テラーノベル
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「あっづーーーーー…」
クーラーが壊れた。今はフジも遊びに来てて外は炎天下。フジの家に行くことになりかけたけどフジの家はどうやら他の人に貸してる様子で。なんで貸してんだよって聞いてみたら俺の家が綺麗だからと即答されて半眼になった。
閑話休題。
先程も言ったがクーラーが壊れたので仕方なく扇風機を出してその前を陣取っていた。フジは別に何も声掛けてこないしそのまま居座ってるだけではあるが。
「ひあっ!?!?!」
「ン、いい反応するね。」
「おまっ!?!心臓止まるかと思ったわ!!!」
フジが何も言わないのをいい事に気にせず過ごしてたら唐突に背中に氷をぶち込まれた。コイツ、、、殺す。
「暑いしょ?」
「暑いけど…!!」
「ならちょーどいいべ。」
「お前マジで…!!」
苛苛しながらフジに身体を向けそのまま睨みつけるとふと首元に目線が行った。
つう、と伝う一筋の汗に思わず目を奪われる。なんというかそれはとても扇情的で、現在進行形でフジと…その……
「何見てんの。」
「ッ!?!!いや、何も、!」
「…?焦りすぎ、何考えてたの。」
気がついたらフジが俺の顔を覗き込んでじい、と見詰めていた。
「だからっ、別にっ……んひゃあっ!?!!?!?」
「…警戒心無さすぎ。前から氷入れたのに気付かないとか…」
「おまっ、ほんと…殺すぞ……!!」
扇情的なフジを前に変な声を上げてしまっては完全に”アレ”をしているみたいで思わず恥ずかしくなる。暑さのせいだけではない汗と顔を赤みを隠す様に膝を立てて顔を埋め込めばフジが俺の項に触れる。
「っ、なに、」
「いや?何も?」
ニヤニヤしながら俺と同じ返答をするフジに腹が立てばさっきよりも一層強く睨みつける。
「…わかったよ、答えればいいんでしょ」
「早く言えよ、焦らすな。」
「言っても怒んないでね」
「ものによるだろ」
「なら言わない」
扇風機の風で少し長めの前髪がさらりと流されるとフジの双眼と目が合った。俺は思わずドキリとして目を彷徨わせた。
「…怒ら、ない…から、」
「ほんと?」
「ほんと、」
「汗まみれのキヨが思ったより蠱惑的で。悪戯してみたらもっと蠱惑的になって正直興奮した。」
「っ、おまえ、まじで…」
扇風機に当たりっぱなしでひんやりした項には未だにじん、と体温が伝わってくる。その体温がいやらしく感じてきて高い体温が更に高くなる。
「キヨも、同じ気持ちだといいな」
「…俺も、同じ、だとおもう…」
目を彷徨かせながらもそう答えればフジは俺を抱き締めた。
「ありがと、キヨ。」
夏の蝉が鳴く酷く暑い日なのに、フジとのハグは何故か嫌な暑さはなかった。
コメント
1件
わああ私がリクエストしたやつだァ!!すっごい嬉しいです!めちゃえっちでなんかすごい妖艶で好きです!!ありがとうございます!