に考えてんだな。」
「破壊は手段だ。」死柄木ははっきりとした口調で答える。「荼毘、お前だってただ燃やすために燃やしてるわけじゃないだろ。」
荼毘は薄く笑いながら立ち上がった。「まあ、誰にも理解されない理由ってやつだ。」
その瞬間、遠くから銃声が響き、二人の視線がそちらに向く。敵対するヒーロー部隊が、彼らの隠れ家を見つけたのだ。
「行くぞ。」死柄木が立ち上がり、仲間への指示を出す。「俺たちの計画を邪魔する奴らを、徹底的に叩き潰す。」
荼毘の体に青い炎が灯り、彼は不敵な笑みを浮かべる。「燃やし尽くす準備はできてるぜ。」
青い炎と灰が舞い、廃れた工業地帯が戦場へと変わる。二人の破壊への意志が交わり、彼らの絆はさらに深まっていくのだった。