テラーノベル
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左腕が痛む程に、僕の全てを愛してほしい。
僕は世間一般に言うクズだと思う。
今まで抱いてきた、というか弄んできた女の子の数は沢山。両足使っても足りないんじゃない?という程には。
まあ、そんな僕だからこそ女の子からの恨みをたくさん買ってしまう訳で。今日も酷く言われ、頬まで叩かれてしまった。全く、イケメンの顔を叩くなんて頭大丈夫なのか?
そんなことを考えながらため息を吐く。こんな顔じゃ、母に心配をかけてしまうな、と思いながら家の近くまで来てしまった。
さて、どうしよう。と家の前で悩んでいると、声をかけられた。
「そこの嬢ちゃん、大丈夫?顔、凄いことなってるよ?」
嬢ちゃん?まてまて、僕は男だが!?と思い声の方を向くと、そこにはお隣さんの…名前なんだっけかな。とにかくお隣さんが声をかけていた。ここはとにかく、営業フェイスでなんとか乗り切らねば、と思い「大丈夫です。」と伝えた。
だが、お隣さんはほんとに大丈夫か怪しげな目で見てくる。やめろ見るな。こっちは女と間違われてんだ。いや妹の方と間違えてんのかも知んないけど。
「んー…そうは言ってもかなり腫れてるみたいだし。あちゃ、嬢ちゃんこれ誰にやられたの。」
僕の熱を持った頬に優しく触れると心配だ、という目線を感じる。こんなの、平気だって言うのに。
「本当に大丈夫です。大丈夫なので…では。」
めんどくさくなって家に帰ろうとした、帰ろうとしたのに…
「こんなの女の子がつけていいキズじゃないだろー?見た感じ、神崎さん家の子だろ?僕の家で手当していきなよ。」
確かにこの頬を見せれば母がめちゃくちゃとても心配するのは目に見えている。ここは有難く善意を受け取っておこうと思い「じゃあ…」と答えた。
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