コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ーー最近自分がこのマンションに引っ越してきて、少し気になったことがあった。
となりの部屋からの騒音だ。
やけにドンドンとうるさく、自分にとっては夏のセミの鳴き声のように怒りがつのってしまう音だった。
まるで何かを叩いてるような、しつけてるようなこの音が自分は、
嫌いだ。
夏も終わりかけ、秋が近づいていたある日の深夜。自分はコンビニに夜食を買いに行った帰りのことだった。
住んでいる部屋の階まで上がった時、とあることに気づいた。
いつもは鳴っているはずのドンドンとした音が、していなかったのだ。
そして、さらにいつもとは違う異変に気がついた。
エレベーターの部分とは別の階段のところに、1人の女性が座っていた。
チラッと見えたその横顔は、童顔で子供らしい顔つきだけど淑やかさがあった。
天使みたいな顔立ちだな、と心の底から思った。
その時、その女性がこちらを向いた。
一瞬時が止まったように数秒目が合ったあと、その女性はこちらを不思議そうな目で見つめた。
自分も少し照れてしまい、軽く一礼をして、自分の部屋のドアを開けた。
少し開けるのに手こずってしまい、少し恥ずかしかったのを覚えている。
そして、その日は記念すべき、その女性と出会った記念日となったのだ。
もちろんその時は自分は、少し照れただけで、あまり気にしていなかったのだが。